ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:東京六大学野球・秋季リーグ(開幕戦)

f:id:y141:20190916224143j:image

(今年、乃木坂46のライブでは来れなかった神宮球場

大学時代、野球部が25年(50季)ぶりの優勝を達成した(優勝を牽引した4番打者は現在も応援している)。しかしながら、校内の盛り上がりはイマイチであったし、優勝のかかった試合に駆け付けたという話も(応援団関係者を除けば)耳にすることはなかった。何故なら、東都大学リーグは平日開催だったからである。

だから、大学院に進学して早慶戦を観戦した時はカルチャーショックだった。OBと現役学生が大きな声で校歌を歌う、得点が入れば肩を組んで応援歌を歌う。筆者には欠片もなかった母校愛を、何故彼等は持っているのかを知る良い機会となった。

9月14日、10数年ぶりに六大学野球を観戦するために神宮球場に足を運んだ。初夏に大学選手権を観戦したことが契機でもあるが、等々力の試合も控えているので程よい時間帯・開催場所だったことも大きい。土日・神宮開催は観戦者は、筆者のような日々フラフラしてる観戦者には格好の観戦環境だ。

f:id:y141:20190916224257j:image

(筆者の学生時代、おそらく遥か昔から変わってないだろうデザイン)

都市対抗野球大会もそうだが、六大学野球の嬉しいところはプロ野球であれば高値で販売されているだろう位置の座席をリーズナブルな価格で見れることだ。観戦好きの人間からすれば、ボーナスステージ(個人の感想です)。迷うことなくネット裏の特別内野席(1,500円)を購入。入場券の絶妙なサイズ感は、自分の学生時代はもちろん、長年継承されている規格なのだろう。

f:id:y141:20190916224225j:image

(ネット裏で観戦できるのはテンションが上がる)

筆者が観戦した第1試合は、春季リーグおよび今夏の大学選手権で優勝を果たした明治大学と、1年半勝利から遠ざかっている東京大学の対戦。

明大は今年のドラフト会議の注目候補でもあるエース・森下暢仁投手(4年・大分商)が先発。初回から最速152キロのストレートを中心とする投球で三振を奪う。一方、東大の先発・小林大雅投手(4年・横浜翠嵐高)も丁寧な投球で得点を許さず、上々の立ち上がりを見せる。球速の緩さが逆に良かったのかもしれない。

f:id:y141:20190916224500j:image

神宮球場の老舗・水明亭は、そば・うどん・丼物を手広く扱っている)

神宮球場の観戦の利点は球場インフラを利用できる点である。特に売店類が稼働しているのは嬉しいところ。特に筆者はプロ野球だと外野観戦が大半のため、行き来出来ない内野の売店に足を運べる貴重な機会でもある。

この日は、老舗・水明亭のトロトロなんこつうどんを食する。うどんの上に盛り付けられたなんこつはビールのお供にしたくなる濃厚な味わい(午後の観戦を控え我慢)

f:id:y141:20190916224525j:image

(東大が先制。球場の空気も変える鮮やかな一発だった)

昼飯を調達し、座席に戻ってすぐに東大が石本悠一選手(3年・桐朋高)の本塁打で先制。序盤から森下投手の速球に食らいついていた東大打線ではあったが、目が覚めるような一発を放った。しかし、明大も森下投手の自援護を含めた2本のタイムリーで逆転。「現実はそう甘くはない」と悟りかけたが、小林投手の粘りの投球と守備陣の好守もあり、東大は追加点を許さない。

f:id:y141:20190916224550j:image

(8回裏に同点に追いついた東大。コレにはスタンドも大きな歓声が沸く)

失礼を承知で言えば「思いがけない」1点差の接戦のまま、終盤8回裏を迎えた。東大はヒットと捕逸でランナーを二塁まで進め、4番・青山海選手(4年・広島学院高)のタイムリーで同点に追い付く。こうなれば、中立の立場だったネット裏の観戦者は東大に肩入れをし始めるのである(筆者を含む)甲子園で過剰な煽りが問題視されることがあったが、判官びいきというのは観戦者心理としては働くものだ笑

f:id:y141:20190916224627j:image

(2-2で9回終了。試合は延長戦に突入)

しかし、森下投手も簡単には崩れない。後続を断ち切り、続く9回も150キロの速球で三振を奪って反撃ムードを抑え込み、開幕戦から延長戦に突入。両先発投手は続投し、規定上の最終イニングである12回を迎えた。

f:id:y141:20190916224649j:image

(両投手とも12イニングを完投。東大・小林投手も粘りの投球が光った)

表の攻撃で明大はヒットとバントでランナーを3塁まで進め、犠牲フライで勝ち越しに成功。さらに東大の守備の乱れで三塁に進めたランナーをプッシュバントで帰して追加点を奪う。好守を続けてきた東大が最後の最後でミスが出てしまった。2点を奪った明大であるが、12回裏も森下投手は投げ切って試合を締める。

f:id:y141:20190916224726j:image

(最後の打者を内野フライに打ち取り、明大が勝利)

東大の健闘と明大の意地が交差した見ごたえのある試合であった。

f:id:y141:20190916224747j:image
ジワっと暑くなってきたので神宮名物・パイン氷をを食べる。

f:id:y141:20190916224811j:image

プロ野球では行列もできるだろう人気メニューも、ストレスなく買えることが財布のひもを緩めてしまう。

f:id:y141:20190916224839j:image

謎のプッシュを受けてプレミアム仕様(+100円)を頼んだが、プレミアム要素たる練乳がパインと絶妙の連携を見せてくれて大正解。店員さんに感謝。

f:id:y141:20190916224905j:image

(試合前の練習に臨む早大ナイン)

第2試合は、柏レイソルも応援している小宮山悟監督が率いる早稲田大学が登場。

f:id:y141:20190916224930j:image

(小宮山監督の背番号は「30」。スタメンには中川卓・蛭間といった1年生の名も)

二浪して早稲田に入学したエピソードはあまりにも有名な小宮山監督なだけに、早慶戦の敗戦が絡んで春季優勝を逃したのは責任を少なからず感じているかもしれない。

早稲田の応援はチアパフォーマンスも華やかで、ハリセンを使った応援で球場に音が鳴り響いていた。チャンスがあれば、早稲田の試合もじっくり見たいところだ。

f:id:y141:20190916225018j:image
途中で切り上げて離脱。球場前の通路がガランとしているのが非常に新鮮だった。フラっと野球を見に行くには、この上ない環境だ。フルハウスの熱狂の渦に巻き込まれるような観戦も大きな魅力だが、近所の公園に行くような感覚でスポーツ観戦するのも楽しいのだ。

にほんブログ村 その他スポーツブログへ
にほんブログ村