2月17日、国立競技場でFUJIFILM SUPER CUP 2024を観戦。
個人的には、昨年12月から3試合連続で国立競技場での観戦。
昼開催時の日照等の理解も進み、観戦装備に対してもツボを心得てきた気がする(汗)
未来は保証しないが、きっかけにしたい勝利
試合は、山東戦から大幅ターンオーバーの川崎が苦しみながらサイ選手のゴールで勝利。3度目のスーパーカップを獲得。
対戦相手の神戸さんは、武藤選手が不在で、本調子までにはいかない状態だったことも差し引く必要はあるが、今季の副将に就任した各選手の奮闘と、若手からベテランまでの「最後はやらせない」意識が伝わった。
この試合が未来を保証することはないが、チームとしても、個々の選手にしてもポジティブになれる試合だったことは間違いないだろう。
大切な試合が続くだけに、出場した選手たちの飛躍のきっかけにしてほしい。
Jリーグのソフトパワーと、スーパーカップというショーケース
スーパーカップについて、対戦する2クラブに限らず、Jリーグサポーターの前夜祭イベントとして定着してきたと思う。今回は大会参加チームのサポーターとして足を運んだが、他サポも来やすい雰囲気になっている点も現地に足を運んでも強く感じる。
スポーツイベントにおける「フェス化」の流れは今に始まった話ではないが、Jリーグにおいては、観客を呼び込むスター選手の不在、近年までの専用スタジアムといったハード面の弱さもあり、ソフトパワーを駆使して顧客満足度を高めてきた経緯も大きいと思う。
各クラブが取組んだ施策の代表格として挙げられるのが「スタジアムグルメの充実」「マスコットキャラクターの活躍」の2点である。こうした取組は、リーグ側が旗振り役として戦略的に進められたものではなく、市街地から離れたエリアにある開催で出店を募ったこと、ゆるキャラブームの影響でマスコットの行動が話題作りになる流れが定着したこと等、様々な理由が合わさって自然と各クラブに浸透したものと考えるのが自然だろう。
スーパーカップにおける集約と定着
各クラブの取組は、00年代後半にウェブメディア『J's Goal』や専門誌『J'sサッカー』等を通じて特集されてきたが、Jリーグ側も『FUJI XEROX SUPER CUP 2010』において各クラブのスタジアムグルメ・マスコット大集合というイベントを開催したことを契機に、リーグを代表する魅力として紹介する機会が増えていった。
また、イベントが始まった頃と同時期に旧twitter(現:X)が普及し始めたことで、マスコットグリーティング、スタジアムグルメ情報がリアルタイム発信&拡散されるようになったことで、観戦者における認知度も飛躍的に向上したことも当事者としては強く感じている。
そして、スーパーカップは、各クラブのマスコット・スタジアムグルメの存在をアピールするショーケース的な役割を果たしている。私見であるが、そうした役割を果たすためにスーパーカップは丁度良い舞台だと思っている。一方、グルメイベントの混雑度が大会運営に与える負担や、マスコット総選挙の順位固定化など課題も散見されており、評価がマイナスになり兼ねない状態になっていた。
運営方法の変更による効果
こうした課題等に応えるように、昨年~今年にかけて運営方法が一部変更されている。
① 投票参加型のマスコット総選挙から現地参加型のマスコット大運動会に変更
② スタジアムグルメを競技場外の3会場に分散開催
③ 国立競技場内にあるホールスペース等を活用し、展示ブースを設置
個人的には、各取組は上手く機能していると感じた。例えば、昨年から開始された「①」の運動会は、アフターゲームショーとしてまだ手探りなところもあるが、試合終了後の観客の分散退場に繋がる役割を果たすなど大規模イベントならではの効果もある。実際、筆者は予定があり早々に会場を後にしたが、多くの観客が会場残っていたこともあり、スムーズに駅に入場することができた。
また、今年開始された「②」の会場分散策も非常に良かった。グルメスペースを競技場周辺に設営すると列形成を含めたスペースが必要となるが、別会場に設置することで会場周辺のスペース確保と混雑度の緩和に繋げられた。
ラグビー場を除けばイベントのパッティングの割合も低い時期の開催だけに、こうしたスペーシングは今後も利用可能だろうし、観戦者も今回の体験から攻略に向けた対策も練ってくるだろう(笑)
新規層開拓とは異なる「既存層深堀」
Jリーグ創設から30年という年数は、定着と同時に目新しさ・新規性を生むには難しい年数であり、今では国内の各スポーツリーグが集客に向けて力を入れている。そうした中で競争環境の中で、無料招待・セントラル開催のような新規層向けの取組を進める施策は大切だと思う。
これに対して、スーパーカップはどちらかと言えば既存の観戦者向けのお祭りという印象が強い。個人的に、同大会に参加した観戦者が「このアウェイ行ってみたいな」「あのマスコットに会いに行きたいな」という気持ちを育む=深化させる場所であってほしいと考えている。筆者自身、そうした立場で長年足を運んできた大会であるが、本年は大会の進化に大きな手応えを感じただけに、観戦文化の交差点として更なる発展を期待したいと思う。
もっと楽しもうぜ、僕らのJリーグ。