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ボンクラライフ

【アドベントカレンダー】OCHA NORMAからスポーツ・プロモーションを考え直してみたぜ

本記事は「川崎ブレイブサンダース ファミリー Advent Calendar 2022 - Adventar」の第22日目に寄稿するものです。昨日(12月21日)は、宮井さやかさんの「Home Sweet Home」でした。ビジター観戦を経験すればするほど感じるホームの「我が家」感、とてもわかります。是非×2ご覧ください。

以下、本記事本文は平時と同様に「である」調で書かせていただきます。

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筆者はスポーツ観戦者であると同時に、アイドルイベント足を運ぶアイドルファンである。本記事では、双方の視点に立ち、川崎ブレイブサンダースで実施されたアイドルとのコラボ事例を踏まえ、プロモーションのあり方を考察できればと思う。

1. 【事例】:ハーフタイムショーデビューだぜ

www.barks.jp

2022年10月21日、シーホース三河戦にハロー!プロジェクト(以降「ハロプロ」と書く)のアイドルグループ 『OCHA NORMA (オチャノーマ) 』が来場した。

ブレサンファミリーならばご存じだと思うが、川崎の担当者に熱心なアイドルファンがいるのか、数年前から隙あらばアイドルをゲストブッキングしている。特にハロプロが好き(あくまで筆者の推測である)なのか、BEYOOOOONDS、あるいはアンジュルム上國料萌衣さんも来場した実績がある。

同じアイドルファンとして熱い想いは汲み取れるが、スポーツ観戦者としては違和感を覚える部分もある。理由はシンプルで、ゲストとマッチデーに脈絡が無いからである。厳しいことを言えば、趣向とプロモーションのバランスが取れていないと思う。

2.【検証】「セカンドアタック」不発から考える【+】と【×】

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忖度無しで言えば、OCHA NORMAの一般的な知名度は正直低い。熱心なアイドルファンの間でも、ようやく名前が知られてきた程度のレベルだと思う。そのような現況を踏まえれば、ハーフタイムイベント起用は抜擢とも言える好待遇だろう。

一方、ハーフタイムイベントの模様は、テレビ東京で放送された『ハロドリ。』(2022年11月7日放送分)に取り上げられている。リハーサルの模様からハーフタイムイベント、試合の応援、そしてメンバーとロウルとの交流の模様を時間を割いて紹介していた。視聴者層も限られる番組であるが、ネット配信(TVer)もある地上波番組で取り上げたことをクラブ側から一切発信が無かったのは勿体なかった。

ameblo.jp

また、メンバー最年少の筒井澪心(つついろこ)さんは、昨年12月のオーディションに合格する直前までバスケットを続けていた経験者(ポジションはガード)だ。本年9月に開催されたNBAジャパンゲームも生観戦したこともあり、とどろきアリーナの試合観戦も非常に楽しんだそうで、メンバーに熱心に解説したそうだ。ファンの視点に立つと、こうした繋がりを掘り下げてあげても良かったとも考える。

このように、イベント起用をベースとした拡張性も想定されるが、試合に敗戦したことも影響しているのか、試合開催後は何事も無かったかのように取り上げていない。やはり、こうした対応を含めると、集客プロモを「足し算」で考えているのではないか。

news.yahoo.co.jp

イベントに参加した縁でファンになってくれるという事例は多々ある。例えば、(筆者も記事を読んで笑ってしまったのだが)数年前の川崎フロンターレのファン感謝祭での余興が契機でハーフタイムイベントに参加してくださったDJ KOOさんが、W杯関係の報道は『芸能界きってのフロンターレ通(原文ママ)』として登場した(汗)

極端な事例であるが、小さな接点・コラボがファン獲得の入口となり、発信力を付与する存在となったのは「掛け算」のプロモ戦略が功を奏したと言える。

3.【考察】観客に提供するメインディッシュは何か?

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東芝からDeNAに体制変更後、地域密着を押し出したドメスティックなスタイルから、地域性を取り込みながらもスタイリッシュに仕上げたブランドイメージを形成するスタイル変化を取り上げてきた。

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ブランドイメージ形成の過程で、バスケに無関心だった層をアリーナに呼ぼうとする施策も積極的に行っている。アイドルに限らず、有名人やインフルエンサーをイベント等に呼ぶといったインフルエンサーマーケティングに近い取組も積極的に行っている。このインパクトは凄まじく、知名度や集客獲得に繋げており、成功事例と言えるだろう。

一方、こうしたアプローチは一過性の影響度、あるいは単発的な集客には繋がるかもしれないが、リーチした人々をファンに変換できるかが重要だろう。先ほどの事例紹介にも繋がるが、イベント後のリバウンド、セカンドアタックを続けなければならない。

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そして、スポーツ興行のメインディッシュは、スタジアム・アリーナで繰り広げられる公式戦=試合であることを忘れてはならない。国内のトップリーグに位置するチームは、競技レベルを維持・成長するための【牽引者】であると同時に、競技を「布教」する立場にある【伝道師】の役割を果たす。プロアマ関係なく、その役割が機能するか否かで競技力・競技人気を左右するものだろう。

たしかに、プロスポーツにおける結果とは【試合の勝利】と【満員の観客】だと考えるが、全ては試合終了後に、その競技の理解者・ファンを1人でも多く作ることが本当の目的であることを忘れてはならない。スポーツビジネスの発展ともに、より多く稼ぐ話は盛んに取り上げられているが、より多くの人たちに競技の魅力を伝えるための議論も同じくらい活発であってほしいと考えている。

4.【私見】脱体育・部活動の雰囲気作りへの期待

川崎の取組に対してネガティブな意見を述べてきたが、逆に期待している部分もある。それは、エンタテイメント性を強調することで、スポーツ観戦に対するハードルを押し下げること、さらに運動の得意・不得意に関係なくスポーツに対する関心を寄せてくれる可能性はあると考えているからだ。

どうしても、日本国内の競技会・公式戦は、学校教育の中にある体育、あるいは運動部の延長線にあることが多い。そこに付随する応援文化であったり、会場の雰囲気も寄せられている。こうした純度の高い真剣勝負の雰囲気が観客に伝染し、見ごたえのある試合を生み出す土壌になることも理解しているが、そうした雰囲気が苦手な人は結構多いと思う。

とどろきアリーナが作り出すエンタテイメント空間は、そうした人々も足を運べるような敷居の高さを提供してくれると思う。プロバスケットボールの市場規模を考えれば、もっと多くの人々に足を運んでもらえるようになる空間作りを目指して欲しいと思う。

さいごに:お茶の間デビューだぜ!

バスケに限らず、スポーツ興行がライブエンタテイメント、あるいはファンビジネスとして成長することは非常に良いことだと思う。一方、競技である側面からも批評、あるいは批判なるものも出てくる。これ自体は普通の現象ではあるが、圧倒的肯定をマインドとするファン層との相性は良くない。ファンも含めて、その最適解を模索している最中だと思われる。

そして、OCHA NORMAは、イベント参加後の11月15日に日本レコード大賞の新人賞を受賞した。その結果、12月30日(金)放送される同番組にも出演し、とどろきアリーナでパフォーマンスした『恋のクラウチングスタート』等をテレビで披露する予定だ。マッチデーと被っているが、ブレサンファミリーの皆様も最優秀新人賞を争う彼女たちの雄姿を見守ってほしい。

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最後まで読んでくださってありがとうございました。

23日目はasamin_sportさんがご執筆の予定です。現時点では内容はベールに包まれておりますが、どのような記事になるか楽しみです。こちらも是非ご覧ください。

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