6月6日、等々力で天皇杯2回戦を観戦。
本年の初戦は、JFLを代表する強豪チーム・ソニー仙台さんとマッチアップ。
鬼木監督、向島スカウトをはじめとする現在のクラブスタッフ、中西哲生さんが現役だったJFL時代以来、20年ぶりの対戦となりました。
【ハイライト】#天皇杯 2回戦#川崎フロンターレ × #ソニー仙台FC は、3-2で川崎Fが勝利! #スカサカ @frontale_staff
— スカサカ!24時間サッカー専門チャンネル (@sptv_jleague) 2018年6月6日
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試合は、前半に先制・追加点を奪われる苦しい展開となりましたが、後半に3得点を奪って逆転勝利。
試合を通じて、感じたことは以下の通りです。
◯ 準備 × 差異 × 修正
この日のフロンターレは、リーグ戦に出場するメンバーを軸にしながらも、コアメンバーの数人は入れ替えて臨みました。
試合を振り返ると、攻守のベースは維持し、1つのチームとして戦えることを意識した編成であると同時に、試合中に発生する様々なシチュエーションを想定して選ばれたベンチメンバーだったのだと思います。
結果として、首脳陣の準備した編成の良し悪しが出た90分であったと思います。序盤の攻勢と決定機の演出は、チームのベースを維持した編成が功を奏したかたちだと思います。
雨によって高速ピッチになったとはいえ、少々間隔が開いた中で迎えた公式戦において、非常に良いテンポでゴールに迫れていましたので、観客はもちろん、ピッチ内のイレブンも手応えを感じていたのではないでしょうか。
しかしながら、序盤に感じた「イケる」というフロンターレの手応えが裏目に出たのが、ソニー仙台さんの2得点に繋がったと思います。
崩せそうな雰囲気はある、しかしながら、フィニッシュの精度が甘く、鬼木フロンターレの生命線である切替の速さ・球際の部分に緩さが散見され、そこを狙いすましたかのように、局面の強度と集中力、そして公式戦の連勝によるチームの勢いを力に変え、素晴らしいゴールで等々力に驚き・どよめき・熱気を生み出しました。ふろん太くん風に言えば「フワッと」の構造がわかりやすく伝わる前半45分でした。
同点、そして逆転を狙う後半は、フワトロからパリっと食感を変えたフロンターレを見ることができました。頭と心のネジを巻き直したというか、本来のプレー強度を取り戻し、イコールコンディションではないソニー仙台さんの疲弊度を突くかたちで押し込む展開を作りました。
また、鬼木監督の施したベンチワークによる修正も良かったと思います。相手を押し込むかたちを作るためにポストで張れる知念選手を前半終わりから投入、相手前線とのミスマッチ・ビルドアップの安定を図るために3月に実践した車屋先生のCB起用、よりワイドな攻撃を生み出すラルフ選手を入れるなど、これまでの戦いで培ったリソースを駆使しながら逆転勝利を手繰り寄せることができました。その意味では、前半戦の総集編のような45分だったと思います。
そして、JFLで実績と結果を積み上げたソニー仙台さんの強さを改めて実感。連戦でも90分走り抜く運動量はもちろん、規律ある攻守のバランス、ボールを繋ぐ技術、局面を見てもクオリティの高さは唸らされます。もちろん、自分自身、JFL観戦はコツコツと続けているだけに、同リーグで上位につける意味を理解してるつもりでしたが、実際に目にして深く頷くこととなりました。天皇杯だからこそ体感できる未知の強豪との遭遇も大きな魅力であると強く感じる試合となりました。
以上です。反省の多い試合にはなりましたが、ソニー仙台さんという実力のある対戦相手と手を合わせることで本来のサッカーを取り戻し、勝ち切ることができたのは今後に繋がるのではないかと。相手あってのサッカーであり、しのぎを削ることで強くなれるのだと再認識させられました。この一歩、1試合を大切に3回戦も戦っていきたいと思います。