ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-FC東京

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5月5日、等々力で多摩川クラシコを観戦。

試合は、セットプレーからの2得点を奪ったFC東京さんの勝利。試合を振り返り、感じたことは以下の通りです。

〇 新たな「カラー」を見せつけた長谷川トーキョー

今季初対戦のFC東京さんは、長谷川健太監督のカラーが色濃く出ていたと思います。 

運動量を駆使した攻守の切替、球際の強さ、ロングカウンターを軸にしたシンプルな攻撃を特徴とするチームは、2014年にガンバ大阪の監督として三冠を達成した時のチームに似た雰囲気を感じました。

また、長谷川ガンバの主力選手として活躍した阿部選手を獲得した昨季のフロンターレも、風間監督が築いたサッカースタイルに加え、攻守でハードワークをする部分を植え付けたことによって、初タイトルを引き寄せることができました。自分の中で「川崎のガンバ化」と評していた変貌を、今季は長谷川監督自らがFC東京さんで起こしているのだと外から見て感じていました。

両チームが変貌を遂げた背景に加え、疲労度の否めない連戦の状況を踏まえ、戦前より「相手よりハードワークできるか?」が試合のカギを握ると考えていましたが、FC東京さんに圧倒されてしまいました。

長谷川監督に「(足が)つるまでやれ!灰になるまで戦え」と檄を飛ばされた永井選手の鋭いプレスバック、ディエゴ・オリベイラ選手が見せた駆け引きの上手さが守備陣の脅威となり続け、中盤の選手も球際の強さに加え、相手の圧力を剥がして繋ぐ展開力も見せることにより、攻守に主導権を握り続けることに成功しました。

まるで、排気量の違うエンジンを積んだマシンが同じレースを戦っているような、両チームの機動性の違いに軽く絶望してしまいました。

〇 鬼木フロンターレに求められる整理と課題

2試合連続の完封負けで2015年以来の連敗。4月下旬に3連勝を飾り、上昇気流に乗れたと思っただけに、悔しさと同時に今後への不安が募る敗戦となりました。連戦を踏まえ、ターンオーバーを敢行したものの、攻守に機能不全が発生し、憲剛さんと悠様を投入した後半も、時間の経過とともに相手のゴールが遠く感じる苦しい展開でした。

気になったのは、ポゼッション時における「無言」のパスが多かったことです。風間式のパターン化されていないサッカーを表現するためには、選手間のボール交換を通じてコミュニケーションが図られなければなりません。

良い攻撃ができているときは、メッセージ性のあるパスが何本も繋がることで有機的な攻撃が展開することが出来ますが、この日のように意思疎通が図られていない場合は、無機質な横パスがミドルサード近辺を行き来するだけの迫力の欠けた「攻撃のような何か」が展開されています。何をするべきか、どう攻めるべきかに戸惑う様子が痛く伝わってきたので、選手が感じた辛い思いを共有できました。

こうした状況を踏まえると、チーム戦術におけるタスクの整理整頓を今一度見直すこと、各選手のプレー内容に対する軌道修正することが必要になると思います。ピッチ上でチームの一員として戦うために、各選手がすべきこと、周囲の選手たちと連携することを整理してチームとして戦える状態にすることが改善の第一歩だと思います。

また、ブレーキとなってしまった嘉人さんにしろ、フィットまで少し時間が必要なマナブにしても、チームと噛み合っていない部分を修正し、持ち味を引き出せるようにしなければ、勿体ないだけの余剰戦力になってしまいます。

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現在のままでは、昨季に近いレベルまでしかチーム力は高められません。昨年を超えるためには、改めて彼等の力をチームの力に還元することが必要だと思いました。

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以上です。「どうしたものか」と頭を抱え、辛い思いを共有した連敗。チームの基盤が揺らぐなかで、鬼木監督が立て直すことができるのか。中断期間まで残り2試合、1試合を大切にして戦っていきたいところです。

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