ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:谷川流『涼宮ハルヒの動揺』


涼宮ハルヒの動揺 (角川スニーカー文庫)


■ 短編における想定外
今回も短編で『溜息』の時に撮影した映画の本編だとか、学園祭当日の模様。
他にも長門に恋するキョンの中学時代の同級生だったり、冬合宿の続きの話とか。
過去作品の後日談的なエピソードが多かったりする、微妙にまとまりがない本巻。


短編でのジャンルの可変、正確な表現かといえば難しいが、こう書いておく。
つまり『暴走』における「エンドレスエイト」のようなSF風味の濃い内容の時もあれば、
夏合宿や冬合宿などでの推理小説風味のストーリー展開など、引き出しの多さである。
語りのキョンこそ変わらぬが、何か新鮮さを感じるし、想定外の展開で読んでて驚く。


「あること」をネタに話が進むというのはよくあることだが、そのレベルでない。
ある意味『学園物』という何とも不透明な方向性がなしてる、離れ技なのだろうか?
ハルヒという作品の奇抜さを印象づけているのは、こうした作品の自由度かもしれない。
私はラノベ読書量が少ないので、他作品でもこのような事態があるかもしれないが。