ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了・コミック:かわぐちかいじ『ジパング』(22)


ジパング(22) (モーニング KC)


■第22巻では
再び「みらい」に乗るため、パラオにたどり着いた角松一派。
船を統括する菊池は、そんな角松達の乗艦を敢えて認めることに。
それぞれの思いが交錯する船が目指す地は、ギルバート諸島・ベチオ島。
撤退を米軍に気づかれずに完遂するため、「みらい」からも支援のため上陸。
菊池自身も指揮のためメンバーに参加、そして角松も自ら志願するのだが…。


■読み終わって
前巻までの潜水艦という、独特の閉塞空間から解放された22巻。
しかし今度は兵隊に囲まれ、孤立した半地下陣地での緊張状態となる。
今巻あたりは息をつかせぬ状態が続き、連載時も気になって仕方なかった。


前巻での緊迫した戦闘とは異なるが、角松と菊池のやりとりは息をのむ。
草加のやり方に賭けた菊池、草加のやり方を必死に止めようとする角松の2人。
「戦闘艦の意思決定者は一人でいい」という、角松の台詞に信念を感じますわ。
やはり菊池より角松の方が精神的にタフ、逆に負傷後の菊池の動向は気になる展開。
割と派手な戦闘などは無かったが、一つの大きな転換点となった巻だったと思われる。


あと巻末、かわぐちかいじ先生の「日本人とは何なのか」インタビューが収録。
先生は、意外に日本人を誇りたい気持ちも否定したい気持ちのジレンマだとか。
設定的に時代状況に関わりやすい内容の中、普遍的な志向で書き続けたいそうです。
やっぱ、私は信念を持った人の作品ってのは好きです、次巻以降も楽しみです。