ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【ぼんやり遠征記】明治安田生命J1リーグ:サンフレッチェ広島-川崎フロンターレ『Memories』

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3月19日、今季初の遠征となる広島へ。

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(移動手段別で勝率が高い飛行機移動)

サポーターを自称する観戦者にとって、観戦は日常生活の一部に近い感覚を抱くと思うが、何年続けていようともアウェイ遠征が持つ非日常性は普遍的なものだ。

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(赤と紫、広島の誇り)
年度末の激務でヘロヘロな筆者にとって、ご褒美感が強い。いい歳した大人が遠足前日の子供のような心境になるのだから、この趣味を続けてきて本当に良かったと思う。

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アストラムラインの看板選手・藤井選手)

広島空港から高速バスでアストラムライン中筋駅に移動し、そこから広域公園前駅にアクセス。乗車中に顔と名前をしっかり覚えた藤井智也選手、数時間後の試合で驚異的な運動量で我々の脅威になるとは考えもしなかった(汗)

1. スタジアムが呼び起こす記憶

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エディオンスタジアム広島広島広域公園)は、移動距離に対して足を運んでいる回数が多いスタジアムである。エディスタに限らず、アウェイのスタジアムに足を運ぶと脳内の記憶装置が自動再生モードになるのだが、ココでは記憶に残る試合を何度も経験した。

8連敗を経験する等の苦闘が続いた中で何とかJ1残留を確定した2011年、試合後に見た鮮やな紅葉が今も忘れられない。

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(最後の夜行バス利用した2014年早朝)

佐藤寿人さんのスーパーゴール、強烈なフリーキックで心をへし折られた2014年をはじめ、森保監督時代は何度も現実を突きつけられた。

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(悠の2ゴールで勝利。望みを繋いだ勝利)

リーグ連覇のために絶対勝たなければならなかった大一番で逆転勝利を収めた2018年、残り試合に覚悟を決めた真夏の夜でもあった。

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新スタジアム建設は素晴らしいことであり、筆者の楽しみの1つでもあるが、アクセスが途切れることで過去の記憶に触れる機会が無くなるのは少し寂しくも感じる。スタジアムが見える坂道を登りながら、そんなことを考えていた。

2. ランバ・ラル現象

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当日昼入り+雨でバタバタしていたが、イベントスペースに足を運ぶ。サンチェくん生誕記念で販売された揚げもみじまんしゅうをゲット。10年ほど前にも宮島で食べたことがあるが皮のカリカリになった食感が良すぎる。

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また、運良くSPL∞ASHさんのミニライブも見ることができた。アイドルファンならば知る人ぞ知る名門・アクターズスクール広島の俊英たちが集うユニットである。

TOKYO IDOL FESTIVALで先輩メンバーたちのステージを初めて見たのが2016年頃なので、こうして活動が続いていることに歴史を感じる。短い中でも声量あるボーカル、身体の軸がブレないダンスの質が高さは短い時間の中でも強く感じた。この瞬間だけ戦いのことを忘れてアイドルヲタクになっていた気もする(サンチェたいそうを踊りながら)

3. 天気と転機

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旅行の荷造りで自分が大切にしているのは、旅行時のシチュエーションをイメージする

ことだ。特に天候関係は常に最悪のシチュエーションを考える。願わくば無駄になってほしいと思ったが、フル活用することになった。

さらに言えばエディスタは山の上にあるので、天候が変わりやすい。晴れ間が見えたかと思えば、また雨が強くなる。近年はゴル裏に行く機会が減った筆者にとっては、久々にハードな観戦となった。

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(希少となったドット絵表示。味がある)
川崎視点では試合内容も険しい展開となった。広島さんの運動量と連動性が非常に素晴らしく、守備に追われる。対戦相手として見れば厄介だが、ワンタッチやフリックを駆使したリズム感のあるパスワーク、個で剥がすテクニックが随所に見られる攻撃は第三者視点では面白い。00年代後半から10年代前半のペドロヴィッチ監督時代の香りが仄かに感じた。
耐える時間の続いた川崎だが、無失点で凌ぎ切ることができた。特に、日本代表にも選出された谷口の冷静な判断と要所の厳しさが光る。たしかに危ない場面も多かったが「最後は谷口と山村がいるから大丈夫」を心の支えにしながら応援していた。ありがとう、谷口君さんキャプテン。

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(カブポシェ持参してくれたサンチェくん)

経験上、こうした苦しい展開から勝利を狙うのであれば、相手の綻びを突くしかない。が、後半に入っても打開策を見出せなかった。若い選手が前線に据えた広島さんの運動量が維持できていたので圧力が弱まらなかったからだ。

川崎は、そうした状況を大島、知念の投入で巻き返す。相手の圧力が来ようともターンして前を向ける大島選手、鋼のフィジカルで相手にボールをキープする知念選手が曲面でポイントを作り、攻撃の機会を作る。雨が降る曇天の中に見せた晴れ間のようにピッチ上に光を見出した時間に先制点を奪えたことが大きかった。

先制点の場面、そこまでに至る流れが印象に残った。獲得したCK、普通ならば脇坂が蹴るのだが、大島が脇坂に手振りでアピールして蹴ることになった。久々に出場機会を得た彼の強い意志が伝わってきた。
思いが込められたようなキックは、良いコースを描きオウンゴールを誘った。普段はなかなか見せない力強いガッツポーズを見せた大島の姿に胸が熱くなった。

リードを奪った後も楽な展開ではなかったが、終盤に投入された遠野と悠の2人が攻守で身体を張ってくれた。最後まで諦めずに戦うことに関しては、勝ち試合に限らず徹底できているのは心強か感じる。

追加点の場面も遠野が必死に追いかけて繋いだことから生まれたものだ。遠野か追いついた一歩、山根が反応した一瞬、ワンプレーに対する執念がゴールに詰まっていた。

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(インタビュー後に挨拶に来た山根選手)

序盤戦からこうした部分を出せているのは相手からすれば嫌だろうし、苦闘の中でも勝利を積み上げられる理由だと思う。

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観戦者を含めてタフな試合だった。苦しい時間帯もピッチ上でタフに戦い、勝利を手繰り寄せた集中力を見せたイレブンの姿には応援する気持ちを一層強くしてくれた。

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(試合後、スタジアム前で見た虹)

エディオンスタジアム広島での記憶に刻まれた新たな1ページ、今回も忘れられないものになりそうだ。大切に胸にしまって川崎に戻りたいと思う。

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