3月20日、有給明けの会社での業務を終えて東京ドームでオープン戦を観戦。
東京ドームに入った瞬間、数年前のクライマックスシリーズにタイムスリップしたような光景が目に飛び込んできました。オープン戦とは思えないほど、超満員の観客の熱気が場内を包み込んでいたからです。
〇 2018年の上原浩治
熱源は、メディアを通じて登板が予告されていた上原浩治の存在です。
#上原浩治 投手10年ぶりの東京ドーム登板!GLSで生中継!https://t.co/UK3tJ8ScKt#ジャイアンツ #巨人 #giants #奮輝 pic.twitter.com/2gdVyaWz2m
— 読売ジャイアンツ(Giants) (@TokyoGiants) 2018年3月20日
オーロラビジョンに「Welcome Back」の文字とともにアナウンスが告げられた背番号11は、ファイターズの下位打線を無失点に抑え、超満員の観客の期待に応えるかたちで復帰登板を終えました。まだまだ本調子とは言い難い内容ではありましたが、テンポの良いピッチングを見ていて、実感がわきました。
〇 上原浩治を初めて見た20世紀最後の夏
筆者は、上原浩治をめぐる異様なフィーバーぶりを見ながら、2000年の夏休みに観戦した試合での出来事を思い出しました。
前年(1999年)に20勝をあげるなど新人ばなれした活躍をあげた上原でしたが、2年目は苦戦が続き、ローテーションを外れる時期もありました。そんな中で「上原が東京ドームで開催されるイースタンリーグの試合に調整登板する」というニュースを耳にすると、予備校も部活も無かった(サボっていないことを強調)高校生の筆者は「上原のピッチングを生で見たい」の一心でドームに駆けつけました。
当日券を買い求める長蛇の列に加え、イースタンリーグなのにダフ屋まで登場するほどの球場前の熱気、何とか当日券を手にして入った球場の客席がドンドンと埋まっていく光景は今でも忘れえない光景です。
丁度、この時の対戦相手もファイターズ。ジャイアンツは先発した上原に続き、斎藤雅樹、木村龍治といった一軍クラスの投手による豪華リレーが展開され、9回に登場した内薗も150キロの速球で観客の度肝を抜きました。
結局、内薗が勝ち越し点を与えて試合には敗れたものの、当時はテレビでしか見れなかったスター選手をこの目で見たことに感動していました。自分の観戦経験の中でも最も印象に残った試合の1つです。
◯ 大きすぎる期待から垣間見えるもの
20日に #東京ドーム で開催された #オープン戦「巨人対日本ハム」の入場者数は4万6,297人で、2006年から始めた東京ドームでのオープン戦入場者実数発表以降では最多記録を更新しました。お越しいただいたファンの皆様、ありがとうございました!#巨人 #ジャイアンツ #giants pic.twitter.com/K3opUHJ0xD
— 読売ジャイアンツ(Giants) (@TokyoGiants) 2018年3月21日
2000年のイースタンリーグで約3万人の観客を集めた上原は、2018年のオープン戦で最多動員記録となる4万6000人を呼び込みました。
MLBでも世界一を達成した平成のジャイアンツを代表する投手の電撃復帰は、自分の想像を遥かに超えるインパクトを与えたのだと実感するとともに、ここ数年のジャイアンツに「客を呼べる選手」が不在であったことを裏付ける試合にもなりました。
正直、年齢・復帰した日本球界の順応等を踏まえると、彼に対する期待は若干「大きすぎる」とも感じています。しかし、近年のチームの動向等を踏まえると理解できる部分も非常に大きい。
2014年のCS敗退後、編成に係る一貫性の欠如や世代交代の遅れが響き、チーム成績は下降線をたどり、所属選手の野球賭博問題、球団を巡る騒動の余波で一番の歓声を集めていた高橋由伸の引退、とにかく暗い話題が多かったです。筆者も含めて、過去のゴタゴタも経験しても見続けてるファンは今更見捨てはしないものの、チームに対して「明るい未来が見えてきません」(KENSO風)状態だったと思います。
球団ファンにとって上原浩治の復帰は、眩いほどに明るい話題だったと思います。スター選手の存在は、現状に向き合うファンに希望を与えたからこそ、球場に失われつつあった熱気を呼び覚ましたのではないでしょうか。そうした熱狂の先にあるものは栄光か?挫折か?選手たちの「奮輝」に期待したい。