ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-ガンバ大阪

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昨日は、等々力でガンバ大阪との試合を観戦。サッカーファンにとって「11月3日」=晴天の国立競技場のイメージが強いと思いますが、今年もいい天気になりました。

試合は、川崎が長谷川・三好両選手のゴールで2点先行したものの、後半に3失点を喫して逆転負け。試合を通じて感じたことは、以下の点です。

1.「未来」を垣間見た前半、「限界」を痛感した後半

この日は、前半と後半で大きく様相が異なる試合であったと思います。川崎側の視点に立てば、前半は出木杉君、後半はのび太君(テレビ版)くらいの落差はあったのではないかと。
ビルドアップ時の相手プレスに対して冷静に対応できていたことに加え、ガンバの前線と最終ラインの間のスペースに嘉人さんやネットさんがボールをキープ、高い位置取りをしていた両サイドの選手にボールを供給、チャンスメイクをすることが出来ました。

特に、2トップの一角、というより、トップ下の働きをされていた嘉人さんの攻守の貢献度は素晴らしかったです。

密集した人垣の間にロブで放り込んだ縦のボールから生まれた2点目のゴールは今季でも屈指の流れだと思いますし、その一瞬の判断も含めてスキルの高さを改めて感じさせるものだったと思います。前節に続き、チームプレイに徹した献身が素晴らしいパフォーマンスを引き出してくれたと思います。
後半も入り方は上々、前線から圧力をかけてボールを奪って素早く仕掛ける形は有効に作用し、チームとして3点目を奪いに行く姿勢が見られました。
しかし、攻守の切り替えの遅れから喫した失点の直後、井手口選手のゴールで即同点に追いつかれてしまいました。この点は、今季何度か発生した「失点直後のマネジメントミス」だと思います。相手の勢いが出てくるような状況を整理できず、失点を重ねてしまうケースは何度もありました。もちろん、声がけや意識の部分は個々の選手で浸透してたと思いますが、ピッチ上の選手たちの意思統一であったり、チームとしての取組は希薄のまま、ココまで来てしまったことは猛省すべき点だと思います。
アデミウソン選手の素晴らしいミドル弾には、思わず声が出てしまいました。そして、この日のメンバーには再逆転をするだけの術は残されていなかった。セカンドステージを通じて風間監督が苦労されてきた「やり繰り」の戦いの限界を痛感する終盤の展開だったと思います。

2.7年間をかけて戻ってこれた現在位置、目指すべき頂点

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第34節を終えて年間勝点「2位」。シルバーコレクターと言われた川崎ではありますが、この位置にたどり着いたのは2009年シーズン以来の7年ぶりです。

7年前は1ステージ制だったことから、単純な比較は出来ないと思いますが、この時に比べ、今季は序盤戦から勝ち点を拾い続け、リーグ戦は連敗もすることなく上位に位置することは出来ました。その意味では、大きなムラを出すことなく勝ち点を積み重ねられたのは評価できると思います。

一方、先述のとおり、セカンドステージに関しては、怪我人等によるチーム事情から「やり繰り」を強いられたことで、立場を苦しくしてしまったという事実には目を向けなければなりません。

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鳥栖、大宮、神戸と勢いのあったチームを敵地で迎え撃つ、ガンバのように地力のあるチームに勝ち切るかには、出来る限り、万全の体制で臨みたかったという気持ちもどこかにありました。

もちろん、チームドクターやトレーニングコーチをはじめとするスタッフの尽力もあり、多くの選手が怪我から戻ってきております。だから、そうした方々を批判する気は全くございません。新井選手をはじめ、出場機会を得た選手の活躍で積み重ねてきた勝ち点も多かったのも事実です。

しかし、優勝を争うクラブとして必要な体制を整えるという意味でも、改めてクラブとして一段階進めたメディカル体制の取組を志向してもらいたいです。

また、当時3連覇した鹿島の比較の中で「クラブのスタイル」の確立が必要だということを考えていて、相馬前監督時代から構築に取り組んできました。風間監督の就任後の5年間で、この点はある程度達成できたと思います。技術を駆使し、攻守一体となったサッカースタイルの可能性は、この日の試合でも感じられました。

ただし、今季を含めて、タイトルを取るという結果を出すまでに昇華にできていないことも現実として突きつけられています。このサッカーで培った理論や思想を継承し、勝たせるためのスタイルに繋げられるかは、クラブの取組むべき宿題ではないかと。

とはいえ、今季の我々にはチャンピオンシップという再試験、天皇杯という舞台で満点を取る機会は与えられました。風間フロンターレの最終成果、ココでS評価をもらって風間監督を送り出したいと思います。

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以上です。風間監督が就任してから、サッカーを学ぶこと・見ることに対して本当にどん欲になれた。多くのことを勉強させてもらったし、驚くくらいにサッカーが好きになった。辛いことも少なくはなかったが、ファンとして幸せな5年間だったと思います。

だからこそ、最後の思い出を素晴らしいものにするために残り試合を頑張りたいと思います。「最幸の街」を目指す川崎に最幸の瞬間をもたらすために。

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