ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【観戦休題】途中下車のミニシアター巡り

今週末(2月23日)から明治安田Jリーグが開幕する。筆者が応援する川崎フロンターレは、本記事を執筆している段階で公式戦3試合を終えて既に【喜怒哀楽】を一周()した状態だが、リーグ戦の開幕は特別な感情が湧いてくる。

ということで、本記事は開幕に向けた遠征小ネタとして、一昨年から取組んでいた「地域にあるミニシアターを巡る自主企画」の記録をまとめてみた。

はじめに:きっかけは「ミニシアター・エイド」

本題に入る前に、筆者が各地にあるミニシアターに足を運ぶようになった経緯について説明できればと思う。きっかけとなったのは、コロナ禍で苦境に陥っていたミニシアターを救うために映画監督の深田晃司濱口竜介両氏が発起人となって有志で立ち上げたプロジェクト『ミニシアター・エイド』の存在である。

motion-gallery.net

新型コロナウイルスの感染拡大前から都内のミニシアターには足を運んでいたが、全国各地に様々な映画館があること、そこで働く人々が映画文化や地域にある映画館に対して様々な思いを持っていることを、企画への賛同を通じて知ることができた。

また、同プロジェクト関連書籍である『そして映画館はつづく あの劇場で見た映画はなぜわすれられないのだろう』(フィルムアート社)において、ミニシアターに携わる人たちの映画・劇場に対する思いにも触れ、機会があれば全国各地にあるミニシアターに足を運んでみたいという気持ちが強くなった。

こうした思いもあって、2022年5月に「地域に根付く映画館=ミニシアターを巡る自主企画」を開始。生活・通勤圏である東京・神奈川に加えて、試合観戦・ライブ鑑賞で訪れた地域にあるミニシアターを訪れるようになった。本記事は、これまで訪れたミニシアターの中でも印象に残ったでも印象に残った場所を紹介したい。

1.刈谷日劇(愛知県刈谷市)の『アルピニスト

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2022年10月、ハロプロのコンサートで遠征した時に、鑑賞する公演まで時間が出来たので、名鉄三河線刈谷市駅」駅前にある刈谷日劇さんに足を運んだ。

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遠征前に読んでいた『週刊文春 CINEMA!』2022年秋号で紹介されて知ったのだが、この年の夏に鑑賞できなかった映画『アルピニスト』をかけていることを知った。

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半世紀以上も居を構えるビル、スクリーンに劇場が積み上げてきた歴史を感じずにはいられない。そこに文化発信の拠点としての矜持も感じる。映画の街として名を馳せた時代の有楽町、そのシンボルたる「日劇」の響きがまた良い。是非再訪したい。

2.静岡シネ・ギャラリー(静岡県静岡市)の『ドリーム・ホース』

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2023年1月、対バンライブで足を運んだ静岡にある静岡シネ・ギャラリーに足を運んだ。

お城のような外観のサールナートホールに居を構える静岡シネ・ギャラリーは、ラインナップの充実度に加えて、情報満載のオリジナルのリーフレットや、独自の映画関連イベントも定期的に開催している。

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この日は、いち早く見たいと思っていた『ドリーム・ホース』を大きなスクリーンで見ることができた。昨年観た映画でもマイベスト10に入れた作品なだけに、見逃さずに鑑賞することができて良かったと思う。

余談であるが、静岡駅周辺のエリアは新静岡セノパ内にあるシネコン、静岡東宝会館(同劇場ではソフィア・コッポラ監督『ビガイルド 欲望のめざめ』を鑑賞したことがある)もあるので大作からアート系作品まで網羅できる。

3.出町座(京都府京都市)の『ベネデッタ』

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2023年5月、京都戦で足を運んだ京都市内に3泊ほど滞在した。GWの京都、言わずもがな大混雑であるので、鴨川沿いをジョギングしたり、銭湯・サウナに行ったり、地元のミニシアターに足を運んだりして過ごしていた。

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一昨年を含めて、京都市内にあるミニシアターを3か所を訪問したが、アニメ『たまこまーけっと』の舞台でもある出町桝形商店街にある出町座が印象深い。

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商店街の中にある出町座は、1階がカフェ&書店、2階が映画館のスクリーンがある建物だ。地元にも人気スポットなため、次回訪問時はカフェも利用したいところ。

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劇場の訪問時、見たい映画が積みあがっていたのだが、主演女優の方が劇場にフラッと足を運ばれたという『ベネデッタ』を鑑賞。流石は鬼才・ポール・ヴァーホーベン監督、あまりに刺激的すぎて言葉にならなった。

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鑑賞後、近くの古本屋で立ち読み&購入、和菓子屋で柏餅を買って宿泊先に戻る流れも含めてLOVE商店街な連休の思い出であった。

4.パルシネマしんこうえん(兵庫県神戸市)の『仕立て屋の恋

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2023年7月、ノエスタで神戸戦を観戦した翌日に大阪でハロプロのコンサートを鑑賞する予定だったが、公演まで時間があったので神戸市内のパルシネマしんこうえんに足を運ぶ。

湊川公園の真下にある独特の立地であるが、誰かの秘密基地に入っていく感覚が胸躍る。名画座上映の劇場ということもあり、強いこだわりを感じる上映ラインナップに関係者の映画愛が伝わってくる。

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鑑賞した作品は、向かいに住む女性の部屋をのぞき見する拗れた中年男性の恋心を描いた『仕立て屋の恋』であった。数時間後、アイドルのコンサート鑑賞を控えていた筆者には様々な意味で刺さる作品だった....

おわりに:映画の記憶=映画館の思い出

「遠征先でどこでも見れる映画を見に行く必要があるのか?」と聞かれたら、ちゃんとした答えは思いつかない。

結局、スタジアムでスポーツ観戦することと同じくらい、映画館で映画鑑賞することが大好きなので、色々な場所で色々な映画を見る機会を作りたいというのが自分なりの回答である。

子供の頃に見た映画の記憶は、その時に鑑賞した映画館の記憶でもあった。ミニシアター巡りは、自分の映画鑑賞の原体験を思い起こしてくれる。

また、機会を見て遠征先で足を運んだ夢の劇場を報告できればと思う。

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【観戦記】FUJIFILM SUPER CUP 2024「進化する大会で、観戦は深化する」

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2月17日、国立競技場でFUJIFILM SUPER CUP 2024を観戦。

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個人的には、昨年12月から3試合連続で国立競技場での観戦。

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昼開催時の日照等の理解も進み、観戦装備に対してもツボを心得てきた気がする(汗)

未来は保証しないが、きっかけにしたい勝利

試合は、山東戦から大幅ターンオーバーの川崎が苦しみながらサイ選手のゴールで勝利。3度目のスーパーカップを獲得。

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対戦相手の神戸さんは、武藤選手が不在で、本調子までにはいかない状態だったことも差し引く必要はあるが、今季の副将に就任した各選手の奮闘と、若手からベテランまでの「最後はやらせない」意識が伝わった。

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この試合が未来を保証することはないが、チームとしても、個々の選手にしてもポジティブになれる試合だったことは間違いないだろう。

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大切な試合が続くだけに、出場した選手たちの飛躍のきっかけにしてほしい。

Jリーグソフトパワーと、スーパーカップというショーケース

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スーパーカップについて、対戦する2クラブに限らず、Jリーグサポーターの前夜祭イベントとして定着してきたと思う。今回は大会参加チームのサポーターとして足を運んだが、他サポも来やすい雰囲気になっている点も現地に足を運んでも強く感じる。

スポーツイベントにおける「フェス化」の流れは今に始まった話ではないが、Jリーグにおいては、観客を呼び込むスター選手の不在、近年までの専用スタジアムといったハード面の弱さもあり、ソフトパワーを駆使して顧客満足度を高めてきた経緯も大きいと思う。

各クラブが取組んだ施策の代表格として挙げられるのが「スタジアムグルメの充実」「マスコットキャラクターの活躍」の2点である。こうした取組は、リーグ側が旗振り役として戦略的に進められたものではなく、市街地から離れたエリアにある開催で出店を募ったこと、ゆるキャラブームの影響でマスコットの行動が話題作りになる流れが定着したこと等、様々な理由が合わさって自然と各クラブに浸透したものと考えるのが自然だろう。

スーパーカップにおける集約と定着

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各クラブの取組は、00年代後半にウェブメディア『J's Goal』や専門誌『J'sサッカー』等を通じて特集されてきたが、Jリーグ側も『FUJI XEROX SUPER CUP 2010』において各クラブのスタジアムグルメ・マスコット大集合というイベントを開催したことを契機に、リーグを代表する魅力として紹介する機会が増えていった。

また、イベントが始まった頃と同時期に旧twitter(現:X)が普及し始めたことで、マスコットグリーティング、スタジアムグルメ情報がリアルタイム発信&拡散されるようになったことで、観戦者における認知度も飛躍的に向上したことも当事者としては強く感じている。

そして、スーパーカップは、各クラブのマスコット・スタジアムグルメの存在をアピールするショーケース的な役割を果たしている。私見であるが、そうした役割を果たすためにスーパーカップは丁度良い舞台だと思っている。一方、グルメイベントの混雑度が大会運営に与える負担や、マスコット総選挙の順位固定化など課題も散見されており、評価がマイナスになり兼ねない状態になっていた。

運営方法の変更による効果

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こうした課題等に応えるように、昨年~今年にかけて運営方法が一部変更されている。

① 投票参加型のマスコット総選挙から現地参加型のマスコット大運動会に変更

スタジアムグルメを競技場外の3会場に分散開催

③ 国立競技場内にあるホールスペース等を活用し、展示ブースを設置

個人的には、各取組は上手く機能していると感じた。例えば、昨年から開始された「①」の運動会は、アフターゲームショーとしてまだ手探りなところもあるが、試合終了後の観客の分散退場に繋がる役割を果たすなど大規模イベントならではの効果もある。実際、筆者は予定があり早々に会場を後にしたが、多くの観客が会場残っていたこともあり、スムーズに駅に入場することができた。

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また、今年開始された「②」の会場分散策も非常に良かった。グルメスペースを競技場周辺に設営すると列形成を含めたスペースが必要となるが、別会場に設置することで会場周辺のスペース確保と混雑度の緩和に繋げられた。

ラグビー場を除けばイベントのパッティングの割合も低い時期の開催だけに、こうしたスペーシングは今後も利用可能だろうし、観戦者も今回の体験から攻略に向けた対策も練ってくるだろう(笑)

新規層開拓とは異なる「既存層深堀」

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Jリーグ創設から30年という年数は、定着と同時に目新しさ・新規性を生むには難しい年数であり、今では国内の各スポーツリーグが集客に向けて力を入れている。そうした中で競争環境の中で、無料招待・セントラル開催のような新規層向けの取組を進める施策は大切だと思う。

これに対して、スーパーカップはどちらかと言えば既存の観戦者向けのお祭りという印象が強い。個人的に、同大会に参加した観戦者が「このアウェイ行ってみたいな」「あのマスコットに会いに行きたいな」という気持ちを育む=深化させる場所であってほしいと考えている。筆者自身、そうした立場で長年足を運んできた大会であるが、本年は大会の進化に大きな手応えを感じただけに、観戦文化の交差点として更なる発展を期待したいと思う。

もっと楽しもうぜ、僕らのJリーグ

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【遠征記・後編】天皇杯:川崎フロンターレ-高知ユナイテッドSC『サポーター休暇県』

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高知遠征の遠征記(後編)は、試合翌日からの観光と、試合後の反応等について書いていきたいと思う。

1.激闘の余熱

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地元新聞では、地元チームの試合を取り上げるケースが多いことから積極的に購入するようにしている。ウェブ記事でも試合の様子を取り上げていた高知新聞の朝刊を購入したところ、1面記事をはじめ、試合の模様を大々的に取り上げられたことに驚いた。

www.kochinews.co.jp

地域における注目度の高さはスタジアムでも実感したところだが、試合内容も相まって非常に熱量に高く、地元の人々の声を集めた記事も非常に良かった。スポーツ観戦者として、地域におけるプロスポーツの存在価値・立ち位置を考えてきた立場とすれば、こうした事象に立ち会えて本当に良かったと思う。

2.モーニング文化圏・高知

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素泊まりのため、朝食を求めて早くから宿泊先を出る。理由は、高知県モーニング娘。'23、ではなく「モーニング文化圏」ということを耳にしたからだ。発展した背景は諸説あるようだが、滞在中に市内の喫茶店で多彩なモーニングメニューが展開されているのは確かだ。

筆者は、ひろめ市場の近くにあるメフィストフェレスさんに足を運んだ。2階にはシアターを有しており土日には映画上映企画も開催しているらしい。

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古き良き喫茶店の雰囲気が素敵で朝から多くの人が足を運び、パンやコーヒーを片手に朝のゆったりとした時間を過ごしていた。2日目に食した少し豪華な「ボリュームモーニング」は2種類のパンとコーヒーが抜群の美味さ。思わず、目を丸くしてしまった。攻守の要がしっかりしてるのにポテサラ埋蔵のサラダ、程よい柔らかさのゆで卵、甘さ控えめのデザートとタレント揃いだった。

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なお、翌日は朝9時から注文可能な「スープモーニング」を食す。ゴロゴロと具材の入ったスープがパンと一緒に食べるには丁度いいアシスト役を担っていた。

3.MY遊バスで桂浜へ

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朝のエナジーチャージを終えて観光へ。来高前のリサーチ等を踏まえ、下記のザックリした計画を立てる。

8月3日:桂浜周辺+牧野植物園

8月4日:高知城

夏場の暑さで消耗する体力との相談であり、脳内会議で自己調節可能なのは一人旅の利点だろう。高知市内とはいえ、3日の移動距離はそこそこあるのだが、この移動を実現したのが高知市内の観光スポットを回る周遊バス「MY遊バス」の存在である。

MY遊バス|高知県観光情報Webサイト「こうち旅ネット」

朝8時から約1時間おきに走るMY遊バス(平日9便、休日は12便)は走る周遊バス。

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同バスの乗車券は1日乗り放題で途中下車を繰り返し、何度も利用することが出来る。さらに、乗車券の提示で①市内を走る路面電車も乗り放題、②通常路線バスを往復1回無料、③観光スポットの割引特典も付与されている。便利度が半端ない。

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筆者は、はりやま橋観光バスターミナルで乗車券を購入してバスに乗車。案内をしてくれたバス会社の人に声をかけられ、待ち時間を利用して前日の試合の話をする。新聞に加えて地元ニュースにも取り上げられていたことから、普段サッカーを見ない人にも来高している川崎サポの存在が認知されているようだ。

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バスで約30分ほどで桂浜に到着。高知に来たら見ておきたいと思った坂本龍馬像、そして桂浜周辺を散策。

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直前の天気予報では『曇時々雨』を予想であったが、普通に晴れていた。暑さによる気温の上昇等は脅威であるが、所謂夏っぽい風景を堪能できた。

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早い時間に来ることができたので桂浜水族館に足を運ぶ。ココで前日取得していた【龍馬パスポート】の出番となる。

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龍馬パスポートは、観光スポットの割引特典に加えて来場スタンプを押印する。宿泊や指定場所の買物等でもスタンプは付与され、一定数を集めるとパスポートはクラスチェンジすることができる。お得な特典とスタンプラリー要素が合わさった面白い企画である。

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メディア等でも度々取り上げられる桂浜水族館であるが、種類の豊富さと「中の人」のこだわりを感じる面白い展示・解説が特徴であった。

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筆者が暮らす川崎にも、2020年7月にカワスイ(川崎水族館)がオープンしたところであるが、巨大な水槽等はなく、コンセプト等を押し出した展示スタイルは共通する部分がある。

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こうした愛着がわく距離間の設計は素敵で、至る所にちりばめられた笑いを誘うセンスも抜群だった。

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次は、高知県立坂本龍馬記念館を訪問。船の形状をした設計がカッコ良すぎる。

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常設展では、坂本龍馬とジョン万次郎の足跡と、幕末の土佐藩に関する展示が行われている。展示物はコンパクトであったが、龍馬が動いた背景としての土佐藩の事情等を多角的に学ぶことができる。資料を通じた学習としては非常にわかりやすいと感じた。

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また、特別展『花と歴史の爛漫土佐』では、先刻足を運んだ坂本龍馬像建設の歴史が紹介されていたが、興味深いエピソードだった。彼と同時代を生きた人々ではなく、坂本龍馬を敬愛する若者たちが発起人となって建設に奔走し、募金活動等を通じて実現したものらしい。

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そして、川崎サポとして思い出されるのはジュニーニョ像の話で(以下略)

4.無限に広がる大自然、牧野植物園

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お昼過ぎまでに桂浜周辺の散策を終了。時間と体力に余裕があったので、桂浜⇒高知駅のバスを途中下車し、高知県立牧野植物園に足を運ぶ。

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自然散策という軽い気持ちで訪れたが、この日一番のインパクトを受けた。まず、広大な敷地に広がる大自然の存在に圧倒された。

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できる限りのエリアを見てきたつもりだが、多分見れていないところも多いだろう。本気で見て回るなら1日中楽しめる場所だと思う。

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また、職員の方々によって行われた行き届いた手入れで実現した美しい木々や花々の展示状況である。空調服を着て細かな手入れを行う職員の姿をお見かけしたが、こうした地道な取り組みがあって美しい空間が維持できていることがよくわかる。

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植物園内にある温室がまた素敵だった。

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筆者も好きだった井の頭自然文化公園の「熱帯鳥温室」もそうだし、『天空の城ラピュタ』に登場する温室化したラピュタ城内を思い出したりもした。

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南国から更に南下して南半球に来たような雰囲気になる空間の心地よさ。

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企画コーナー等の来場者への見せ方も上手く、回っている間は胸のトキメキが止まらなかった。足を運んで本当に良かった。

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牧野植物園は牧野博士の功績を顕彰するだけではなく、保全活動、研究施設や教育普及活動等の拠点として多義的な役割を持っている。

たしかに、本年は牧野博士がドラマのテーマに取り上げたことで注目が集まっているが、博士の名前を冠した植物園は何十年もかけて設備投資を続けられて現在の姿にある。

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先述の井の頭公園の温室もそうだが、首都圏にある文化施設が老朽化を理由に閉鎖・閉館されている現状を踏まえると、こうした施設の足並みには考えさせられた。

5. ひろめ市場で食を堪能

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牧野植物園からMY遊バスで高知駅まで戻る。宿泊地で着替え等を済ませ、ひろめ市場に足を運ぶ。

筆者は、この日と翌日昼に2度足を運んだが、アクセスの良さに加えて、市場の形態をした観光施設ということで、観光客に加えて地元の方々の飲み会が行われていたことから、ハイブリッドな状態も実現していた。

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鰹を塩で食す。美味い、美味すぎる。無限に食えるし、お酒も進んでしまう。

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翌日は鰹以外を色々と食べようと思っていたが、別の店舗でシオたたき定食で食す。ご飯が無限に進める。

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他にも、高知の郷土料理としてイタドリの炒めものを食す。クキに近い歯ごたえであったが、好きな味だった。

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こうした食のスポットは、欲を言えば複数回は足を運びたい。そういう意味では、今回の旅程も上手く配分できたと思う。

6.城ロマンを求めて2023

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3日目は、高知城に足を運ぶ。やはり、Jリーグ遠征と言えば城だ(個人の感想です)

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高知城は修復工事が行わているものの、石垣・建物は残されたものをベースとしていることから、昔の雰囲気を感じられる城だ。

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石垣が好きな筆者的には雨の多い土地柄を踏まえた「野面積み」の石垣に惚れ惚れする。江戸時代に建てられただけに、当時の築城技術を総結集した建築ということで、派手さとは異なる美しさがそこにあった。

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城を堪能した後、城下にある高知県高知城博物館を鑑賞。江戸時代に土佐藩を治めた山内氏にまつわる展示を見ることができる。

近世の土佐藩における財政事情等、イラスト・図を多く用いた解説はわかりやすく江戸から離れた四国の藩の苦労について理解が深まった。

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子ども向けにわかりやすい展示コーナーを設けるなど、イイ意味でポップさも感じた。博物館公式キャラクターがまたカワイイ。

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鑑賞後、博物館の中にある珈琲館イストワールで飲んだ「仁淀の清流ブルークリームソーダ」がビジュ、味ともに最高。熱った身体に涼をもたらしてくれた。

7. おわりに:観光立県の実力を体感して

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市内を徒歩で移動していたところ「国民休暇県・高知」という名称を目にした。後日、調べたところ1980年代に県知事に就任した中内力氏が掲げた観光客誘致と地元の活性化のために掲げた構想の名称の名残だったようだ。

あったか高知観光条例について | 高知県庁ホームページ

県政の具体的施策を調べることはできなかったが、平成16年(2004年)には観光立県を目指すための基本理念その他観光の振興に関し必要な事項を定める「あったか高知観光条例」が成立・施行した。今でこそ、インバウンドを中心とした観光産業を地域経済の起爆剤として注目されているが、高知県は早い時期か地域に根差した施策を展開したことが垣間見ることができるだろう。

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高知市内を中心に散策しただけでも充実度であったが、県内の各地域には観光スポットが多数ある。そう考えると、試合観戦を兼ねたアウェイツーリズムを楽しむ層が一定規模いるJリーグサポーターにとって魅力的な場所だと思う。

たしかに、1試合単位で足を運ぶ県外のサッカーファンは数百人程度かもしれないが、県外からの訪問者が1年間を通じて続くことはプラスに判断できる材料だと思う。行動力、リサーチ力、そして情報発信力も逞しい層もいれば、ゆったりとした遠征を楽しみにするシニア層も一定数いることを考えれば、高知県の観光資源とJリーグサポーターの相性は良いと考える。

高知ユナイテッドSCのホームゲームを入口として、幅広い客層が来高するキッカケを作ることができるのではないだろうか。地域を背負うクラブとの対戦と、地域の魅力を堪能できる「サポーター休暇県」としての可能性を、地域内に広く発信してほしいと思う。

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試合結果を抜きにしても、とても充実した2泊3日の遠征だった。お店や街中で温かな声をかけてくださった高知の方々にも改めて感謝の言葉を述べたい。川崎の試合を関係無くとも、また高知に遊びに行きたいと思う。

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そして、この地にサッカー熱が膨張することを願っています。

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【遠征記・前編】天皇杯:川崎フロンターレ-高知ユナイテッドSC『本気』

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8月2日、高知県立春野総合運動公園陸上競技場天皇杯(4回戦)を観戦。

1. 脳内稟議 in 水戸

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まず、話の時間を7月まで遡ることとしたい。筆者が勤務する会社は、お盆休みがない代わりに夏期における連続休暇取得が推奨されている。筆者は、事前集計で不人気かつ4回戦=8月2日を起点とする数日間を一旦確保していた。

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7月12日、ケーズデンキスタジアム水戸天皇杯・水戸戦を観戦。水戸さんの猛攻を何とか凌ぎ、昨年(第102回大会)敗退した3回戦を突破することができた。

古いタイプのサポーターなので、足を運びたくても運べない方が多い平日アウェイは、観戦・応援とはいえ、喜びよりもミッションクリアに対する安堵感のほうが先行する。

ホッとしたところで次戦の情報を調べると、高知ユナイテッドSCさん(以下「高知U」という)が勝利。さらに、3回戦に続き、高知県春野総合公園陸上競技場で開催される旨の情報が飛び交っていた。

試合開催まで1ヶ月を切った日程で、飛行機の絡む遠征は、流石に脳内稟議の議案に躊躇した。とはいえ、休暇が調整済という奇跡的な流れを逃す手は無く、翌朝のエクストリーム出社を控えていたにも関わらず、深夜の水戸のホテルで宿で往復飛行機とホテルの予約した。

2. 初来高、初訪問のスタジアム

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水戸戦以降、仕事でトラブルも無く進められたので予定どおり連続休暇を取得。若手ではなくなったからこそ責任と管理能力も伴うが、ある種の達成感もまた良い感覚だと思う。

当日は昼過ぎの便で高知へ向かう。同じ便に登場する川崎サポの数も結構いたので驚くと同時に、短期間で遠征を決断したであろう方々には妙な連帯感を覚えてしまう。

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高知龍馬空港に到着後、明日以降の観光に備えて空港カウンターで「龍馬パスポート」申請ハガキが付属しているパンフレットを入手。(詳細は後編に書きたいと思うが、このタイミングに取得したことが功を奏した)

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空港からバスで高知市内に移動(空港から高知駅までは35分程度)。筆者は宿泊地最寄りのバス停で途中下車し、チェックイン。着替えと荷物整理を行い、競技場への無料送迎バスの発着場所となるJR高知駅南にある「こうち旅ひろば」に徒歩移動。

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こうち旅ひろばは、観光バスの発着ターミナルと観光案内所が集積された高知市内の観光拠点と言える。

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バス発車までの時間を利用し、観光窓口で空港と宿泊地で押印してもらったスタンプで埋めた申請ハガキを提出し、『龍馬パスポート』(青)を交付してもらう。

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送迎バスは観光バスを8台をチャーターし、15時半から混雑時間を見越した台数を割り振り、8回に分けて運行。

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栃木SCさんの宇都宮駅グリーンスタジアム栃木で展開していた方法に近いが、平時から観光バスを貯めることができる場所なので駅前にバスを待機させることができる点もこうした柔軟な運行を実現できたものと考えられる。

バス発着所では高知県サッカー協会の関係者の方々がアテンド。乗車に合わせて帰りの復路バスの時間帯と集合場所を記した予約票も受領する。実際にスタジアムに帰る際、紙案内が大いに役立った。こうした点も含めて、オペレーションとして行き届いた対応だったと観戦を終えて実感する。

高知駅から競技場まではバスで30分程度。運行決定まで自力で向かう手段を模索していた筆者であるが、窓から見える風景を見て難度の高さを理解した。本当、今回の送迎バスの運行には感謝しかない。

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高知県立春野総合運動公園は、かつての西武の春季キャンプ地として名前を覚えていた地名であるが、各種スポーツ大会を開催可能な広大なスペースを有している。

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駐車場から徒歩5分程度で試合会場の陸上競技場に到着。夏休み時期ということもあり、学生・親子連れを中心に多くの人が来場。キッチンカーも10店舗近く出店しており、場外は大いに賑わっていた。

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筆者は観戦記念を兼ねて高知Uグッズを購入。タオマフ、シャツ等と合わせて、川崎サポの担当者さんのダイマを受けて【高知ユナイテッドSC応援ケチャップ】を購入。試食させてもらったが、濃厚な味わいが印象的。遠征後の食卓に投入するのが今から楽しみだ。

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また、高知といえば、よさこいの鳴子。数年前から応援に利用していることを知っていたのでオフィシャル鳴子を購入。(この後、筆者は鳴子の音の威力をスタンドで体感することになる)

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買い物を済ませ、春野総合運動公園陸上競技場に入場。初訪問のスタジアムはテンションが自然と上がる。同競技場は、2層構造のゴル裏のみが芝生席という魔改造の名残を感じさせる構造。帰りのバスで漏れ伝え聞いた地元の人の話によると、2002年の国体(よさこい高知国体)開催の際に改修されたと聞いて納得した。

3.高知の本気、川崎の意地

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離脱者を除いた現時点のベスト布陣で臨んだ川崎であるが、勝敗はどちらに転んでもおかしくない激戦となった。接戦となった理由としては、以下の2点が考えられる。

(1)両チームのアプローチと相性

川崎は、ボールを保持しながら前進⇒人数をかけて崩して得点を奪いにいく狙いが見て取れた。一方、高知Uさんは5バック+マンマーク気味の対人ディフェンスの守備と、ボール奪取後の素早いロングカウンター主体の攻撃を徹底。

また、高知Uさんは、最終ラインの位置を低く設定することで相手の攻撃を待ち構えつつ、数的有利の状態を作れていた。試合序盤はプレースピードの速度差で相手を翻弄した川崎であるが、高知Uイレブンの目が慣れてきた中盤以降は集中した組織的な守備の前に沈黙。空間を攻略する保持型の攻撃と、空間埋める5バック守備の相性の悪さが時間の経過とともに顕在化していったものと考えることができる。

(2)高知Uの「自信」と「一体感」

上記理由だけならば、選手個々の質的優位性を駆使して攻略するということが考えられるが、ピッチ上に立つ高知Uイレブンの集中力と走力は落ちることがなかった。J1クラブに2度勝利した実績に加えて、この日も川崎の攻撃を凌いで反転攻勢のチャンスを作れている状況が自信に繋がっていたのは大きいだろう。各選手ともに臆することなく、攻守にアグレッシブなプレーを継続できていた。

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一番大きかったのは、7,000人以上の観客が駆け付けたスタジアムの雰囲気だろう。『県サッカー史に残る大観衆』(試合翌日の高知新聞の記事より)は高知Uの選手がボールを持つと歓声をあげ、決定機を逸すれば選手と同じように悔しがる。そして、至る所から選手を応援する鳴子の音が響き渡る。観客が試合に没入することで醸成されるスタジアムの「一体感」がそこにはあった。

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正直、スコアレスの状態と、熱量を帯びた会場の雰囲気に筆者も飲まれそうになった。だからこそ、何とか奪った先制点に歓喜し、その1点を守りきるために最後まで拍手と声を止めなかった。

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観客席を含めて、一発勝負ならではの本気と本気が最後までぶつかり続けた90分+αだったと思う。

3.夢の続き

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試合終了後、川崎と高知Uの選手たちが対戦側のゴル裏に挨拶に向かった。高知Uイレブンには惜しみない拍手と、健闘を労う熱いメッセージ・コールが飛び交っていた。今日の勝敗が紙一重だったことを誰もが痛感しているからだと筆者は考える。

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また、高知Uさんの試合を初めて観戦した地元の方々にとっても、感情が揺れ動く試合になったのではないだろうか。そうであるならば、今回の対戦は「本気でJリーグ」を目指すクラブにとっても大きな財産になったと思う。

しかし、試合の勝敗=高知Uさんの未来を決めるわけでは無い。もちろん、試合に勝利した場合、新たなスポンサーが付く可能性はあったかもしれないが、それがJリーグを目指すクラブの抱える根本解決に至るわけではない。今回のような熱狂を再現できるような環境を1つ1つ整備していかなければならないだろう。

 

Jリーグ創設から30年が経過し、リーグ全体の拡張と相まって参入するための条件は厳格化され、全国に50クラブ以上の先行者がいる状況である。そういう意味では、早い者勝ちの側面であったり、後発が不利を被るケースは少なからずあると思う。ホームタウン・エリアの地域格差の部分もスポンサード等の部分では大きく影響する。

では、今後、地域のサッカークラブが「Jリーグを目指す」夢を諦めるべきなのか?といえば、答えは明確に「NO」だ。ただし、その条件をクリアするためには地域を挙げた協力と連携が必要だろう。行政・経済界の理解はもちろん、県内全域に存在と魅力を発信して協力者を集めていくことが今後はマストになってくるだろう。

今回、初めて高知に足を運んだ印象としては地域愛に対する土壌がしっかりあることだ。夢の続きを見れる日、そして再戦できる日を待ち望んでいる。

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【アドベントカレンダー】OCHA NORMAからスポーツ・プロモーションを考え直してみたぜ

本記事は「川崎ブレイブサンダース ファミリー Advent Calendar 2022 - Adventar」の第22日目に寄稿するものです。昨日(12月21日)は、宮井さやかさんの「Home Sweet Home」でした。ビジター観戦を経験すればするほど感じるホームの「我が家」感、とてもわかります。是非×2ご覧ください。

以下、本記事本文は平時と同様に「である」調で書かせていただきます。

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筆者はスポーツ観戦者であると同時に、アイドルイベント足を運ぶアイドルファンである。本記事では、双方の視点に立ち、川崎ブレイブサンダースで実施されたアイドルとのコラボ事例を踏まえ、プロモーションのあり方を考察できればと思う。

1. 【事例】:ハーフタイムショーデビューだぜ

www.barks.jp

2022年10月21日、シーホース三河戦にハロー!プロジェクト(以降「ハロプロ」と書く)のアイドルグループ 『OCHA NORMA (オチャノーマ) 』が来場した。

ブレサンファミリーならばご存じだと思うが、川崎の担当者に熱心なアイドルファンがいるのか、数年前から隙あらばアイドルをゲストブッキングしている。特にハロプロが好き(あくまで筆者の推測である)なのか、BEYOOOOONDS、あるいはアンジュルム上國料萌衣さんも来場した実績がある。

同じアイドルファンとして熱い想いは汲み取れるが、スポーツ観戦者としては違和感を覚える部分もある。理由はシンプルで、ゲストとマッチデーに脈絡が無いからである。厳しいことを言えば、趣向とプロモーションのバランスが取れていないと思う。

2.【検証】「セカンドアタック」不発から考える【+】と【×】

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忖度無しで言えば、OCHA NORMAの一般的な知名度は正直低い。熱心なアイドルファンの間でも、ようやく名前が知られてきた程度のレベルだと思う。そのような現況を踏まえれば、ハーフタイムイベント起用は抜擢とも言える好待遇だろう。

一方、ハーフタイムイベントの模様は、テレビ東京で放送された『ハロドリ。』(2022年11月7日放送分)に取り上げられている。リハーサルの模様からハーフタイムイベント、試合の応援、そしてメンバーとロウルとの交流の模様を時間を割いて紹介していた。視聴者層も限られる番組であるが、ネット配信(TVer)もある地上波番組で取り上げたことをクラブ側から一切発信が無かったのは勿体なかった。

ameblo.jp

また、メンバー最年少の筒井澪心(つついろこ)さんは、昨年12月のオーディションに合格する直前までバスケットを続けていた経験者(ポジションはガード)だ。本年9月に開催されたNBAジャパンゲームも生観戦したこともあり、とどろきアリーナの試合観戦も非常に楽しんだそうで、メンバーに熱心に解説したそうだ。ファンの視点に立つと、こうした繋がりを掘り下げてあげても良かったとも考える。

このように、イベント起用をベースとした拡張性も想定されるが、試合に敗戦したことも影響しているのか、試合開催後は何事も無かったかのように取り上げていない。やはり、こうした対応を含めると、集客プロモを「足し算」で考えているのではないか。

news.yahoo.co.jp

イベントに参加した縁でファンになってくれるという事例は多々ある。例えば、(筆者も記事を読んで笑ってしまったのだが)数年前の川崎フロンターレのファン感謝祭での余興が契機でハーフタイムイベントに参加してくださったDJ KOOさんが、W杯関係の報道は『芸能界きってのフロンターレ通(原文ママ)』として登場した(汗)

極端な事例であるが、小さな接点・コラボがファン獲得の入口となり、発信力を付与する存在となったのは「掛け算」のプロモ戦略が功を奏したと言える。

3.【考察】観客に提供するメインディッシュは何か?

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東芝からDeNAに体制変更後、地域密着を押し出したドメスティックなスタイルから、地域性を取り込みながらもスタイリッシュに仕上げたブランドイメージを形成するスタイル変化を取り上げてきた。

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ブランドイメージ形成の過程で、バスケに無関心だった層をアリーナに呼ぼうとする施策も積極的に行っている。アイドルに限らず、有名人やインフルエンサーをイベント等に呼ぶといったインフルエンサーマーケティングに近い取組も積極的に行っている。このインパクトは凄まじく、知名度や集客獲得に繋げており、成功事例と言えるだろう。

一方、こうしたアプローチは一過性の影響度、あるいは単発的な集客には繋がるかもしれないが、リーチした人々をファンに変換できるかが重要だろう。先ほどの事例紹介にも繋がるが、イベント後のリバウンド、セカンドアタックを続けなければならない。

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そして、スポーツ興行のメインディッシュは、スタジアム・アリーナで繰り広げられる公式戦=試合であることを忘れてはならない。国内のトップリーグに位置するチームは、競技レベルを維持・成長するための【牽引者】であると同時に、競技を「布教」する立場にある【伝道師】の役割を果たす。プロアマ関係なく、その役割が機能するか否かで競技力・競技人気を左右するものだろう。

たしかに、プロスポーツにおける結果とは【試合の勝利】と【満員の観客】だと考えるが、全ては試合終了後に、その競技の理解者・ファンを1人でも多く作ることが本当の目的であることを忘れてはならない。スポーツビジネスの発展ともに、より多く稼ぐ話は盛んに取り上げられているが、より多くの人たちに競技の魅力を伝えるための議論も同じくらい活発であってほしいと考えている。

4.【私見】脱体育・部活動の雰囲気作りへの期待

川崎の取組に対してネガティブな意見を述べてきたが、逆に期待している部分もある。それは、エンタテイメント性を強調することで、スポーツ観戦に対するハードルを押し下げること、さらに運動の得意・不得意に関係なくスポーツに対する関心を寄せてくれる可能性はあると考えているからだ。

どうしても、日本国内の競技会・公式戦は、学校教育の中にある体育、あるいは運動部の延長線にあることが多い。そこに付随する応援文化であったり、会場の雰囲気も寄せられている。こうした純度の高い真剣勝負の雰囲気が観客に伝染し、見ごたえのある試合を生み出す土壌になることも理解しているが、そうした雰囲気が苦手な人は結構多いと思う。

とどろきアリーナが作り出すエンタテイメント空間は、そうした人々も足を運べるような敷居の高さを提供してくれると思う。プロバスケットボールの市場規模を考えれば、もっと多くの人々に足を運んでもらえるようになる空間作りを目指して欲しいと思う。

さいごに:お茶の間デビューだぜ!

バスケに限らず、スポーツ興行がライブエンタテイメント、あるいはファンビジネスとして成長することは非常に良いことだと思う。一方、競技である側面からも批評、あるいは批判なるものも出てくる。これ自体は普通の現象ではあるが、圧倒的肯定をマインドとするファン層との相性は良くない。ファンも含めて、その最適解を模索している最中だと思われる。

そして、OCHA NORMAは、イベント参加後の11月15日に日本レコード大賞の新人賞を受賞した。その結果、12月30日(金)放送される同番組にも出演し、とどろきアリーナでパフォーマンスした『恋のクラウチングスタート』等をテレビで披露する予定だ。マッチデーと被っているが、ブレサンファミリーの皆様も最優秀新人賞を争う彼女たちの雄姿を見守ってほしい。

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最後まで読んでくださってありがとうございました。

23日目はasamin_sportさんがご執筆の予定です。現時点では内容はベールに包まれておりますが、どのような記事になるか楽しみです。こちらも是非ご覧ください。

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【観戦記】TOKYO IDOL FESTIVAL 2022『今日は素晴らしい今日だ』

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8月5日から7日までの3日間、お台場で開催された「TOKYO IDOL FESTIVAL 2022」(以下「TIF」という)に足を運ぶ。

オンライン開催となった2020年を含め、今年で13回目の開催となったアイドルの祭典。お台場開催となった2011年が初参加の筆者は節目となる通算10度目の参加だった。個人的に久々の3日間参加に加えて、コロナ禍に開催された大規模イベントの参加ということもあったので本記事において個人的な総括をまとめていきたいと思う。

1. ボーナスステージの恩恵

3年ぶりの8月開催となったTIF。開催直前の7月31日から8月3日まで4日連続で猛暑日を記録する等、筆者はタイテよりも熱中症対策で頭がいっぱいだった。

図表1-1:東京の気温・日照時間(7月31日~8月8日)*1

しかし、表1-1のとおり、降雨しない程度に天候が崩れた5・6日は平均気温がグッと下がるボーナスステージに突入。もちろん、蒸し暑さは感じたものの、直射日光を浴びなかったことで身体への負荷は段違いだった。最終日の7日は天候も回復傾向を見せて暑さを感じたが、平均気温は27℃程度とマシな方だった。

図表1-2:8月開催時における東京の平均気温の比較(2017・18・22年)*2

「灼熱地獄からの生存戦略」から解放された2日目までは比較的快適に過ごすことができた。前週ならば酷暑、翌週ならば台風接近中だったことを踏まえると、本当に幸運だったと思う*3。アイドルたちの日頃の行いが良かったということにしよう(強引)

2.開催フォーマット変更による「TIFの夏フェス化」

こうした天候面の幸運に恵まれた本年のTIFであるが、開催フォーマット変更による変更点も大きな影響を感じた。

図表2-1:TIF2022の会場マップ*4

昨年10月開催のTIF2021に続き、コロナ禍の有観客開催となった本年もチケット購入者による有料ステージのみで構成された。一方、前年から「DREAM STAGE」「ENJOY STADIUM」が追加されたため、2019年以前のステージ数を確保することができた。

図表2-2:TIFのステージ数の推移(2016年~2022年)*5

従前の無料+有料を混在した開催方式は気軽にステージを見れること、普段は見ないユニットを見る機会を作れることから、アイドルに関心がある幅広い層の来場に繋がり、TIFの発展に寄与していたと考えることができる。しかし、今般の情勢下を踏まえると、現行の開催形式がベターな選択と筆者は考える。

そう考える理由は、昨夏のフジロック、ロック・イン・ジャパン等の大型音楽フェスを巡る騒動に代表されるように、大規模イベントに対する一般の視線が一層厳しい目で見られた経緯を知るからだ。

2021年の野外音楽イベントを巡る動向を補論に追記した『増補版 夏フェス革命 音楽が変わる、社会が変わる 』(2022年・blueprint)において著者のレジー氏が指摘したように一過性のものながら「コロナ禍において、フェスは2020年時点での「開催されないもの」から2021年には「広くヘイトを集めるもの」へと位置づけを変えた」*6であった事実は忘れてはならない。

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日本を代表する大規模フェスと比較すれば圧倒的に規模が小さいTIFであっても、数々の問題が起こってきた歴史があった。アイドルライブ自体が一般的な音楽イベントと比較しても偏見なりヘイトを集めやすい事象を踏まえれば、仮に過去と同様の問題が起こればイベント存続が危ぶまれる致命傷にもなりかねない。それを防ぐためには、観客をコントロールする仕組みを構築する必要が求められるので、このような形式を採用せざるを得ないと考えられる。

結果論であるが、主催者発表でも、過去最多来場者となった2019年の来場者数約88,000人*7に対し、本年は約30,000人*8ということで半数以下に減っている。コロナ第7波による感染拡大に伴う自粛等も関連していると思われるが、開催フォーマットの変更による流動性の低下による影響も大きいだろう。

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一方、観客視点で述べれば、フォーマット変更は悪いことばかりではなかった。区画内のスペースを一定規模確保することで、ゆとりが生まれ、参加者がそれぞれの楽しみ方ができるようになった。また、後述する一定層を除けば、平時よりライブハウスに足を運んでいる観客が多いため、マスク着用厳守・ジャンプ禁止・声出し禁止等の厳格なルールに対する遵守されており、例年には無い当事者意識の高さを感じ取れた。

正直、筆者が鑑賞した範囲でも危うい場面も散見されたが、絵恋ちゃんが湾岸スタジオ入口で追い返されたのが主要事件?に取り上げられるくらいには平和だったと思う。(あくまで個人の感想です)

3.求められる「2つのTIF」問題への対応

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3日間のTIFを自分なりに楽しんだ筆者だが、逆に「HOT STAGE」に割り当てられた坂道等の大手グループだけを目当てに行列に並んだだけでTIFを終えた人たちもいる。

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この手の問題は以前から指摘されていたが、本年は座席配置で入場者管理も厳格だったことから、例年以上に入場制限が厳しかったことが考えられる。

例えば、来日したPSGの公開練習に4,500円払って見に行く人も、ユースの試合を見るために首都圏から青森山田高校まで遠征する人も、部外者から見れば「サッカーファン」に雑に括られてしまう。同じように、日向坂46の立つステージだけを見るためにチケットを購入して長時間並ぶ人も、筆者のように楽曲等が気になったユニットを見るために各エリアを歩きまわる人も「アイドルヲタク」と言われる。

何が言いたいのかと言えば、それぞれがTIFに求めるものは全く異なるのである。特に最終日は顕著であったが、HOT STAGE周りとその他ステージの「2つのTIF」が同時開催されているような感覚に陥ることもある。DAY2(8月6日)、自身のプロデュースユニットによる「HOT STAGE」を見れなかったファンが多数発生した事象を受けて指原さんは下記のコメントを述べている。

指原さんが言及した「野外の大きなステージ」とは、フジテレビのお台場冒険王で設置したステージを活用*9したものであり、TIF独自で設置した事例は無い*10

ただし、今回のようなトラブルが続き、大手グループに出場依頼を続けるのであれば、今回設置した2つの野外ステージよりも更に規模が大きい野外ステージを設置するしかないだろう。あるいは5日に開催された「メインステージ争奪LIVE 決勝戦」のように抽選整理券方式を採用することも考えられる。チケット代を支払った人が一方的に損を被らず、不要なヘイトを溜めない対応が求められる。

理想を言えば、列に長時間並ぶ時間を他のステージを見る時間に費やしてもらい、新しい発見を契機に繋げてほしいと思う。大手グループのブランドに親しみを持つ層ほど、こうしたフィールドを掘り下げる難しさはあると思うが、何が起こるかわからないというのは多くのアイドルファンなら理解してもらえることだろう。

4. 異なる文脈の交差点で垣間見た「鼓動」と「熱波」

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ここまでイベント全般に関する総論を述べてきたが、筆者が個人的に印象に残ったステージ等も取り上げたいと思う。ご当地アイドルをフォローしてきた筆者としては、今回のTIFで久々に地域を拠点に活動するアイドルたちの活躍が光ったことが嬉しかった。

特に「北海道から歴史を変える」を合言葉にメイン争奪LIVEで見事に優勝を果たしたタイトル未定さんは、間違いなくTIF2022のメインキャストに上り詰めた。北海道から全国に足を運んで精力的にライブを行った4人組ユニットは、アイドル戦国時代下に頭角を現した2010年代前半のロコドルたちの熱量を思い出させた。

都内ライブハウスで開催される対バンライブで実力・実績を積み上げたsituation、Ringwanderung、INUWASHI等とハイレベルなライブを展開した「メインステージ争奪LIVE」には抜群の物語性を感じたが、同日に行われたTIF初ステージとなるDREAM STAGE、SMILE GARDENのライブも見る人の心を惹きつける気持ちの引力を感じた。

彼女たちの代表曲である『鼓動』が好きになった。コール&レスポンス、声出しができない現在のライブシーンにおいて、彼女たちの想いの込められた「届けたい歌があるから」という歌詞が胸に響く。気持ちが通じあえば、こんな熱いステージを作れるのかと感銘を受けた。彼女たちのステージをTIFで見れて本当に良かったと思う。

静岡からやってきたアイドルユニット・fishbowlも大きな注目を集めた。素晴らしい楽曲製作を通じて「楽曲派」の支持を集めてきたヤマモトショウ氏が手がけるアイドルユニットとしてお披露目から1曲単位に注目されてきたが、本年に入って静岡県外ライブも解禁されたことで実際のライブで見る機会を得た者も多いだろう(筆者含)

筆者は、前週(7月31日)に清水で開催されたワンマンライブ『オランダシシガシラ』も鑑賞していたが、まだまだスキル等に発展途上の部分であると感じるものの「ライブをするのが楽しい」という気持ちを爆発させて歌って踊るエナジーに驚かされた。

都会のライブハウスとは異なる時間軸・環境で育まれたからこそ描ける成長曲線があると感じただけに、初めてのTIFを体験した刺激を取り込んでほしいと思う。

この他、漫画家・うすた京介氏が漫画担当を務める京都発・きのホ。が初参加する等、ご当地アイドルに新しい風が吹いていることを実感させられる。この他、筆者が知りうる範囲でも相当数の新たなアイドルが各地で活動を続けている。全国選抜ライブという道筋はあるものの、もう少し門戸を広げていく流れも出てくると面白いかもしれない。

おわりに:「君の夢」が叶う場所であってほしい

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本記事の最後に、自分の推しユニットの話をしたいと思う。自分が応援しているダークポップダンスアイドルユニット・クロスノエシスがTIFに初出場した。

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発表後、メンバーに感想を聞いたところ「やっと」「長かった」というコメントが多かった。クロスノエシスは結成から3年超、各メンバーのキャリアは更に年数を重ねていることを知るだけに到達できたことに対する思いがシンプルに伝わった。

「アイドル」と名乗る者が誰しも参加できる場所というわけでは無い。過去にフォローしてきたユニットでも、この舞台に立つ夢が叶わなかった者、大変な予選を勝ち抜いて上がった者の記憶は今も胸に残っており、現在進行形でTIFを目指している人たちがいることも知っている。

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クロスノエシスのTIF最初のステージとなったのは天空の舞台・SKY STAGE。最初の曲にチョイスされたのは長めのイントロに合わせ、舞台袖からメンバーが1人ずつ入ってくる『翼より』だった。

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2日目まではあまり見られなかった青空が広がる中で披露された力強くも美しい舞は「晴れ舞台」という言葉に相応しい光景だった。

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刹那性という言葉は好きではないが、現在「アイドル」と名乗る者が10年後もアイドルとして存続する可能性は極めて低い。更に述べれば、我々と同じように社会人として日常を過ごす者の割合の方が圧倒的多い。

一度しかない人生の貴重な時間をステージに立つという選択をした人たちにとって、TIFは夢が叶う場所であってほしい。クロスノエシスのステージを見終えて、その気持ちは強くなった。

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来年も、お台場でお会いしましょう。

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*1:気象庁ウェブサイト『各種データ・資料』参照して筆者作成(最終閲覧日:2022年8月13日)

*2:気象庁ウェブサイト『各種データ・資料』参照して筆者作成。2020年および2021年は10月開催のため省略(最終閲覧日:2022年8月13日)

*3:実際、本年から千葉開催となった「ロック・イン・ジャパン2022」最終日は台風の影響で開催中止となった

*4:TIF2022 公式ウェブサイト(最終閲覧日:2022年8月13日)

*5:TIFの公式ウェブサイトを参照して筆者作成(最終閲覧日:2022年8月13日)

*6:272-273頁

*7:http://www.idolfes.com/2019/tif_news/detail.html?p=tif_news20190804_01 (最終閲覧日:2022年8月13日)

*8:https://official.idolfes.com/s/tif2022/news/detail/10177?ima=1009 (最終閲覧日:2022年8月13日)

*9:2014・15・17年の3回利用。ZEPP DIVERCITYは「HEAT GARAGE」の名称で利用された

*10:2016年の「SHIP STAGE」(船の科学館の駐車場)は、セカンドステージに相当する規模のステージを設置した実績はある

【ぶらり観戦記】明治安田生命J2リーグ: 東京ヴェルディ-ベガルタ仙台『翼より』

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5月4日、味の素スタジアム東京ヴェルディのホームゲームを観戦。

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川崎サポにとっては対戦相手以上の存在、ベガルタ仙台様の応援に加勢すべく馳せ参じたのだが、当日は後述する招待企画等もあって入場列に行列ができる盛況ぶり。徐々にではあるが、観客のマインドの改善に向かいつつあると感じる光景だった。

1.黄金に染まるスタンド

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筆者は、ビジター自由席で入場。非常に多くの仙台サポさんが足を運ばれていた。

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仙台様の応援は、自分にとって憧れの存在だ。黄金に染まるスタンド、力強い歌声が響き渡るスタジアムは対戦相手の自分の胸を熱くする。黄色のスタンドに溶け込む感覚、不思議な体験だった。自分の拍手が少しでも力になればという気持ちをもって、試合に臨んだ。

2.日本とインドネシア、サッカーを通じて交流する日へ

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この日、東京Vに今季加入したインドネシア代表・アルハン選手に絡めた「インドネシアフェス」が開催されていた。

www.event.verdy.co.jp

グルメ等に加えて、現地語の案内表示やインドネシア大使館のご挨拶なども行われていた。

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また、日本在住のインドネシアの方を招待する企画が行われたことから、それらしい団体で訪れていた方も何組か見かけるなど、アルハン選手に対する関心度の高さも窺い知ることができた。

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ただし、アルハン選手はベンチ外というのは彼目当てに足を運んだインドネシアの方々には残念なことになってしまったが、企画自体は充実した内容だったと思う。

今後、川崎でもチャナティップ選手をフューチャーした企画も今後展開されることが予想されるだけに、観戦者視点でも事例として参考になる企画だったと思う。

3.ウイングで輝く10番

試合は、3得点を奪った東京Vさんの勝利。

【4-3-3】配置の東京Vさんはモビリティに優れた両WGにIH & SBが絡んで攻撃を作る。先制点の場面は、外からのクロスに中央の選手が人数をかけて攻め込むことで得点に繋げた。

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複数の選手の連携で崩した2点目の流れも見事だった。佐藤選手は流れの中でゴール前に入るタイミング=嗅覚が素晴らしかった。

従前より、個々の選手の技術に運動量を押し出して戦うスタイルを志向した東京Vさんであるが、崩しの仕組み、狙いを選手たちが共有する得点力の向上にも繋げていたように見えた。

個人的には、背番号10を背負う新井瑞希選手が印象に残った。モビリティ、トップスピードでも正確なボールを通せるテクニックが光る選手であった。育成出身ではないが、ヴェルディのサッカースタイルにマッチするタレントだと思う。こうしたタレントがウイングで輝くというのは、運動量・球際の強さ等の消耗戦の様相を呈するサッカー界の流れを感じる。異色のキャリアであるが、今後も楽しみな存在だ。麻生グラウンドでトメルケry

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一方、同点に追いつきながらも後半に突き放されてしまった仙台様。後半頭にゴール前の決定機があっただけに、悔やまれるところだろう。

遠藤康選手をはじめ、交代選手で流れを変えられず、逆に終盤は東京Vさんの圧力に押し込まれてしまった。連戦の疲労もあるが、ボール保持の争いでは相手が一枚上手だっただけに、取捨選択も必要だったかもしれない。

とはいえ、クオリティで差をつけられるタレントはいるのは間違いないので、チームとしてのどう戦うかのディティールを詰めていきたいところだろう。

 

近年、魔境とも言われるJ2リーグ。正直、この先どうなるかは誰もわからない。その視界不良を魅力と言うほどの余裕は筆者には無い。混沌の先で何が起こるのか、刮目せよ。

 

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