ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

昨日の講演会『日本の宇宙開発の現状と宇宙法』

我が大学の学術連盟の某研究会が主催した講演会、そういえばウチも研究会だよね?
私以外にも、ゼミ長・弟子とナギーさんや江戸むらさき、でこちんの計5名が参加した。
ゲストはJAXAの職員、この時点でH2Aロケットの打ち上げがあることを知った。
3つの構成で話は進んだのだが、かいつまんだメモを元に説明したい。


1.宇宙開発の意義・目的
ここで、まず話されていたのが「宇宙は人類最後のフロンティア」であること。
そうなんだよね、人間の進歩に大切なのはフロンティア精神だよね。
それで宇宙開発の目的としては以下のことをあげていた

①宇宙は天文学的も外から地球を見る上では絶好である
②宇宙空間に建造物を作る大きなスペースがたくさんあり、比較的に容易に作れる
③エネルギーや新薬の開発の前線基地
④通信分野等での利用が期待


また、ロケットの重量のほとんどが燃料、それは缶ビールと同じようなものであるそうだ。


2.日本の現状
一昨年にJAXAが設立されたところから話が始まり、それまでの三機関の特徴から。
どうやら管轄の中核となっているのは文科省国交省総務省の3つとのことである。
「ここらへんも、もっとスマートにできないものか」というのが課題の一つであるとか。


予算は、ほぼ横ばいで来年度は1765億円とのこと、それでもやや減少傾向にある。
順調なキャッチアップを続けた日本も、90年代後半からはつまづきが続いたせいらしい。
だから、昨日の打ち上げは失敗できなかったとのこと。本当に成功して良かったよ。
ちなみに予算の比較をすると、日:欧:米で1:3:15という圧倒的較差がある。
アメリカは、何と言っても軍事予算と民事予算が別にあると言うから桁違いの金が動くよ。
人材も日本が約1700人にアメリカは約4万人、そりゃ差は埋まらないわ…。


技術レベルの水準は非常に高いのだが、信頼・制作時間・コスト面に問題を残すとのこと。
(打ち上げの成功率も高いのだが、いかんせん打ち上げ数が少ないのが問題)


そういった意味でJAXAの課題は、システム面の強化が挙げられているそうである。


3.宇宙法
まだまだマイナーであるということ、国際法的なものはある。
一応、67年に宇宙救助返還協定や宇宙損害賠償条約を含めた「宇宙条約」があるらしい。
ちなみに宇宙ステーションの場合は、モジュールごとに各国の方を適応とのこと。
刑法上は「国外」犯規定のみ適応されて、関税法上では「外国」にはあたらないらしい。
あと、特許法上では国内法適応がないのか?というところが議論となっていた。


http://www.see.gr.jp/event/IAC2005Fukuoka.html


そういったところを含めた論議を、今年の10月に福岡で大会があるそうで。


とまぁ、非常に参考になった講演会であった。
自分たちも、こういう講演会ができたらいいなとは思うのだが…。