(蒲田駅は、悪魔超人の頂点に立つ悪魔将軍=ゴールドマンが名を連ねている)
2月3日、アースフレンズ東京Z(以下「アスフレ」という)のホームゲームを観戦するため蒲田へ足を運ぶ。筆者が、JR東日本の「キン肉マンスタンプラリー」で蒲田駅をチェックしたかったからではない。
〇 CITY:地域との近さを感じる街の風景
(いきなり目に入ってきた広告はもちろん、古田HCの身長に驚く)
東急多摩川線の終点・蒲田駅を降りると、アスフレの広告がデジタルサイネージのある柱に一斉に映し出されている。
首都圏においては、プロ野球のフランチャイズに囲まれ、Jリーグのクラブも地域に根を下ろして情報発信を続けているため、後発のプロバスケが露出する機会はどうしても限られてしまうが、蒲田駅周辺ではアスフレのタペストリー、掲示物を本当にたくさん見ることができる。
(大田区総合体育館に出店するミモレットは地元のパン屋である)
広告だけではなく、地元商店街の店がスポンサードしていたり、アリーナの売店に名を連ねている。それは、クラブが地域の一員であるという意識を強く持っていることを感じさせてくれる。仮にJリーグのような「地域貢献度調査」実施してみれば、アスフレは上位に組み込むと思われる。
(川福楼の麻婆豆腐は良い汗をかける。なぜか、巨人・陽のサインが飾ってあった)
余談であるが、蒲田駅前商店街のおススメ店として、四川料理・川福楼を挙げたい。同店舗は、麻婆豆腐愛好家の「全日本麻婆豆腐愛好連盟(全マ連)」が絶賛する本格的な麻婆豆腐が食べることができる。筆者も何度か試合前に食べたことがあるが、汗が止まらなくなる辛さに大満足でした。
(新日本プロレスの旗揚げ戦の会場としても有名な大田区体育館の後継施設である)
思いにふけりながらも、大田区総合体育館に到着。毎度ながら体育館前の交差点を気長に待つか、頑張って歩道橋をアップダウンするか悩ませる(この日は後者を選択)。
(「する」だけでなく「みる」ことも基本コンセプトにした構造)
入場後、座布団を忘れたことに気づく。個人的な提案だが、座布団レンタルサービスの需要があると思っている。お尻には若干の物言いを受けるが、アットホームでありながらも熱のある雰囲気を作り出す素晴らしい会場だ。
〇 GAME:アリーナを駆け抜けた閃光のZ戦士
試合は序盤から一進一退の攻防となる。GAME1を振り返り「不甲斐ない試合をした」と述べた選手も多かったアスフレは、タイトなディフェンスを見せる。
(相手フリースロー時、選手が積極的にコミュニケーションを図っていたのが印象に残った)
1Qこそ5ファウルとなり、相手にフリースローの許す機会も作ってしまったたが、2Qの終盤は相手の攻撃を封じ込めるグッドディフェンスを見せることで、守備から流れを引き寄せた。
(勝利の女神・Zgirlsはアリーナを盛り上げ、チームにエールを送り続けた)
相手にリードを奪わせなかった香川さん、流れを引き寄せて2点差まで詰めてアスフレの両チームにとって3Qの入り方は勝敗を左右する重要な場面であることは、多くの観戦者が抱いたことであろう。
(柏倉選手の積極的なオフェンスと強い意志がチームに勢いをもたらした)
アスフレは、この場面で早々に同点に追い付くと、柏倉・高山両選手の活躍で抜け出すことに成功。良い守備からの速攻がハマり、各選手のシュートも冴えわたる。
(攻守に奮闘した高山選手。彼の大車輪の活躍無くして3Qの猛撃は無しえなかった)
4Qは、リードするアスフレが時間を使いながらオフェンスを行っていたが、逆に香川さんには守りやすい展開にもなった。アスフレの攻撃に関しては、外国籍選手をもってしてもゴール下をこじ開けるのは困難。
(香川・ウッドベリー選手の攻撃は最後まで止められなかった)
こうした展開でスリーポイントを決めて10点差まで押し返した香川さんが驚異的な巻き返しを図る。猛チャージの核となったのは、ウッドベリー選手だ。フィジカルの強さとトリッキーな動きでアスフレゴール下に攻め込む。
(両チームとも終盤まで高い集中力を見せたことで、最後まで目が離せなかった)
また、アスフレは早い時間でファウル数を重ねてしまったため、激しくいけば5ファウルでフリースローを与えてしまう状況でもある。結局、最大13点差あったリードが1点差まで詰め寄られてしまう。それでも、残り1分のところでラド選手、そして久岡選手のスリーポイントが決まり、猛追を振り切ることに成功。
(アスフレが逃げ切って勝利。悔しい敗戦を乗り越えた)
アスフレが、最後まで予断を許さないハイテンションな試合を制する。
〇 TEAM:「グローカル」クラブの挑戦
(試合後、挨拶するアスフレ・古田HC。ディフェンスの奮闘を語る)
一昨年、アスフレのことを初めて知った時に「世界に通用する日本人選手を輩出する」という理念を掲げていることに大きなインパクトを受けました。国内リーグを戦いながらも、日本バスケット界、世界に目を向けていることは珍しいと思います。
実際、ACを毎年のように海外に派遣して世界のバスケットに触れているという本格的な取組も行っていたり、日本人選手を中心とするチーム作りを行うなど、有言実行でもあります。
しかしながら、昨季・今季と苦戦が続いている現実に目を背けることはできない。苦境の中でチームに何が必要なのかを模索しながら、日々戦い続けているのがアスフレというチームなのである。世界を見据えた確固たる理念を掲げ、地域とともに歩んでいく「グローカル」クラブの奮闘に今後も見続けたいと思う。