ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記・Jリーグ:川崎フロンターレ−清水エスパルス


■ 攻め続ける姿勢
前節・鹿島戦は大量失点を喫したことに加えて、上位陣に勝ち点を広げられるという精神的にショックの大きい試合でした。2週間ぶりの公式戦となる試合、負傷者も含めて大きくメンバーを入れ替えてきました。守備陣はGKに西部が復帰するとともに、CBを中澤と井川、右SBには小宮山を配置するという思いきった起用をしてきました。また、憲剛と稲本を負傷で欠くところで、負傷明けの大島がボランチで第12節以来の先発復帰しました。

前半は、序盤から川崎ペースで試合を進めることができました。これは左サイドを制圧できたのが大きいですね。清水の石毛選手は昨季の登里に近い状況、まさに挑戦中のポジションということもあったので、対峙するレナトも優位に進めることができました。右サイドは不慣れな小宮山が務めていたこともあり、左から攻撃の流れを作れたことは主導権を握る上でも大きな役割を果たしたと言えます。また、復帰戦となった大島がポジショニングといいますか、選手の間に入ることで潤滑油のような役割果たし、攻撃のリズムを作ることが出来ていました。回数こそ多くはありませんでしたが、何度か非常によい動きも見せていました。

しかし、そのような再三の決定機を作りながらも櫛引選手を中心とする清水の守備陣の前にゴールをこじ開けることが出来ずに前半終了。磐田戦、あるいは鹿島戦の序盤同様、ビッグチャンスを生かせず、ゴール前の精度を欠いてしまうという嫌な流れで終わってしまいました。

後半に入って、最初の10〜15分はオープンな展開となったために一進一退の攻防になりました。清水の中盤での守備に苦戦し、上手くリズムを掴めなかったという印象です。前半同様、レナトの左サイドからの突破の形は作れていたのですが、自らのシュートやクロスボールに見方が合わすことができませんでした。フロンターレに限ったことではありませんが、サイドが崩せる分、攻撃パターンに偏りが生じて、サイドから中に入る動きが無かったという印象もしました。

そうした中でも、徐々に川崎がキッチリとボールに絡む場面が増えていきまして、善戦に抜け出す動きやリズムが生まれていきました。そして、山本のふわりと浮かせたボールに飛び込んだ大久保が競り勝ってヘッド弾で先制。以前、コラムで「頭で決めてない」と述べていた嘉人さんでしたが、念願の移籍後初ヘッド弾で川崎が均衡を破りました。

先制後は中盤での清水との激しいボールの競り合いが続きましたが、果敢に攻め続け何度も追加点を奪う姿勢を見せました。ビッグチャンスを何度も生かせなかったのは非常に残念でしたが、ペースを落とすことなく、攻め続けることができたのは良かったと思います。攻め続けたことで後半43分にPKを獲得し、これを嘉人さんが決めて2点差。試合はこのまま2−0で勝利。

鹿島戦で足りなかったタフさを見せつつ、スペースに目がけたロングボールを使いながら柔軟に戦うことができました。ゴール前の精度を欠いて得点をなかなか奪えなかったのは大きな反省点ですが、ストライカーたる由縁を見せてくれたと思います。