ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:IBSAブラインドサッカーアジア選手権2015・日本‐中国


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昨日は、代々木競技場で「IBSAブラインドサッカーアジア選手権2015」の日本代表の初戦を観戦。来年のリオ・パラリンピックの最終予選になる本大会は、悲願のパラリンピック初出場を目指す日本代表にとっては「絶対に負けられない戦いがそこにある」大会でもあります。初戦は、同大会を連覇中の強敵・中国代表との対戦ということで、非常に厳しい試合となりました。

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試合経過は、以下の通り。

・前半は序盤から人数をかけた分厚い攻撃を見せる中国ペースで進む。

・日本はゴール前の守りを固めて、キーパースローの単騎突破で攻める。

・中国が決定機もGK・佐藤選手の好守等が光り、スコアレスで折り返す。

・後半も中国ペースで進み、CKからの混戦を押し込み中国先制(0-1)。

・リードを許した日本は、リスクを冒して人数をかけて攻勢を仕掛ける。

・攻勢に転じてチャンスは作るが、ゴールを奪うことが出来ず試合終了。

観戦を通じて感じたことは以下の2点です。

 

1.ブラインドサッカーの魅力

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今回、以前から関心があったブラインドサッカーの試合を初観戦しましたが、非常に面白かったです。何故なら、試合内容も大切な様子ですが、ブラインドサッカーのピッチで展開されるプレイの数々や、駆け引きが普段からサッカー見ている自分でも新鮮な光景に映ったからです。

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ブラインドサッカーは、サッカーの基礎的なプレイ動作も、ブラインドサッカーの世界では技術・感覚を駆使する必要が出てくると思います。例えば、フィールドプレイヤーは目隠しをしてプレイをすることから、選手間でパスを通すことが非常に難しいことに気付かされます。だからこそ、個々の選手のボールを運ぶ技術=ドリブルがモノを言うことが観戦を通じて理解しました。特に、日本が対戦した中国の選手のドリブルは素晴らしかったです。自陣の深い位置で奪っても、単騎突破で一気に相手ゴールまで運んでしまうスピードはもちろん、守備に立つ日本の選手を縫って突破するようなテクニックもいかんなく発揮しました。静かにしなければならない試合中でも、どよめきの声が漏れるほどでした。

また、ブラインドサッカーのルールを駆使した戦い方にも驚きました。特に、壁の存在は非常に重要な意味を持ちます。ブラインドサッカーは、両サイドに壁が設置されています。この壁を利用したドリブル突破・阻止、あるいはボールキープといった攻防が幾度となく展開されます。球際ならぬ壁際の攻防の激しさは、ブラインドサッカー独自の刺激をもたらしていたと思います。

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他にも、中国の得点シーンにも繋がるセットプレイやフィールドプレイヤーの守備に対する、サッカーとは異なる「色」も想像以上に多くあることが観戦を通じて発見することができました。

 

2.「入り口からその先へ」

今大会のアンバサダーを務めるのは、数々の国際大会やイベントの顔として精力的に活動されてる北澤豪さん。北澤さんは、パンフレットや試合前のコメントで「入口からその先へ」という表現を用いて、大会の重要性を説いています。

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今回の大会はパラリンピックの出場がかかった重要な大会であると同時に、2020年の東京オリンピックパラリンピックを迎える前に、日本のブラインドサッカーに携わる人々がパラリンピックを経験できるラストチャンスでもあります。ワールドカップがそうであったように、自国開催というビッグイベントを前に経験しておくことは、日本のブラインドサッカーの今後に向けても大切な一歩になると思います。

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また、今大会は取材に訪れる方も非常に多く、注目度が非常に高いことを実感しました。しかし、こうした話題性や注目度が一過性のモノではなく継続的な注目度を集めるためには、パラリンピック出場という結果を残すことは大事なのではないかと思いました。

パラリンピックという入り口を目指すことで、日本のブラインドサッカーのその先を切り開いてほしいと改めて感じました。

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以上です。パラリンピック出場権のかかる重要な大会であることはもちろん、代々木競技場という抜群の会場立地であること、試合開始が19時30分と会社帰りでも行きやすいことを含めて、ブラインドサッカーを初めて観戦するには絶好の機会であると思います。関心のある方は是非足を運んでみてください!

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