■ 「冒険」のシーズンを終える
最終節はスカパー観戦。今季リーグ戦のテレビ観戦勝率10割と嬉しいような、悲しいような。最近はポジティブな話題が少なかっただけに最終節勝利、嘉人さんの得点王ほぼ確定は嬉しいところです。
風間体制3年目となった今年は、2010年以来のACLでの戦い、嘉人さんのW杯出場、市制90周年記念試合、大島君のアジア大会出場、小林悠の代表デビュー等、濃い1年だったと思います。
特に久々のACLでの戦いは刺激的でした。最終的にACL王者に輝いたWSWに逆転勝ちした試合、蔚山現代とのグループステージ最終戦、そしてFCソウルとのラウンド16(第1戦)はいずれも熱戦、厳しい日程になることは承知で次のステージに進みたかったです。終わった時に感じる渇望もまた、ACL出場チーム共通の感覚だと思います。今季は出場権獲得はなりませんでしたが、また出場したいと思います。
一方、タイトル獲得を目指した戦いは、新制度移行前の最後のリーグ戦が6位、ACLベスト16、ナビスコ杯ベスト4、天皇杯は3回戦敗退に終わり、今年も悔しい結果になりました。シーズン総括のようなものは別途、書いていきたいと思いますが、勝負と考えていた10月以降の失速が本当に痛かったと思います。ただし、ここ3年間は本当の大一番を経験できていませんでしたし、ようやく絡めるようになってきたことは今後に繋いでいきたいところです。
■ 風間フロンターレは第2章へ
尊敬する松本育夫さんの著書『人の心に火をつける』で述べられていた中で、自分が印象に残った言葉が「一貫したチーム作りを進める一方で新陳代謝を促す」です。本書ではマンネリを回避するために姿勢をクラブとして見せることが必要であるとして、鳥栖において躍進した岸野体制から監督交替に踏み切った経緯もこの点にあると述べておりました。
人の心に火をつける ~どんな環境でも「人」を伸ばし、結果を出すチームマネジメント~
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一方、川崎は、途中就任ながら風間体制も今季で3年目を終えて、さらに2年間の契約延長が決まりました。タイトル獲得という目標を達成することができず、終盤戦の苦闘を踏まえて、区切りにすべきだという意見もネット等では見受けられました。
ただし、川崎の現状を鑑みると「世代交代」という大きな課題が差し迫っています。11年の相馬体制時にその動きを見せながらも成績低迷とともに瓦解、前後して主軸と期待された生え抜きの中堅層がクラブを離れてしまいました。
昨季のクラブを支えたのは30代以上のベテラン選手であり、今季も最後までそうした選手たちの存在が大きいと感じさせるシーズンでした。嘉人・憲剛の2枚看板で何年戦えるかと考えれば正直不明ですし、特に今回の憲剛の離脱を踏まえるとクラブの新たな柱を確立する必要を感じました。その役割を自分は風間監督の指導力に託したいと思います。そうした意味では、風間フロンターレは新章に突入といってもいいでしょう。
■ 躓きながらも前へ
今季の経験を踏まえると、来季はある程度厳しいシーズンになると思っています。風間さんのサッカーを体現するうえで中村憲剛の存在がいかに大きいか、これを改めて感じるシーズンだったからです。しかし、クラブの時計を進めていかなければ、未来は見えてこないと思います。躓きながらも、前へ進めていく姿勢をクラブには見せてほしいとサポーターとして強く願います。