ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『グッバイ、レーニン!』


グッバイ、レーニン! [DVD]


■物語は
主人公・アレックスの父は、東ドイツから西へ亡命してしまう。
それ以降、母・クリスティアーネは東ドイツへの愛国心を強めていく。
東西統一の兆しが見えはじめたある夜、デモに参加したアレックスが逮捕。
その現場を偶然見かけた母は心臓発作で倒れ、意識不明のままドイツは統一。
アレックスの周囲が目まぐるしく変化する中で、母がようやく意識を取り戻す。
記憶が倒錯する母にショックを与えたないため、彼は祖国の再現を始めるのだが…。


■見終わって
子供の時、ベルリンの壁の崩壊の映像が何回もニュースで流れた。
今になって考えると「歴史的瞬間」とは、まさにこの時だったのだろう。
この作品では、その変化の流れの真っ只中にいた人々を描こうとしている。


若い主人公が初めて見た西の文化、流通する貨幣、全てが新鮮に見えた。
だが、一方で母のために亡くなってゆく東の遺物を求めて奔走するという日々。
しまいには、テレビで流すニュースまでも都合のいいように自主製作してしまう。
その姿が何とも滑稽であるが、凄く切ない思いでいっぱいになってしまう。


印象的だったのは、母がずっと寝ていた部屋から外に出たシーン。
もちろん祖国の崩壊など知らず、だが次第に周囲の変化に違和感を覚える。
そして彼女の目の前で破壊されたレーニンの像の上半身がヘリで運ばれていく。
まさに「グッバイ、レーニン」、そのシーンが一番強烈でした。