ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:小川一水『こちら、郵政省特別配達課!』


こちら、郵政省特別配達課! (ソノラマノベルス)


■物語は
ヤマト運輸が始めた小口荷物宅配業は、物流業界のシステムを変えた。
だが、郵便小包の取り扱い数の下降線に黙っている郵政省ではなかった。
ゆうパック」「ふるさと小包」などの新規サービスで再び浮上を始めた郵政省。
さらなる反撃は続き、平成元年に郵政省郵務局はあらたに特別配達課を創設した…。


■読み終わって
既刊2冊の本を再収録した本書、まず『こちら郵政省特配課』。
特配課は、潤沢な資金をバックに、驚くべき手法で徹底的に民間と競合。
カウンタック・トレーラー・新幹線・リニア、これがまた痛快でたまらない。
最先端技術を使いながら、配達の原点を忘れない主人公達の活躍に胸を躍らせた。


後半に収録された『追伸、特別配達課!』では、状況が一変する。
行政改革の波と全国規模の機械配達網の拡大により、特配課は消滅の危機に。
主人公達は官庁を抜け出し、今度は「打倒・機械」を掲げて独自の戦いを挑む。
その中で主人公は「配達の精神とは何か?」について、改めて考えるようになる。
一方、公道最速バトルあり、京都迷宮案内あり、雪山登山あり、バラエティ有り杉。


2冊分ということでボリュームがあったが、結構スラスラ読めたか。
例によってネタの豊富さに驚かされ、行政改革をネタにここまで書かれるとなぁ。