ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了:桜庭一樹『赤×ピンク』(tennbinn君課題図書)


赤×ピンク (ファミ通文庫)


■物語は
廃校になった学校の校舎に、夜な夜な集まる人達がいる。
何故?そこには高いケージに囲まれたオクタゴンのリングがあるから。
そこで開かれる非合法ファイトクラブ、リングに上がる3人の少女の物語。


■読み終わって
先日、元AWA世界王者・ニック・ボックウインクル氏のインタビューを読んだ。
ニック氏は、その中で「試合にはストーリーが必要である」と話されていた。
つまり『技を出していくには、何故その技を出していくのかという理由がある』
『意味のある、流れのあるストーリーが試合には必要である』ということらしい。


本書で、作者は3人の少女各々の「ストーリー」を試合の中に織り込んだ。
それぞれを取り巻く環境に対する不安や葛藤が試合の流れを作っているようだ。
そして、試合の中で「答え」や「手がかり」を見つけ、そこから歩んでいったのだ。
このように物語を表現する装置として「格闘技」を用いたのは、私的には面白かった。