ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

読了・能田達規『マネーフットボール3』

 

マネーフットボール 3 (芳文社コミックス)

マネーフットボール 3 (芳文社コミックス)

 

 〇 ぼくが『マネーフットボール』を読んでニヤニヤする理由

週刊漫画TIMES』(芳文社)で連載中のサッカー漫画の単行本の第3巻。著者・能田先生の作品の特色、本作のテーマに関する考察は第1・2巻の発売時にまとめて書きましたので、よろしければご覧ください。

Nリーグ・2部(N2)のプロサッカークラブ・愛媛イーカッスルと同クラブに在籍する主人公・梶本(カジ)の奮闘を描く本作。N2リーグの3試合を中心に描く第3巻も、様々な角度から楽しめる内容だったと思います。私が第3巻まで読んで面白いと感じた点を2点ほど取り上げてみました。

1.フィクションの中にあるリアル

丁度、本書が発売を迎える直前の年末年始は、読者の中でも多いであろう、国内サッカーファンにとって、一喜一憂する日々でもあります。というのも、各クラブが来季に向けた補強等の人事異動の時期だからです。つまり、国内サッカー市場が一番活性化し、お金の動きがある時期と言えます。

本作『マネーフットボール』の特徴の1つは、こうしたサッカーに関する様々なお金の動きについて事例を通じて学べる点です。

例えば、2巻~3巻でクローズアップされる、Nリーグのプロ選手の契約に関する基準は、実際のJリーグで採用されている「プロサッカー選手の契約、登録および移籍に関する規則」*1 と同じ基準を採用しています。3巻で取り上げられた契約形態ごとの変動報酬の規定も実際の選手規則に則ったものとなっております。

 この他、2巻で取り上げられた遠征に係る旅費に関する補助に関する記載がありましたが、こちらも実際にJリーグで定めている「旅費規程」*2に準拠した内容です。実際、私は本書の事例を読むまで、旅費規程の存在は知りませんでしたので良い勉強になりました。

以上のように、プロサッカークラブの日々の運営の中で様々な部分で経費や契約が発生することを知ることができますし、こうした知識を学ぶためには非常に良いテキストになります。丁度、主人公・カジの新人研修で説明を受けた内容の理解度の低さを指摘されることが何度か出てきますが、思い切って、Jリーグの新人研修の副読本として採用されては良いかもですね。字面で覚えるよりも、絶対覚えやすそうですし(笑)

2.Jリーグファンよ、ネタに踊れ!

既にネットの感想でも多く取り上げられていますが、今回発売された第3巻では、実際のJリーグクラブ(関係者)や選手を下敷きにしたクラブやキャラが多く登場してきます。本作の読者にも多くいるだろう、Jリーグのファンからすれば「あのキャラクターは、〇〇(選手名)」や「あのスタジアムのモデルは、建設中の××(スタジアム名)だな」とニヤニヤしながら読んでいると思います(私を含む)。

また、上記のようにパッと見でわかるネタから、細かい書き込みとかデザインにネタが仕込んでいるケースもあるので、こうした芸の細かさをチェックするには単行本のほうが良いと思います。 

なので、個人的には雑誌で一度読んだ人にもおススメです。目を凝らして、ネタを探してみましょう(笑)例えば、某競技場のデザインが、色々とアレになった関係で掲載時から差し替えになっていたり、そうでなかったり←

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