ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:IBSAブラインドサッカーアジア選手権2015・日本‐マレーシア

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昨日は、代々木競技場で「IBSAブラインドサッカーアジア選手権2015」の日本代表の予選最終戦を観戦。
来年のリオ・パラリンピック出場のためには日本代表は2位までに入らなければなりませんでした。しかし、直前の第2試合でイラン代表が韓国代表に勝利し、日本の3位以下が確定。そんな状況下で試合は行われました。
 
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試合経過は、以下の通り。
・前半は序盤から日本が攻め込むが、なかなか先制点を奪えず。
・しかし、キーパースローがゴール前の選手に通り、日本先制(1-0)。
・後半も日本ペース。雨足が強くなる。
・CKからの突破から日本が追加点(2-0)。
・激しい雨のため試合が一時中断。
・何とか試合再開。ドリブルでボールを運ぶのも難しい状態。
・終盤に第2PKを取られるも佐藤選手が防ぎ、試合終了。
 
観戦を通じて感じたことは以下の2点です。
 
1.日本代表の魂
 
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目標としていたパラリンピック出場の夢が断たれた直後の試合。試合中、降り続いた雨は日本の選手たちの涙雨のようにも感じました。それでも練習から気持ちのこもったプレイを見せる選手たちの姿に胸を打たれました。
 
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後半には中断を挟むほどの激しい雨が両チームを襲います。水が溜まりボールを運ぶのも難しいピッチコンディションの中、ボールを必死に追いかけゴールを狙う姿勢が見られました。
 
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試合終了後、様々な思いがピッチ内外で錯綜したと思います。私も、試合が終わってから徐々にパラリンピック出場を逃したことの無念、悔しさは込み上げてきました。
しかし、5試合を必死に戦った日本代表の選手たちを労う温かい声援に包まれていました。悔しさと温かさの入り混じったニッポンコールを私は忘れません。
 
2.「入り口からその先へ」を再度考える
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リオ・パラリンピックという世界の「入り口」を目指す日本代表の挑戦は終わりました。しかし、全てを失ったわけではありません。代々木に連日開催された今大会が多くのサッカーファンの目に触れることとなり、応援に駆け付けて実際のプレイを目にしました。今大会と日本代表の熱戦が多くの人々の「入り口」になったと思います。
 
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一方、今後開催される世界選手権、そして来たるべき東京・パラリンピックに向けて必要なのは入り口の「その先」の視点であると思います。たしかに、今大会には、マスコミの取材も多く訪れ、テレビ等でも連日報道で取り上げられました。しかし、一時的な熱狂や盛り上がりだけではダメだと思います。中長期的な視点に立ち、継続的な取組を支えていかねば、アジアを制し、世界と戦っていくことは困難です。代表チームを強化していくためにファンや協会等の各組織、そして社会全体の理解が進まなければなりません。
 
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2020年の東京五輪パラリンピックでは、前回開催時から半世紀以上を経て2回目の開催となるからこそ、日本社会の成熟度というのが問われると思います。劇的な進化や進歩は難しいと思いますが、一歩一歩、ボールを運んでいくように丁寧にブラインドサッカーの理解と普及を進めて行ってほしいと思いますし、何かのかたちで応援をしていきたいと思います。

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