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ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

『シェフ 三ツ星フードトラック始めました 』

映画

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■ 激しい空腹感に襲われる映画

金曜日にTOHOシネマズ日本橋で『シェフ 三ツ星フードトラック始めました』を鑑賞。予告編から気になっていたのですが、漫画やドラマで「食」を取扱った作品を継続的に見ていたことから、テーマ的にも気になっていた映画でした。遅い時間に見に行ったのですが、肩の力を抜いて、気軽にリラックスして見ることができました。とにかく楽しくなってくる映画でした。難点は空腹感に襲われることですね(笑)。主なあらすじと、映画を見て感じたことは以下のとおりです。

 〇 あらすじ


カール・キャスパーは、ロサンゼルスの高級フランス料理店の総料理長を務めるプロの料理人である。この日、カールは、人気フードブロガーの来店に備えて、既存のメニューにアレンジを加えた料理を出そうと意気込むものの、店のオーナーの反対を受けてしまい、普段と変わらぬメニューを出すことにする。その結果、レビューは酷評に終わり、カールは激しく落ち込む。さらに、店のスタッフや10歳の息子からパーシーからレビューがtwitterで拡散されていることを知り、ネット上でブロガーに反撃して再来店を仕掛けるものの、特別メニューを出すことをオーナーに反対されてしまい、店を飛び出してしまう。さらに、来店したブロガーを罵ったことが動画で拡散して炎上。

職を失ったカールは、元嫁の提案を受けて、息子の子守りを兼ねて3人で元嫁の父親がいるマイアミに旅行でかける。その土地で出会ったキューバサンドの味に感銘を覚えたカールは、元嫁から話を受けていた屋台=フードトラックの出店を画策する。

 1.料理のように「丁寧な」作品作り

料理シーンは、丁寧に焦げ目をじっくり見てとったり、見た目も綺麗に盛りつけをしたり、豪快そうな雰囲気を醸し出すカールの繊細さが印象的でした。作品全体を考えていくと、そんな料理シーンと同様に丁寧な作りだったと思います。具体的には、1つの方向性に振れた後のフォローがしっかりと行われており、作中において、食に対する考え方に正解を与えなかったことは好感触でした。対立構図を映し出すと、どうしても敗者が生まれて、その立場や考え方が否定されがちですが、カールの立ち位置を変化させるというアプローチで描くことで対決に持ち込まなかったバランスは非常に良かったです。

 2.「食」を取扱うことで提供される多角的な視点

また、本作は「食」を取扱う、具体的には「料理を作る」という行為から、様々な視点が提供されていたと思います。料理人という視点から描く職業観について考えさせたり、カールと息子・パーシーとの親子の物語であったり、(監督自身が『イージーライダー』のような映画を作ってみたいと述べたように)広い米国を旅するロードムービーとしての魅力だったり、枚挙に遑がないです。料理というジャンルは個人の物語に落とし込むことが多いと思うのですが、本作で登場させるSNSのように、物語としての幅が拡散していく感覚が連動していて面白かったです。

〇 足りない視点は「食べる」か?

一方、日本で食を扱うドラマ・マンガを見慣れているせいか、本作では料理を「食べる」視点が希薄だったのは気になりました。やはり、作品の主役はシェフということだということが影響していくのだと思いますが、評判が評判を呼び人気になるという過程を描くとすれば、この部分で観客の共感を得る部分があっても良いのではないかと思いました。

もちろん、トーストのチーズが蕩けながら食べるシーンや、3人が高いテンションでステーキを食べるシーン等、処々にありましたが、肝心のキューバサンドの部分がもう少し欲しかったかもしれないです。

 以上です。近年の日本においても食を取扱った作品が多く映像化されています。こうした作品に根強い人気がある理由は、食事というのは誰もが日常生活の中で行われることであり、そこに多くの共感やイメージの共有ができるからだと思います。そういう意味では、共感を共有することが動力とするSNSという要素を巧みに作品に組み込んだジョン・ファヴロー監督の視点は的を得ていると思いました。ああ、映画を見終わってから、キューバサンド食べたい人生しかない(笑)

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