ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記・高校サッカー:全国高校サッカー選手権大会 準々決勝

■ 国立、頂点を目指して
駒沢で選手権の準々決勝を観戦してきました。東京代表の修徳、2回戦で試合を見た市立船橋と京都橘の直接対決ということで非常に楽しみにしていました。この日は、非常に寒い中で体を震わせながらの観戦となりましたが、見終わった後に「見に行ってよかった」と思う内容の濃い2試合となりました。観戦した2試合の雑感については、以下のとおりです。

○ 第1試合:星陵(石川県)-修徳(東京都A)

非常にミスの少ない試合だったと思います。前半から攻撃している時間は星陵が長かったと思いますが、修徳側は決定的なシーンをほとんど作らせない守備を見せていました、特にサイドでの守備は相手の突破をほとんど許さず、抜かれたとしても最後まで食らいつく粘り強い守備が何度も見られました。一方、攻撃に関しては1トップに位置した加藤君にボールを集めましたが、フォローがない状態で孤軍奮闘せざる得ない場面も多かったため、前半からシュート本数こそ多かったのですが、やはり決定的な場面が少なかったです。
少し面白かったのが、後半に修徳が加藤君に変わって入れた13番の雪江君。彼はスローイン役を担ったのですが、彼の投げるロングスローがとても遠かったです。もしかしたら、スローインを生かすための戦術だったのかもしれませんね。

結局、試合はスコアレスのために終了し、PK戦決着になりました。星陵のキーパー・近藤君がこの場面で素晴らしい好セーブを連発、3者連続ストップに成功して0-3のスコアで星陵が勝利。近藤君本人が試合後にコメントしていましたが、相手が蹴る直前までしっかりと動きを見ていたことがよくわかりました。

○第2試合:市立船橋(千葉県)-京都橘(京都府

優勝候補筆頭の市立船橋と前大会準優勝の京都橘という好カード。ベタではありますが、個人的には磐瀬君が統率する市立船橋の最終ラインを京都橘のエース・小屋松君がどのように攻略していくのかという視点で見ていました。
攻防は一進一退で、市立船橋はサイドを起点とした崩し、京都橘は小屋松君を中心とする個人突破でゴールを狙うという対称的なアプローチだったと思います。前半は双方ともあと一歩というところで、ネットを揺らすことができませんでしたが、後半の早い時間帯に京都橘が小屋松君のゴールで先制に成功。味方がゴール前で粘ってボールを繋いだボールを小屋松君が難しい位置で決めたかたちでした。味方の小屋松君に対する信頼、そして小屋松君はフィニッシャーとして責任を果たす一発でした。
市立船橋もその後は果敢にゴールに迫りましたが、この試合で最終ラインの4人のディフェンスラインはほとんど崩れることなく、しっかりとブロックを形成しておりました。攻撃時も前係になることなく、最少人数で攻めるというかたちで、ある種の割り切って戦っていた印象です。サイドアタック、精度の高い中盤のパスワークで相手ゴールに迫る市立船橋でしたが、コレを崩すのはさらにアイディアが必要だったかもしれません。
先制後により堅守速攻の型を推し進めた京都橘は、チャンスは多くなかったと思いますが追加点を奪宇ことに成功しました。サイドでボールを受けた小屋松君がそのままバイタルまで侵入してシュートまで持ち込んでゴール。まさにエース、素晴らしいゴールだったと思います。2点差になった市立船橋は磐瀬君を上げてくるなど、何とか押し切ってゴールに迫りましたが、結局は京都橘のゴールをこじ開けることが出来ず試合終了。京都橘がベスト4に駒を進めました。
市立船橋も完成度の高い素晴らしいチームで、失点こそしましたがチームとしての脆さを感じることは全然ありませんでした。ここはゴールを奪い、守りきった京都橘を褒めるべきではないでしょうか。非常にハイレベルな攻防であったと思います。


ベスト4が決まり、いよいよ舞台は聖地・国立競技場です。