ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【短期連載】2007年総括:アニメ編(2)

■ 各論:印象に残った3作品とベストエピソード
※総論というか雑感早くも年末進行中 - ぶらり人生途中下車の旅
長ったらしくも数日前に全体的なアニメに対する雑感を書き連ねて
「じゃあ、お前は何がが好きなんだ」というツッコミがきてもおかしくはなく。
ということで、今回は作品と踏み込んでエピソードを紹介。偏っているのはアレ。


■ 『天保異聞 奇士 あやかしあやし』:#15『羅生門河岸の女』
私的『あやし』観はOVA『奇士神曲』を見終えた時に触れていますので割愛。
そこでも言及しましたが、自分が惹かれたのは設定に対する作り込みと拘り。
そして、何よりも江戸後期という時代設定にも非常に興味を持った部分です。


この世界観の中で最もシンクロしたのが、別記では書いた14・15話の吉原編。
會川氏が「時代劇らしい回となった」*1と述べるように、本編中でも特に地味な回。
翼を持つ妖夷となった遊女が吉原の外を目指して舞い、散るシーンは印象的なシーン。
次点はアビ編のラスト#18『漂泊者の楽園』かと。中盤以降は好きな話が多い。


■ 『エル・カザド』:#14『メイプルリーフ』
私的には、真下アニメに関しては『NOIR』以来のインパクトを受けた作品だ。
当初は『美少女ガンアクション三部作最終作』という煽り等に不安を覚えたり。


しかし、本作はそれまでの真下作品の文法の型を破ったことで予想は裏切られた。
全編を通じて話のテンポもよく、各エピソードが独立して見ることが出来たことで
従来の重々しさや伏線を張り巡らされたイメージを一新、終盤まで駆け抜けていった。


だが、真下節が完全封印されたわけでもなく私が選んだ#14には“らしさ”を感じた。
劇中の『Forest』が耳に残ったため、久々に梶浦先生のサントラを購入するほど。
次点というか、この作品もお気に入りが多かったのですが#21『羽ばたく女』を推す。


■ 『電脳コイル』:#23『かなえられた願い』
仮想空間・ネットを取り扱った作品としては『攻殻』や『lain』とは違った世界観。
私的に『電脳コイル』は、そうした「新たなグランドデザイン」としての衝撃が大きい。
また、デザインや見せ方もさることながら、物語の重厚さも私の需要を大いに満たした。


本編の中盤の派手な演出が際だった回に対して、終盤は一転してシナリオを軸に展開。
登場人物の抱える心の闇と電脳世界に潜む謎による「ほの暗さ」が不気味にも感じる。
自分が選んだ#23はイサコとデンスケが消える回、イサコの「目に見えるモノを−」の
台詞は非常に重かった。最後のターニングポイントながら、一番の衝撃も受けた話だ。


次点は#12『ダイチ、発毛ス』ですかね、斬新だったのと芸が細かかったのが印象的。


こんな感じですかね、来年もシュートに作品を見ていこうと思います。