ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦休題:川崎純情Night☆~Road to CLUB CITTA' カウントダウン Vol.3~  

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昨日は、ライブハウス・川崎セルビアンナイトで川崎純情小町☆さん(以下「小町さん」)主催ライブを鑑賞。小町さんは10月14日にクラブチッタでワンマンライブが決まっており、本公演はワンマンの月例カウントダウンライブとなります。

この日の出演アイドルは5組で各持ち時間は20-30分ほど。この手のライブイベントは「未知の強豪」との遭遇も多いので、敷居としては丁度良い持ち時間ではないかと。私自身、まなみのりさと小町さん以外はハジメマシテでしたが、ガッツリ楽しむことができました。

〇 主催ライブ=ホームゲーム

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今年に入って、小町さんのポスターやミニライブを市内で見る機会が一段と増えてきまして、より身近な存在に感じるようになりました。「百聞は一見に如かず」ということで多くの人に活動を知ってもらう機会はとても良いことですし、地域を盛り上げるという活動のコンセプトにもプラスになると思います。

ライブハウスでの主催ライブというのは、見る側の視点ですと、そうしたイベントから一段階踏み込んだ領域と言えますが、その分得られる満足度も大きく違いました。

窮屈に感じない程度の観客の密集度とコアの密着度が作り出す一体感、声援とよく知ったステージという「ホームアドバンテージ」を生かした小町さんのパフォーマンスは、今までイベント等で見ていた小町さんの印象がガラッと変わりました。端的に言えば、熱い!

実際、ライブの熱さにはメンバーも以前から太鼓判を押しておりましたが、この熱量を体感するなら、絶対に主催ライブだと実感しました。その意味では、それを体験することが出来たことが何よりもの収穫でした。

 〇 ガチの地元愛

ライブの中で印象に残ったことがありました。パフォーマンス中、筆者の地元でもある高津区担当の副リーダー・長嶺さんが涙をこらえる場面がありました。彼女やグループにとって記念のライブや生誕祭でもなかったライブで、彼女は何故感極まったのか?それは、彼女自身が大プッシュしていた、地元「溝の口」の刻まれたTシャツを多くの人が身に着けてくれたのが嬉しかったからだ。

その話を聞いて「ガチだ、ガチすぎる」と心中でシャウトしてしまった(笑)ココまで地元を好きでいてくれて感謝の気持ちしかないですね。このグループのメンバーが自分の担当地区に純情と愛情を注ぎこんでいる証拠だと思いました。

川崎フロンターレのホームゲームやゴミ収集車のメロディでお馴染みの『川崎市民の歌』の歌詞には「好きです 川崎 愛の街」と言うフレーズがある。そして、このグループ名にある「純情」という言葉もまた辞書的な意味では「利益・策略を離れて、いちずに寄せる人情・愛情」とある。そして、この日は、グループのメンバーが自分の担当地区に愛情を注ぎこんでいることを垣間見ることができました。

「愛」の街の「愛」のある「アイ」ドルを応援していきたいという気持ちが一層強くなりました。頑張れ、川崎純情小町☆

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観戦記:欅坂46デビューカウントダウンライブ

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昨日は、東京国際フォーラムで欅坂46のデビューカウントダウンライブに参加。新プロジェクトのアナウンスから約1年、発足から約半年が経過し、いよいよデビューを迎える欅坂46。乃木坂46に続く新たなる坂の一歩を見届けようと、デビューイベントとは言い難い熱気に包まれた会場の雰囲気が印象的でした。

当初の乃木坂46が、AKB48の公式ライバルという立ち位置から比較をされてきたように、欅坂46も当面は最初の坂=乃木坂と比較されることが前提となると思います。ということで、この日は「どう違いを見せていくのか」という部分にも注目して見ておりました。

もちろん、オリジナル楽曲でのパフォーマンスはこの日が初めてですので、ヒントが垣間見れば御の字くらいに考えておりましたが、ライブの中に複数のキーワードは見出だすことができましたし、乃木坂とは異なる坂の風景を見せる、という作り手側の明確な意志を感じることができました。

〇 『サイレントマジョリティー』における絶対的エース・平手友梨奈

記念すべきデビュー曲『サイレントマジョリティー』は、楽曲・パフォーマンスともに充実した内容だったと思います。ベーシックな楽曲に落ち着くことなく、『制服のマネキン』を彷彿とさせるカッコよくて、ダンスも振りにおける連動性を含めて躍動感のある内容で、見ている側としては1曲の中で見どころの多い楽曲でした。

その中で、特に印象的だったのは「絶対的エース」として君臨したセンター・平手友梨奈さんの存在感だと思います。正直「平手、半端ないって」と最後のロッカールームで泣いて叫びたくなるレベルでした(笑)

自分の情報収集力の問題もありますが、ポジション発表時点ではピンとこなかった部分がありましたが、一目見て納得するしかない説得力のあるパフォーマンスでした。とはいえ、彼女の見る者を圧倒するパフォーマンスは、洗練されたダンス・歌唱の技術、圧倒的なビジュアルクイーンとしての存在感ではなく、「自身をいかに表現するのか」という魅せ方だと思いました。

 

映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』において、主要メンバーの多くが「アイドルである自分」という存在を想像することなく、自身の居場所として選択したこともある乃木坂は、表現そのものにもアイドル的なレトリックよりも等身大の自分を強調してきた印象を感じていただけに、平手さんのアイドル的に「魅せる」スタイルは新鮮にも感じました。

 〇 ユニット曲に感じた今後に向けたヒント

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そうした平手さんの魅せ方を、一層際立たせたソロ曲『山手線』の圧巻のパフォーマンスもまた鳥肌モノでした。どちらかといえば、ポップというより歌謡曲のテイストが強い楽曲の作りでしたが、80年代を彩ったアイドルたちと同様に、上手く歌うのか?踊るのか?ではなく、自身をいか表現するのかという部分を強く意識した内容でした。視線の流し方、激しい振りの後に適度に乱れる髪型など、ワンカット単位で絵になる構図を見せていただきました。

サイレントマジョリティー(TYPE-B)(DVD付)

『山手線』が歌謡曲テイストであったのに対して、ユニット曲『渋谷川』はフォークソング調の楽曲。実際に、この曲を担当した小林さんと今泉さんはギターを弾いて歌唱するという形式をとり、ここもまた攻めの一手を感じました。また、この楽曲を担当した今泉さんの自分を押し出していく推進力は、ライブの中でも節々に感じましたし、インパクトを残せたのではないかと。

以上の2曲は、全員が平成生まれの彼女たちに昭和の文法を使ってくる路線を感じましたが、ギャップを作るうえでも継続性がありそうな部分ではありました。

〇 「頑張れ」と言わずにはいられない、けやき坂46・長濱ねる

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また、現時点では1人だけのけやき坂46(ひらがなけやき)メンバーである長濱さんを据えた『乗り遅れたバス』は、今は一人だけど、後で欅坂に追いつくよ、というダイレクトなメッセージを乗せた楽曲でした。歌詞を通じて色々な感情も見え隠れする作りだっただけに、終演後の見送り会で激励の言葉をかけた方も多かったのではないでしょうか(当方を含む)。

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以上のように、デビューシングルの収録楽曲のみのライブではありましたが、見応えのあ充実したライブでした。

乃木坂の数年間の経験値やリソースがストックにあるとはいえ、どのように新しいグループを押し出していくのかは今後も難しい作業であると思いますし、現在進行形で成長する乃木坂と、ある程度のギャップを作りながら良いものを継続して発信していくことも大変だと思います。そういう意味では、ココからが勝負ではありますが、期待していきたいと思います。

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観戦記:真野恵里菜コンサートツアー2016初春 GRAND Escalation

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昨日は、Zepp DiverCity東京で開催された真野恵里菜さんのコンサートに参加。約1年半ぶりとなる今回のコンサートツアーのラストを飾った昨夜の公演では、私もとても楽しいひと時を過ごすことができました。それと同時に、大きな衝撃も受けました。

というのも、映画やドラマ等の演技の仕事を中心に活動されている真野さんにとって、ステージ上のライブパフォーマンス自体が、結構なチャレンジであったと思います。それに加えて、ソロということで公演中は休む間もほとんど無く、1日2公演を完走しました(終盤のMCで話されていた体の悲鳴は素直な反応だったと思います)。それだけでも、現在の真野さんには凄いことだと思うのですが、パフォーマンスも非常に素晴らしかったです。ライブのステージから離れていたブランクを感じさせない、むしろ、ハロプロ時代には感じられなかった力強さを印象付けるダンスやボーカル、そして何よりも、今持てる力をステージにぶつけようとする真野さんの姿勢に胸が熱くなりました。

そして、ステージ上では、ハロプロという故郷を自らの意志で離れ、何物でもない、真野恵里菜として研鑽を積み重ねてきたモノが表現されていたと思います。エネルギッシュな動きの数々、感情を上手く乗せて歌い上げた楽曲等、目の前のパフォーマンスがとても新鮮に映りました。

たしかに、現在の真野さんは「アイドル」や「歌手」という立場から離れてしまいました。しかしながら、様々なかたちで人々の目に映っていく「表現者」としては、現在進行形で成長を続けています。自分でセットリストを組んでコンサートを作り上げてきた「責任」、ファンに自分が積み重ねてきたモノをステージで表現しようという「意志」の2つの思いを感じ取ることができました。

真野さんのライブを見てきた人間としては、昨日の真野さんの姿は「頼もしい」の一言に尽きます。少し涙目だったけど(笑)また、機会があれば、成長と研鑽を表現する場として定期的にコンサートを開催してほしいところ。真野さん最高、マノフレ最高。

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『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』

https://instagram.com/p/5HZzYxgBtl/

〇 はじめに:乃木坂46の「物語性」

 「歴史絵巻のようだ」

 今年2月、乃木坂46のバースデーライブを見に行った後、素直にそう思いました。3周年記念ライブは「2月の西武ドーム」という会場設定だけでもサバイバル感を駆り立てられましたが、終わってみれば、7時間半を超える長時間公演を見届けていました。

ライブでは、グループの発表した全楽曲をデビューシングル『ぐるぐるガーデン』から発売順に披露(アルバム収録の新曲は終盤に挟む込む形で披露)。1つ1つの楽曲を聞き、彼女たちの姿を目にする度、楽曲の中にグループとしての歴史や物語が宿されていることを実感しました。全曲を披露する意味は、誕生日を迎えたグループが紡いできた物語が欠如させないためのものではないか、とも感じました。

だから、乃木坂46のドキュメンタリー映画が作られることを聞いた時は「本当に必要なものなのか?」と疑問を抱きました。彼女たちがアイドルグループの一員として過ごす刹那の瞬間を、映画という形でパッケージングすること自体には否定的ではない、過去に公開されたAKB48のドキュメンタリー映画も素晴らしい内容でした。

しかし、乃木坂には楽曲を発表することで現在進行形の物語を紡いでいる、敢えてドキュメンタリーを作らなくても良いのではないかと考えていました。それが、映画を見る前の私の考えでした。

〇 居場所としてのアイドル

 映画『悲しみの忘れ方 Documentary of 乃木坂46』は、2012年にデビューした乃木坂46の結成から現在に至るまでを描いたドキュメンタリー作品です。グループの主要メンバーである生駒里奈西野七瀬白石麻衣、橋本奈々美、生田絵梨花の5人を中心に、何物でもなかった少女たちがアイドルグループとしてデビューし、現在まで駆け抜けていく過程を数々の映像資料と、彼女たちのインタビューを中心に構成されています。

映画の構成は大きく2つに分かれていると思います。彼女たちがオーディション前からデビューまでの彼女たちを掘り下げるパート、デビュー後に現在に至るまでの出来事を振り返るパートです。

彼女たち5人は、出身や年齢はもちろん、乃木坂46に入る動機・経緯も全く異っています。1つの共通項を挙げるとすれば、自分がアイドルになるイメージを全く持たないままオーディションに合格したことです。しかしながら、結果的に様々な意味で行き場の無かった彼女たちにとって、アイドルが居場所になっていたことが明らかになっていきます。

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学校に行きたくない、東京で生活をしていきたい、上手く表現できない自分を出したい等、全く別の方向に視線も意識も向いている子たちが1つのグループに揃う。「AKB48の公式ライバルグループ」という確固たるテーマ性を掲げて結成されたことは、彼女たちには重要ではなかったと思います。アイドルであることが夢や希望の出発点というより、ある種の居場所として機能していたことに気付かされました。

〇 母親の視点

また、本編のナレーションは、彼女たちの母親の視点で語られます。正直、親子の関係を持ち込むことは見る前までは野暮であると感じていましたが、居場所としてのアイドルを考えていく上では大切な対比・視点であると思いました。

異なる居場所に身を置く娘たちのことを心配すると同時に、自分の手から離れていく彼女たちの存在を寂しく思うことが語られています。それが、娘の精神的な独立や成長であったり、子離れできない心境であったり、あるいは今後も見守っていく視線であったり。。

〇 「居場所」という視点から考える各メンバーの存在

もちろん、本編では5名以外にも数多くのメンバーが登場します。彼女たちのエピソードの多くもまた居場所という視点から語られると思いました。

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乃木坂のために通い慣れた学校に別れを告げた桜井さん、休業後にグループに加入した真夏さん、乃木坂に留まることを選択して女優としての道を切り開きつつある若月さん、同じく乃木坂に残ることを選択してグループで頑張る決意をした松村さん、さらに乃木坂以外に居場所を見つけつつある伊藤さんや斎藤さんの2人、そして最後に登場したあるメンバーの選択。

乃木坂という居場所に身を置くことで、どのような選択をしたのか、飛び出して何を見出そうとしているのか。中核となる5名の見方とは異なるアプローチで、居場所としての乃木坂の存在を問いかけているように思えました。

〇 終わりに:「DOCUMENTARY OF 乃木坂46」とは写真アルバムである

本作を通じて、彼女たちが紡いできた物語のはじまり、今まで語られなかった陰の側面が語られてきた。それと同時に、過去に多くを語られてこなかった個々のメンバーにフォーカスしてきたアプローチは新鮮でもあり、新しい発見を与えてくれたと思う。本作を通じて個々のメンバーはもちろん、グループを見る目も良い意味で変わってきたと思う。

彼女たちが世に出てきた1つ1つの楽曲やMVがファンにとって記録と記憶に残る写真のような存在であるならば、本作は写真を集めて1つのモノにするアルバムのような存在ではないだろうか。ファンが共有してきた物語を補完する意味でも一定の役割を果たしていたと思います。

最後に、西武ドームのDVDは出来るだけは速めにリリースしてください(切実)

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まなみのりさ4thワンマンLIVE in TOKYO 『MMRevolution まみりぼりゅーしょん』

◯ 激動の2015年上半期の集大成となるライブ

「110」という数字が開演前のVTRに登場しました。広島発のアイドルユニット・まなみのりさが前回のワンマンライブから今回までの約半年間(約170日間)で立ったステージ数です。平日も休日も関係無くステージに立ち続けてきた彼女たちが積み重ねてきた日々と人々の出会いが作り出した上半期の集大成のようなステージが、そこにありました。
 
1.3rdワンマンライブと『アイドルお宝くじ』

1月に開催された3rdワンマン『MMRe:start』は素晴らしいライブだった。ご当地アイドルとしては順調な足並みを続けてきた彼女たちが、更なる躍進を胸に東京に拠点を移したものの、大きな苦難と挫折を経験し、その中から這い上がって掴んだ小さな成功が年末の『アイドルお宝くじSP』優勝とワンマン完売であった。そうした彼女たちと応援するファンの情念が一体となって表現されていたライブだったと思います。


その後、SPで優勝を果たした『アイドルお宝くじ』本放送に出場。初回登場でキラーチューン『ポラリスab』で1位を獲得して勝ち抜けると、その後、同番組で最多連続出場(7月現在)となる12週勝ち抜きを果たすとともに、番組イベントのパーティーライブ出演や番組企画で実施されたCM出場権を獲得等、怒涛の快進撃を見せました。

この日のMCでもこの点には何度か触れられていましたが、番組を通じて彼女たちのライブに足を運ぶようになったファンも多くいたそうで、過去最大規模のライブを目指して奮闘していた彼女たちにとって、この上に無い援護射撃となっていたことがわかります。ステージと観客が作り出した大きな熱狂こそ、彼女たちが番組で挙げた大きな戦果であったと思います。

 

2.「踊らない」まなみのりさという武器を携えて

一方、この日のライブのアンコールでは、演奏メンバーを引き連れてアコースティックでの歌唱が披露されました。アンコールまでの流れで熱狂したライブのテンションにひと時の落ち着き、やすらぎを与えてくれていたと思います。

昨年から継続して実施してきたアコースティックライブも回数を重ね、これも非常に好評を博しているとのこと(私も2月に足を運ばせていただきましたが、本当に素敵な空間でした)。2月に見に行った時にも感じたことですが、自分たちの色を追及してスタートさせた企画を磨き続けたことで、彼女たちがもつ強力な武器として確立されたことを実感しました。

 

3、「逆襲のポラリス」という新チャプターへの期待

そして、ライブでも大きな注目を集めた新曲の公開オーディション。曲調もテーマも大きく異なる魅力的な6曲の中で選ばれたのはポラリスシリーズの新作『逆襲のポラリス』でした(もちろんシリーズお馴染みの「回る」も付いています)。

ダイレクトな曲名、積み重ねてきた努力とそれを知る人々のことを綴った歌詞といった部分に、まなみのりさの現在と未来への思いが伝わってくる内容であったことも評価を得たのではないでしょうか。この楽曲を引っ提げて迎える新チャプター、今年の夏の進撃も楽しみです。

 

以上です。まなみのりさを見ていると「アイドルとは終わり無き連続ドラマである」ということを改めて実感させられます。楽曲にしてもライブの空間にしても小さな一歩、一段をしっかりと積み重ねて作り上げているからだと思うからです。半年間で上がった110回のステージは彼女たちの110話のエピソード、連続テレビ小説や昼ドラもビックリの濃厚な物語が紡がれてきたのだと思います。それに共感し、共鳴した人たちが集まったライブはまさに特番だったのかもしれませんね。ワンマンも大成功に終わり、物語はココで一区切りなのか?
 
バカヤロウ、まだ始まってもいねぇよ』
 

まなみのりさAcoustic Live!! \バレンタインだョ!/全員集合 ~チョコ溶かして型に入れて冷やしてどうかな?~

■ 「踊らない」まなみのりさ

昨日は、まなみのりさのアコースティックライブを見てきました。彼女たちが普段のステージ上で展開する「歌って、踊って、回って」ライブとは真逆に近いアプローチとなるアコースティックライブということで、どのようなライブになるのか楽しみにしておりましたが、先日のワンマンライブとは違った意味で刺激的なライブでした。自分がライブを見て感じたことは以下のとおりです。

〇 「踊る」という文法を使わずに魅せること

 今般のグループアイドルにおいて、ダンスの存在は切っても切れない関係性にあると思います。例えば、ライブやPV上で映し出されるダンスは「個性」ないし「色」を表現する材料になっていることが考えられますし、ある種の名刺代わりの存在だと思います。また、段階に違いはあれど、アイドルのライブが「演者」と「観客」が一体となる観客参加型の形式を想定していることから、私は観客とのコミュニケーションを行う上でも重要な表現文法であるとも考えています。だからこそ、自分が考えてる以上に、踊らずにライブをすることは難しいことなのではないかと思いました。

 まなみのりさの「武器」

まなみのりさのライブと言えば、ポラリスシリーズに代表される観客との一体感が大きな特徴であるだけに、それを封じるかたちで展開するということは、メンバーの岡山みのりさんが仰っていましたが「挑戦」という位置づけなのだと感じました。しかし、今回のライブを通じて、彼女たちが磨き上げてきた特注の武器の存在に気付かされました。

それが、異なる音程の三声で作り出す「ハモリ」です。グループであり、一緒に活動してきた三人だからこそできる「歌声」という楽器を全面に押し出せるのが今回のようなアコースティックライブではないかと思います。

〇 ハモリDIYが生んだ『チョコレートディスコ』の新境地

今回のライブは、彼女たちの楽曲に加えて2曲のカバー曲を披露しました。この中で唸ったのが、Perfumeの大名曲『チョコレートディスコ』です(もう1曲は『バレンタイン・キッス』でした)。『チョコレートディスコ』自体は、同じ3人組ユニットながらも、ハモる曲ではないため、今回のライブに向けて、3人でハモリのバリエーションを考えて、「一番気持ちいい」(みのりさん談)内容で仕上げてきました。ハモリDIYと言ったところですが、大変素晴らしい仕上がりでした。

私見ではありますが、(ダンスコンテスト等を行ってきた実績はありながらも)Perfumeの楽曲は、あの3人だからこそ表現できる部分があるのではないかと感じていただけに、今回のような、アコースティックの楽器演奏+三声のハモリという真逆に近いアプローチは新鮮にも感じました。さらに言えば、Perfume楽曲の中でも『チョコレートディスコ』は特に伝言ゲーム的な要素の強い振付やダンスであるだけに、ダンスという文法を使わずに表現した今回のカバーは個人的には発見というか事件でした(笑)

〇 今一度、楽曲の内容に振り返る場としても

また、別の見方ですが、演者も観客が空間に響く音に集中する環境にあるからこそ、歌声を通じて伝えられる言葉の意味を振り返ることができるのではないかと思いました。ご挨拶の中で、メンバーの松前吏紗さんが、歌詞カードから楽曲に入るというお話をされていましたが、既存のファンも含めて、彼女たちの楽曲の内容を掘り下げる機会としても、こうしたアコースティックライブは良いのではないかと考えています。


一方、MCでもお話がございましたが、テレビ朝日の『アイドルお宝くじ』を契機に3人のことを知った方もいらっしゃるそうで、そうした新規層に対して「まなみのりさは、こういう楽曲を歌っています」といった入口としても機能するのではないかと思いました。少し敷居が高そうにも見えますが、いざ参加してみると、むしろスッと入っていける内容でもあっただけに。

 

以上です。特に今回で3度目となるアコースティックライブですが、現在のまなみのりさだからこそ出来る形式だと感じておりますし、彼女たちの魅力も存分に引き出しているライブではないかと思いました。今後とも継続してほしいと思います。

ひめキュンフルーツ缶「HimeKyun“DENGEKI”Tour 2015」(水戸LIGHT HOUSE)

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■ 激しく光る“DENGEKI”プリンセス

昨日は、ひめキュンのツアー参戦のために水戸までプチ遠征。サッカーを含めて秋ごろから遠征してなかったのでリハビリとしても丁度良かったです。今回のツアーは水戸公演が初参戦となりましたが、ひめキュンらしいセットリストに乗せて素晴らしいパフォーマンスだったと思います(セットリストは、下記の桜子リーダーの素敵なブログを要参照)。今回のライブで感じたことは以下の点です。


〇「点」を「線」で繋ぐ

ひめキュンのツアー参戦は4度目なのですが、毎度ながら構成が素晴らしいなぁと感じています。例えば、対バンやショーケースライブだと20~30分の必殺フルコース的な内容になるのですが、2時間ほどのツアーだと違ったアプローチが色々とできます。1曲ごとの「点」を「線」にするライブを作っている姿勢は、ずーっと続けているので、今回もアルバム引っさげてツアー入る時のワクワク感は半端なかったです。

さらに言えば、愛媛・東京・大阪でも定期公演を開催してる分だけに、ツアー仕様にまとめてくるには、ひと工夫必要のなのではないのかと思います。それを含めても、本当に練られていて「おおっ」と思わされる内容でした。個人的に熱かったのは、以下の2点。

  • 序盤:「クライムクラウン」⇒「GAME OVER」
  • 中盤:「浮世シグレ」⇒「REASON」

前の曲の余韻を残しつつ、次の曲へ途切れなく繋ぐかたちのなかで抜群の組合せではないかと。

あと、今更なのですが、ひめキュンの楽曲制作が変わらぬメンバーで継続性を持って取り組まれていることも、こうした組合せを構成する上でも、大きいのかもしれませんね。

〇 成長を続ける2015年モデルのひめキュン

これは私見ですが、ひめキュンの場合、恒例となる夏の長期遠征(藤岡弘、さん風に言えば修行の旅)を終えて、9月に開催されたバンドセットでのショートツアーや11月頃の東京定期でも感じましたが、パフォーマンスにキレと力強さが増したと思いました。

そこに今回のアルバムで新しい曲が入り、楽曲に厚みを加えてきました。また、夏に出た『パラダイム』で強調されてきた楽曲の中の「怒り」の感情表現が、今回のアルバム曲での「フラストレーション」等の多様な心理描写の表現にも生きてるのではないかと思いました。そうした部分にも夏からの積み重ねを感じました。



以上です。ひめキュンは、ワンマンツアーで全国を回り、対バンや各地の音楽フェスにも出ていき、新しい楽曲を加えていくというサイクルを継続しています。ファンとしても、このサイクルが続いてくれれば何よりも嬉しいですし、それが多くの人たちに伝わってくれる契機になると思います。

アイドルを構成する「物語」としては大きな起伏は発生しづらいかもしれませんが、「終わりなき旅」という別の魅力があることを改めて感じさせる私なりのツアー初日でした。