ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・FC東京-川崎フロンターレ

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昨日は、味の素スタジアムにて多摩川クラシコを観戦。

今回は、FC東京に移籍した嘉人さんを前面に押し出したプロモーションを展開する等、例年にも増して注目度の高い試合になりました。

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試合は、3-0でFC東京の勝利。試合を通じて感じたことは以下の点です。

 

1.“第1中継点”で感じた「手応え」と「課題」

鬼木新監督を率いる鬼木フロンターレは、中断までの4戦を終えて2勝1敗1分(勝ち点7)を獲得。2試合の海外アウェーを含むACLでの試合を並行して戦う中で、新たな要素を植え付けられたチームは試行錯誤を続けてきました。

今節の敗戦は非常に悔しいものではありますが、4試合を終えた結果・内容に関してはポジティブに捉えています。というのも、ブログの感想を通じて、繰り返して述べておりますが、鬼木監督の色というのが試合を重ねるごとに出てきており、手応えを感じているからです。

就任後から強調されてきた「ボールを奪う」アプローチは、前節・柏戦の阿部選手を1トップに据えた配置も功を奏し、試合を重ねるごとにハマってきました。昨日の試合でも、パスカット等の奪取からの速攻を仕掛けたこと、(ボールを奪えなくても)相手自陣にボールを下げる場面を度々作れたことから、相手が嫌がるプレーができるようになってきたと思います。また、従前より積み上げてきた技術を駆使する部分は、14日の広州恒大戦での奮闘を経て、自信を持って繋ぐことができたと思います。開幕当初は散見されたトラップミス等が目に見えて減少し、相手のプレスをいなしながら「出して、動く」を繰り返し、前に運ぶ場面を何度も作れていたと思います。当初より、鬼木監督は取捨選択ではなく両立を目指していただけに、新規・既存のディティールアップが進んでいることは良い歩みを進めていると思います。

 

一方、今節の敗戦を踏まえ、今そこにある課題も強く実感しました。特に、想像以上にチーム全体の運動量等を摩耗することが大きいことを痛感しました。相手からボールを奪っていくためには、前線から連動したプレスをかける必要があり、攻守にわたる献身的な走力、集中力が求められると思います。

文字通りの体力はもちろん、川崎らしい表現でいえば「頭の体力」を含めて疲弊度が大きいことは、今節の後半のプレーを見ても感じ取れました。それだけに、90分を通じたマネジメントはもちろん、落ち着いた試合運びをするためも優位に試合を進めることが大切であると一層感じました。

また、攻撃については、上記のとおり、アタッキングサードまでの運び方は改善が見られ、流動性のある動きが見られたと思いますが、肝心の決定機を作り出す部分、崩しの部分に関しては、工夫が必要ではないかと。FC東京のゴールを守るGK・林選手は、安定したセービングはもちろん、長身による高さの部分も大きな武器であると思います。相手の意表を突く攻撃はもちろん、人垣をかき分けて崩しきるためのアイディアを出していかねば、ネットを揺らすことはできません。タラレバとして取り上げるのであれば、序盤のセットプレーくらいだったと思いますので、この日の無得点は現在の川崎の攻撃力を示すものであると強く感じました。

2.ヤンフロに期待される黒パンツからの卒業

上記に関連した事項として、悠様が前線で封じ込まれた時の対応が急務であると感じました。前線でフィニッシュにまで持ち込める動き出し等が出来るのが現時点では悠様ぐらいであり、彼がチャンスメイクをした場合、あるいは相手の厳しいマークを受けた場合の打開策が見つけられていません。従来であれば、独特のリズムで飛び出し、驚異的なシュート精度で得点を奪ってきたエウシーニョ選手という個人戦術兵器を有しておりましたが、当面は現在のメンバーで戦わねばなりません。

例えば、ハイネル選手はリズム・視野の広さは良いのですが、精度や守備の部分は不安定なところ。一方、2年目の長谷川選手、3年目で13番を継承した三好選手といったヤングフロンターレの攻撃陣も限られた試合時間の中で結果が求められるところですが、結果次第ではレギュラー奪取の可能性もあります。若手の枠組みを突き破り、主力の座を虎視眈々と狙う活躍に期待したいところです。

 

以上です。土台となる基礎工事の部分では予想以上の仕上がりが見せた鬼木フロンターレではありますが、タレントが揃うチームに対しては力負けしてしまったことを踏まえると、さらなる成長が求められると思います。再開後の4月からの攻勢に向けて、応援を頑張っていきたいところです。

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観戦記:Bリーグ・川崎ブレイブサンダース - シーホース三河

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昨日は、とどろきアリーナ川崎ブレイブサンダースのホームゲームを観戦。

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昨年より実施してきたオーバーカンファレンスの交流戦も今節で終了。

終盤戦に向けた1つの区切りとなる相手は西地区で首位を走るシーホース三河さん。ラストを飾るには申し分のない「ラスボス登場」といったところでしょうか。

 

〇 川翔海馬閃

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試合は、序盤こそ拮抗した展開となりましたが、Bリーグトップのスリーポイント成功率を誇る三河さんがアウトサイドから得点を中心にリードを奪い、オンザコートのギャップ(川崎:1、三河:2)が生じた第2Qに至っては攻守に圧倒し、前半だけで18点差にまで広げられてしまいました。

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(攻守において抜群の存在感を示した三河比江島慎選手)

後半に巻き返しを図りたい川崎でしたが、三河さんの攻撃を最後まで止めることができませんでした。

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(攻撃において素晴らしいプレーを連発した桜木ジェイアール選手)

アウトサイドからのシュート精度も落ちることなく、インサイドでも多彩な攻撃パターンで切り崩されてしまい、終わってみれば27点差の完敗に終わりました。

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川崎の攻撃の大きな武器となるのが、得点王・ファジーカス選手を生かしたインサイドの攻撃であると考えておりますが、三河さんはこの点を的確に対処していたと思います。三河さんは、川崎自陣のビルドアップ時、あるいはリバウンド後の反転攻勢時、常にボール保持者に対して1人がプレッシャーをかけて、川崎の攻め上がりを遅らせるとともに、自陣での守備の整え、ジワジワと相手にプレッシャーをかけながら外に押し出すような守備を展開しておりました。

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(この日は得点を伸ばせなかったファジーカス選手)

以上の形としての基本対応に加えて、ファジーカス選手に対しては、アイザック・バッツ選手やギャビン・エドワーズ選手といったビッグマンが体を張った守備を徹底し、仕事をさせませんでした。今日のファジーカス選手は、相手の守備を明らかに嫌がっておりましたし、この日の得点数を見ても「抑え込まれた」という印象を強く受ける内容でした。

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川崎とすれば、得意の形が完全に封じ込まれただけに、攻撃アプローチの変化を与えたかったところ。その意味では、第4Qに見せた辻選手を中心とする攻撃の仕掛けは良かったと思います。まずは、GAME2の取組に期待したいところです。

〇「KAWASAKI HEART」をBEATできるか?

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この日の試合は「とどろきをRED HOTに」を合言葉にした積極的なプロモーションを実施し、横浜戦・A東京戦に匹敵する3000人近い動員を集めることができました。

また、先月末に決定したステイトメントコピー「KAWASAKI HEART」のビッグバナー、コートサイドも赤仕様にするなど、ハード面でも一段階引き上げてきた印象。今回の動員作戦を単発的なモノに終わらせず、今後の試合に繋げていくための推進力にもなればと思います。

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(応援リーダー・上々軍団さんの就任は非常に大きいと感じている)

クラブの中心部に「KAWASAKI HEART」を埋め込んだことで、次に求められるのは心臓に血液を送り込むこと、そして鼓動を起こしていくことだと思います。白熱した試合を展開する選手たちはもちろん、観戦者を含めた会場全体で盛り上がる雰囲気を作り出し、その熱を地域に波及させていくことが大事ではないかと。

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その意味では、この日の敗戦は大きな試練となりましたが、こうした時こそ「上を向いて歩こう」と思えるのかどうかだと思います。ここまでの成績面においては良い結果を残しているだけに、興行面でも上位を狙っていきたいところですし、当事者意識を持ちながら色々と考えていければと思います。

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以上です。初代王者を目指す川崎にとって、大きな壁があることを実感する試合でした。そういう意味でも、明日はもちろん今後も激闘を繰り広げる可能性があることを含めて、「強い」と感じた相手だからこそ「楽しみ」と感じました。まずは本日の試合での巻き返しを期待したいところ。GO! GO! サンダース‼

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観戦記:Bリーグ・川崎ブレイブサンダース - 京都ハンナリーズ

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昨日は、とどろきアリーナ川崎ブレイブサンダースのホームゲームを観戦。

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横須賀、平塚を舞台に激闘を繰り返してきたサンダースにとっては、今節は久々の等々力での試合となりました。

 

1.攻撃力のぶつかり合い

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地区を超えた交流戦も終盤戦を迎えた今節の相手は、交流戦においては各地区の上位チームを破る実績を持つ京都ハンナリーズ

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試合は、ハイペースに得点を積み上げる展開となりました。

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前半は、1Qにファジーカス選手、篠山選手等の得点で川崎がリードを広げたものの、2Qは京都さんに押し込まれて一時的に逆転を許すなど、前半残り2分までは両チームの「つばぜり合い」が続きました。

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どちらに転んでもおかしくはない試合展開の中で川崎に流れを引き寄せたのは、大黒柱・ファジーカス選手でした。インサイドを固める京都さんの守備を、文字通り「こじ開ける」難しい体勢からのシュート等で得点を重ね、前半終了にはブザービータースリーポイントを決めたことでリードを10点に広げられたのも大きかったです。

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後半は、川崎が突き放しながらも、京都の攻撃を止めきれずに追い上げを受ける展開。

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特に、3人の外国籍選手を中心とするインサイドからの得点を簡単に許すなど、点差はあったものの最後までケアできなかった印象。

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その意味では、2本のスリーポイントを含む12得点を奪う活躍(全体では18得点)を見せた藤井選手をはじめ、この日の川崎のシュート精度の高さで得点を積み上げることができたのが大きかったと思います。

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最終的には100点ゲームを達成し、激戦を経て連勝を伸ばすことができました。

2.地域への「深化」を目指す「KAWASAKI HEART」

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先月末、川崎ブレイブサンダースでは「KAWASAKI HEART」というステートメントコピーを発表しました。

当初より目標として掲げていた「Bリーグ初代王者に」をサブに置き、川崎市民と一体となったクラブを目指すビジョンを強く推し進める決意が込められたコピーは、昨日の試合でも前面に押し出されていました。

おそらくシーズンを重ねても継続して利用されるコピーだと思いますし、バスケットを通じて地域に貢献を果たし、地域に強く愛される存在になることを目指す強い思いを感じる、素晴らしい取組だと思います。クラブの強い思いを受け取り、川崎に暮らすスポーツファンとして応援していきたいと思います。

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交流戦のラストを飾る次節は、西地区首位を走る三河との試合。激戦必至のカードではありますが、熱きハートを胸にサンダースの頂点を目指す戦いをサポートできればと思います。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ ‐ 柏レイソル

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昨日は、等々力陸上競技場にて柏レイソル戦を観戦。

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前節・鳥栖戦は引き分けに終わり、本拠地・等々力では未勝利が続くフロンターレ。さらに、アジア最終予選に伴う中断前の3連戦の初戦でもありますので幸先の良いスタートを切りたいところ。

試合は、前半に2得点を奪った川崎が勝利。試合を通じて感じたことは以下の通りです。

 

1.鬼木ストロングスタイルは「負けない」サッカー

柏戦といえば、昨季の等々力で喫した大敗が記憶に新しいところ。ディエゴ・オリベイラ選手、クリスティアーノ選手、伊東純也選手といった、野球で言えば「一発がある」個の高い選手に対して、どのように対峙するのかが鍵であると考えておりました。

試合を振り返ると、上記の3選手・武富選手で形成する前線に対して、守備陣が粘り強く対応できていたと思います。特に、爆発的なスピードを持つ伊東選手と車屋選手・登里選手の左サイドの攻防は見応えのある内容でした。

また、サイドの局面に限らず、試合全般を通じて球際の強さや、選手間の正確なボール交換を通じてボールを保持し、動かすことができたと思います。柏さんの攻撃陣であれば一気にゴールまで持ちこめる縦の推進力があるだけに、各選手の高い集中力を見せてくれたと思いますし、観戦する側にも緊張感が伝わってくる試合展開でした(それだけにアディショナルタイムに発生した危ない場面は冷や汗もの)。

筆者は、今季の感想を通じて繰り返し述べているところですが、鬼木監督は様々な局面において「負けない」部分を強調していると思います。ピッチ上に起こりうる状況から自分たちが有利に働くような布陣を試みたり、局面での攻防を踏まえ、危機の芽を摘み取ろうとするために手を打つ姿勢は一貫していると思います。

飛躍した解釈かもしれませんが、球際の強さに代表されるように、守備面で粘り強い対応を求め続けていることも「負けない」部分の方向付けではないかと思います。従来のフロンターレにおいて、こうした戦い方は意識が高まった時期のみで長続きはしてきませんでしたが、鬼木監督は本気でスタイルの中に注入しようとしているのではないかと考えております。燃える闘魂ならぬ、負けぬ川崎への進化に期待したいところです。

2.攻守に機能した「シン・エイトマン」阿部選手

この日の試合では、阿部選手を1トップに置く布陣で試合に臨みました。阿部選手自身、大学時代以来のポジション(フロンターレでは耳慣れた運用)ということでしたが、攻守において良い部分を引き出せたと思います。

攻撃においては、鬼木監督が強調していた「前に行く」部分の意識付を率先して果たしていたと思いますし、真ん中でのプレーが増えたことで孤立する回数が減り、流れの中でボールに触れる回数も増えたのではないかと。

また、阿部選手を真ん中に置いたことで、悠様が右に入ることで、得意とする右から中央に入る動きを活かせる場面が増えてくると思いますので、個人的には継続して見たいと思いました。試合を重ねることで徐々にリズムに対する順応してきたこともありますが、攻撃の中で持ち味を発揮してきたことは今後に手応えを感じる内容であったと思います。

一方、守備に関しては、当初より武器とする運動量や粘り強い守備対応が光っていた阿部選手でしたが、最前線に入ったことでファーストディフェンダーとして先陣を切ることで、2列目に入る憲剛さんたちとのプレスの連動性を生むことができました。

特に、試合を大きく動かした2点目の場面は阿部選手の「しつこい」守備から生まれたもので、この位置での起用が最大限に活かされたかたちではないかと。

本人も含めて、まだまだ課題は多いと感じていると思いますが、徐々に等々力においても光を放ってきたと思います。ピッチで躍動する8番といえば小宮山選手(現・横浜FC)の存在のイメージが非常に強かったのですが、フロンターレの「シン・エイトマン」阿部選手の疾走を待ち望んでおります。

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(等々力では久々のワニナレイルカ)

以上です。連戦の初戦であったことはもちろん、ホームで勝てない状態が続くことは様々な意味でプレッシャーになると感じておりましたので大きな勝利だと思います。柏さん相手になると得点の奪い合いになる傾向であることを各所で煽られておりましたが、真逆の粘り強い戦い方で勝ちきれたことに安堵しております。厳しい試合は続きますが、今日のような戦い方を継続していければと考えております。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-サガン鳥栖

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日曜日は、等々力陸上競技場にて川崎フロンターレのホーム開幕戦を観戦。

難敵・サガン鳥栖を迎えた一戦は、1-1のドロー決着。試合を見て感じたことは以下のとおりです。

 

1.レッツ・ラ・マゼマゼ

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従来の攻撃スタイルと新たな取組のハイブリッドを目指す鬼木フロンターレ。今節で公式戦は4試合目となりましたが、粗さは感じながらも徐々に操作性が向上してきたという印象を受けました。

特に、ボールを奪うために相手保持者への圧力をかける姿勢を打ち出したことで、例年苦しむ鳥栖さんの圧力を受身になりすぎず、競り合うことが出来たと思います。私見ですが、先制点の場面は、自分たちが前にボールを奪いに行く部分が出ていたからこそ拾えたボールだと思います。

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同点に追いつかれた時間帯を含めて押し込まれた時間もありましたし、プレスの連動性・精度という部分は鳥栖さんの方が上なのは言うまでも無いですが、苦手としてきた相手との関係性に良い意味で変化をもたらす可能性を感じる試合になりました。

2.「シンプル」と「単調」は異なる

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また、攻撃においては、シーズン序盤であることを踏まえると「悪くはない」という印象は受けました。水原戦や大宮戦に比較すると、選手間のボールの受け渡しに係る意思疎通は出来ていましたが、悠様が試合後に述べていたとおり、相手にとって脅威を与えていた場面は少なかったと思います。

鳥栖さんの圧力のかけ方を見ていますと、保持者が持つサイドに人数をかけて寄せてくることがわかりましたので、(開幕戦・柏さんが対応していたように)サイドチェンジを有効に活用しながら、横幅を使って揺さぶれればと感じていました。実際、後半は中央突破だけではなく、サイドからの仕掛けが多くみられましたが、中央を固める相手の人垣を崩しきることが出来ませんでした。

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途中投入のハイネル選手を含めて、この日の前線の顔ぶれで「高さ」勝負することが厳しく、アプローチとしては捻りが欲しかったと思います。特に、従来の右サイドからの攻撃は、エウシーニョ選手の個人戦術で賄われていた部分が強かっただけに、今後も相手が素早い帰陣で中央の守備を固めてきた時に、どのように攻撃を仕掛けていくのかは課題として捉えられると思います。その点を踏まえると、ハイネル選手のパフォーマンスには手ごたえを感じただけに、得点に繋げられるような上積みができればと考えております。 

3.ピッチに向けて光らせる「鬼の目」

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また、印象に残った点は、賛否はあると思いますが、奈良選手の投入に代表されるように、勝ちに行く姿勢と同じくらい、絶対に負けない意識付けを行ってきたのはココまで見てきた鬼木監督の明確なスタンスだと思います。

たしかに、後半の川崎は攻勢を仕掛ける時間帯が長くなり、決定機を作れていましたが、鳥栖さんも田川選手の投入によって裏に抜け出す動きからゴール前に迫るなど危ない場面も少なくはなかったと思います。結果論ではありますが、その点の引き締めを図ったことは良かったと思います。

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また、三好選手の交代投入のタイミングは、もう少し早ければ、という印象はありましたが、連戦による疲労と現在までのパフォーマンスを考慮した時間幅という点も理解できました。

交代のタイミングについては、自軍のリズムだけでなく、相手との対応状況や時間帯を含めて判断したものが多いと感じており、自分たちにとってネガティブな部分に対して目をつぶらずに適切に対応すること、交代が持つメッセージを明確にしていくことを心がけているのではないかと思います。

今後も、ピッチ内に向けて「鬼の目」を光らせているだろう鬼木監督の采配については、今後も注視していければと考えています。

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以上です。連戦による難しい試合は続きますが、チームの歩みとしては前進できているという印象は受けております。トップとは言わず、上位集団から離されない位置をキープしながらチームの完成度を高めていければと思います。

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観戦記:Bリーグ・東京エクセレンス - 島根スサノオマジック

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昨日は、板橋区小豆沢体育館にてB2リーグ・東京エクセレンスさん(以下「東京EX」という)のホームゲームを観戦。

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(現在、B2リーグで最高勝率を誇る島根スサノオマジック

初めて見に行くクラブ・会場ということはもちろん、対戦相手がB2リーグ全体で最高勝率を誇る島根スサノオマジックさんということで、昇格戦線の動向が気になりだした時期としては気になる相手でもありました。

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試合は、島根がリードし、東京EXが追いかける展開。最終的な点差は開いたものの、突き放された東京EXが粘りを見せて何度も詰め寄るかたちとなりました。

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(試合を通じてボディコンタクトを含めて激しい試合展開であった)

スリーポイントやダンクという派手さもありましたが、突き放されても再度追いつかんとする東京EX、相手の勢いが高まってきても集中力を切らさなかった島根の双方の姿勢が、試合終了まで緊張感が途切れない好ゲームを作り上げたと思います。

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(終盤、フリースロー前に集中する島根・山本エドワード選手)

勝利した島根について、前半は攻守の切り替えの速さと外国籍選手のインサイドの強さが印象に残りましたが、後半はイーブンになった場面のボール奪取、攻守のリバウンドの強さ、終盤に突き放した外からの得点力の高さを強く感じました。

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東京エクセレンスはベンチを含めて非常に良い雰囲気を作っておりました)

また、満員に近い会場の雰囲気も好ゲームをアシストしたと思います。特に、平日夜にも関わらず、ビジターの島根ブースターも多く駆けつけたことには素直に驚きましたし、東京EXの応援も試合が進むごとに熱を帯びてきたことが肌感覚に伝わってきました。

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(応援に積極的に参加するマスコット見習い・テックス)

会場規模の大小はありますが、自分は満員の会場が生み出す熱狂というのは観戦の大きな魅力であり、試合を盛り上げる最高のスパイスになると考えております。予想をはるかに超える体験ができただけでも、足を運んでよかったと思います。

 

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また、試合後、熱気が冷めやらぬ雰囲気の中で発生した島根ブースターと東京EXブースターのエール交換も非常に良かったです。当たり前かもしれませんが、試合中は互いに熱く、試合後は互いを労うような文化を醸成していくことは大事だと思います。

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無駄な対立軸を押し出すのではなく、競技としての対戦を盛り上げていくことを突き詰めていくこと、そして対戦チームとブースターとともに会場を一緒に盛り上げていこうとする姿勢は非常に好感を覚えております。

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以上です。地域にある体育館でプロバスケの試合が見れる、という構図は興行面においても良し悪しあると考えておりますが、普及という観点では良いことだと思います。

多くの人の目に触れて、多くの人に関心を寄せてもらうためには、それなりの敷居の低さと観戦の魅力を伝えていくことだと考えています。

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この日の観戦は、そうした認識を再確認することができました。会社からは近いので、また機会を見て観戦に行ければと思います。

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観戦記:明治安田生命J1リーグ・大宮アルディージャ-川崎フロンターレ

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昨日は、NACK5スタジアム大宮にて大宮アルディージャとの明治安田生命J1リーグの開幕戦を観戦。

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ACL初戦を終えたものの、J開幕戦は毎年特別な心境。

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試合は、大宮さんの堅い守備と縦に早い攻撃の前に苦しみましたが0-2の白星発進。試合を終えて考えたことは、以下の通りです。

 

 1.鬼木監督に垣間見た「ストロングスタイル」

水原戦の感想でも書きましたが、鬼木フロンターレは現行システムを維持しながら、新規開発を組み込むというモデルであると考えています。現行・新規の割合の違いはありますが、2つの要素を同時に起動させている状態なので、昨年までと運用・操作性は変化していると考えております。

上記の前提に加えて、新加入選手との融合を模索する時期でもあり、例年以上に難しい試合になることは予想できました。また、大宮さんが整備された守備ブロックをピッチ上に展開しておりましたが、川崎にとって「良い時間帯」の割合は試合を通じて非常に短かったと思います。

ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第1節 vs.大宮アルディージャ | KAWASAKI FRONTALE

鬼木監督は、試合後のコメントにおいて「こういう長いシーズンを戦っていく上では色々な勝ち方があると思いますので、また新しい勝ち方ができたかなと思っています」と述べております。この日の監督の采配を見ると、自分たちだけでなく、相手の動きや時間帯を非常によく見て交代カードを切りながらチームを動かしていたと思います。

森本選手の投入は停滞気味の攻撃の変化を生むことでペースを取り戻すことができましたし、奈良選手の投入はネイツ選手を抑え込むストッパー役として機能することで失点を防ぐことに成功しました。理想とする展開や戦い方はありながらも、ピッチ上で発生する現象を観察したうえで適切な処置を講じて勝利を掴み取ろうとする意欲を強く感じました。

当方の深読みになりますが、風間前監督が勝利のために技術を駆使する「上手さ」を高いレベルで要求し続けたのに対して、鬼木監督はピッチ上の苦境・劣勢を乗り越えて勝ち切るための「強さ」を選手に求めていくのではないかと思いました。惜しくもタイトルを逃した昨季のチームが必要と感じたことであり、それを貪欲に求めていく姿勢は今後のチームにポジティブな変化をもたらすのではないかと考えております。

 2.伝承と運用

この日の試合では、昨季まで大宮さんに在籍していた家長選手に注目が集まっていました。ただし、家長選手とすれば納得のいくプレーが出来ていなかったと思います。中央の守備を固める相手に対してサイドに流れてしまい、相手にとって危険な存在になり切れなかったことはもとより、ボールを繋ごうとする意識が強く働きすぎてリズムに乗り切れない場面は多かったと思います。

もちろん、相手の圧力が強くかかる場所でのプレーが多い前線の選手が、川崎の独特の攻撃アプローチを体得するのは相当時間がかかるものと考えております。鬼木監督のカラーは見えてきたものの、土台となる攻撃的なサッカーは風間前監督が仕込んできたものだけに、改善に向けて今季の新加入選手たちに川崎のサッカーのメソッドを落とし込むことができるのかが課題になると強く感じました。 

一方、風間さんの言葉を借りれば「個人戦術の集団化」という考え方もあります。守備の組織力を高めることを軸に置きながら、攻撃に関しては「個」を押し出していく方向性に向けていくことも手ではないかと。現在のチーム最も個人戦術化できる資質をもった選手であると考えておりますので、運用面における変化という点も視野に入ってくるかもしれません。

以上です。苦しみながらも一歩前進。技術を駆使して観客を魅了するサッカーとともに、昨季の中で培ってきた粘り強さを高いレベルで表現できるようになれば国内外の激戦を力強く戦えるようになると考えております。厳しい試合が続くと思いますが、しっかり応援を続けていきたいと思います。

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