ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-FC東京

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2月23日、等々力で明治安田生命J1リーグ開幕戦を観戦。

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(1年間闘った昨年のユニから新しいユニへの引継ぎ)

何年サポーターを続けても、新たな戦を迎える前の独特の高揚感は代えがたいもの。

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(両クラブのマスコットも平成生まれである)

しかも、「平成最後の多摩川クラシコ」と言う記念すべき一戦。多摩川J1リーグの覇権をかけた熱き戦いに燃えないわけがない。滾る(中邑真輔風)

試合は、両クラブともに決定機は作ったもののゴールネットを揺らすことができずスコアレスドロー決着。観戦を通じて感じたことは以下の点です。

〇 長谷川トーキョー「ファストブレイク」の脅威

開幕戦の相手となったFC東京さんは、長谷川健太監督2年目。今季の移籍市場に関しては、最終盤にグレミオからジャエル選手獲得はありましたが、例年になく静かな動きでありましたが、現有戦力はリーグ屈指のタレントを誇っておりますので、個人的にタイトルを争う強敵として捉えております。

昨季からの戦術面の継続と洗練化を打ち出し、キックオフ直後からの東京イレブンのコンディションの良さを見て「難しい試合になりそうだ」と感じておりましたが、案の定、前半は東京さんのアグレッシブな攻守の前に苦しめられる展開となりました。

-「ファストブレイク」とは何か?

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長谷川監督は、自身のチームが目指す攻撃に関して「ファストブレイク」という言葉を用いています。ファストブレイクとは、バスケットボールのオフェンス戦術で使われる表現です。具体的には、自軍がボールを保持した場面で相手ディフェンスが戻り切る前に素早く展開し、高確率のシュートを打つことができるエリアへ進めて得点を狙うかたちです。

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バスケにおけるアーリーオフェンス=速攻といえば、バスケマンガの金字塔『スラムダンク』に登場した豊玉高校の「ラン&ガン」などはありますが、「ファストブレイク」の場合は自陣でのディフェンスが同じくらい重要となります。

Bリーグでは、天皇杯三連覇を成し遂げた千葉ジェッツふなばしがファストブレイクによるオフェンスを得意としております。

ゴール前の粘り強い守備から、日本代表・冨樫選手を中心とする超高速のトランジションオフェンスはリーグ屈指の攻撃力を誇ります。千葉を止めるためには、彼らを走らせないための好守のアプローチを駆使しなければなりません。

-ファストブレイクを進化させる久保選手の存在

先日放送された『Jリーグタイム』において、長谷川監督は「昨年以上に攻守の切替、特に攻撃の部分は力を入れる」と話されておりました。運動量を駆使した攻守の切替は一定以上の浸透した点は誰もが納得するところですが、ディエゴ選手の不調などがあった後半戦は、得点力不足に陥ったことも踏まえた発言だと思います。

やはり、開幕直前に加入したジャエル選手の期待は大きいものと考えられますが、自分はこの試合で大きなインパクトを残した久保建英選手がファストブレイクを進化させる可能性を秘めているのではないかと考えました。

SHで先発出場した久保選手は、狭いスペースを縫うように突破する技術の高さを見せただけでなく、車屋先生とサイドで激しい攻防を見せる等、長谷川監督の起用も納得できる強度を見せておりました。

ディエゴ選手の個の突破力、永井選手のスピードを活かした東京さんのファストブレイクに対し、川崎も谷口・奈良の両CBを中心とする厳しいチェックで何とか対応することできましたが、サイド、さらには局面の数的不利の状態から決定機を作り出せる久保選手にボールを預ける選択肢が選択できるようになれば、より怖い攻撃が生み出せるかもしれません。そうした大いなる可能性を強く感じさせられる輝きだったと思います。

〇 どう使う?使われるのか?を模索する川崎

東京さんのGK・林選手の好セーブがあったとはいえ、無得点に終わった川崎。ゼロックス杯で見せた高パフォーマンスからサポの期待値は高かったと思いますが、規律ある守備を実践する東京さんの前に前半から苦戦しました。

注目のレアンドロ・ダミアン選手のところにはボールがなかなか入らず、ポストプレーもファウルになるなど、上手くボールが集まりませんでした。川崎で言うところの「外す」動きが無いことも大きいと思いますが、上手く彼をゴールに向けた出口にできるようなマッピングを進めていかなければと強く感じる内容でした。

-右サイドからどう攻撃を生み出すか

ダミアン選手を活かすためにも、右SHで出場した悠様の存在が良いフォロー役としても期待していましたが、ボールを受けてから攻撃に転じようとしたところを奪われ、ファストブレイクの起点とさせる等、難しい時間帯もありました。

しかしながら、馬渡選手が入ったことで右の攻撃が活性化します。先発したマギーニョ選手がスピードを活かした突破力が持ち味であるのに対し、馬渡選手はボールを扱う技術の高さと判断を下せる部分が武器になると思います。

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59分に見せた馬渡選手のロングパスからの悠様の反転シュートなどは、非常に良いかたちとなりました。悠様も1トップとは異なる動き方、連動性を模索しているところではありますが、その片鱗を見せた後半の攻撃だったと思います。

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以上です。終両クラブとも終盤バタつきましたが、開幕戦とは思えないほどプレー強度の高い試合を見ることができました。

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ゼロックス杯までの心地よい眠りから叩き起こされ、現実に引き戻されたような緊張感は辛いけど、やはり楽しい。サポとしての1年がまた始まるのだと実感しながらも帰路につきました。今年もよろしくお願いします。

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