ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記・ACL:川崎フロンターレ−貴州人和


□ 東アジアを突破せよ
昨日は等々力でACLのグループステージ初戦を見てきました。4年ぶりのACLということもそうですが、今季初の公式戦ということもあり、結果はもちろん、今後にも繋がる、チームの仕上がり状態なども気になるところ。試合は、レナトのFKのゴールが決勝点となり、何とか勝利。短期決戦のグループリーグだけに、ホームで勝ち点3をしっかりと手にしたことは大きいですね。雑感ですが、試合を見ていて感じたことは以下の3点です。

○ 追い風となったシチュエーション
冷静に考えると、この試合は非常に恵まれた状況で迎えられたものと考えています。1つは、ホームで初戦を迎えたこと。特に、雪の影響で最終調整が滞ってしまったこともあり、その間を埋めるための練習試合を含めて、直前まで川崎で練習できたことと、ベストメンバーで臨んだ初の公式戦を等々力でできたことも大きいです。
次に、対戦相手が編成に苦しんでいたことで、比較的落ち着いて試合に入れたことです。戦前より主力として名の上がっていた選手が欠場し、エース格のミシモヴィッチも負傷で途中交代を余儀無くされるなど、攻撃面では苦しんだのではないかと。大きなピンチは前半のロングボールをパウリーニョが自陣にそらした場面と終盤にファウルからのセットプレー2つ、それ以外の攻撃は概ね対処できていたのではないかと。

◯ 大島・パウリーニョによるボランチコンビ
この試合の注目ポイントでもあったのはボランチ。この試合では、今季に入ってボランチで起用されている大島君と新加入のパウリーニョがスタメンとしてチョイスされました。試合を見ていて、個人的にはまずまずの内容であったと思います。
良かった部分。大島君は、今日のメンバーで初の公式戦となるので選手間の距離の繋ぎ、調整役に効いてくれたこと。ボールを出す選手に寄り添い、受けて、出すという役割を果たしてくれたと思います。また、パウリーニョは期待通り中盤を狩場として、ボールハンターになってくれました。ボールを奪われず、時には前に運ぶなど失わないタフさが光りました。
課題となる部分。大島君の場合は強く当たられると厳しい部分をどう掻い潜るか、パウリーニョは判断スピードの部分を今後速くしていけるかが鍵ですね。さらに、両者に共通するのは彼らがキープしたボールを、どのように前線に出していくのか。特に、嘉人さんとの意思疎通が良好になってくると、得点の匂いが増すのではないかと思いました。

◯ ベースがあるからこそ、中身にこだわりたい
最後に、初戦とはいえ、欲を言えば2点取りたかった相手ではあります。もちろん後半は疲れもあり、スローダウンしていたところはあったと思うんですが、ゴール前での選択なり、密集状態のボールの出し方や受け方といったところで、「もったいないランド」だったので、連戦のなかで研ぎ澄ませていってほしいところ。攻撃にしても、守備にしても、2年かけて構築したベースがしっかりとできている手ごたえを感じているだけに、意識を含め、もっともっと良い状態に運んでほしいです。

以上です。技術を土台に攻撃のスピード感と守備の粘り強さが上積んだ昨季ですが、対アジア戦線を乗り切るべく、強さと高さを加えた仕様の片鱗は見えつつあります。その鍵を握る一人でもあるパウリーニョが持ち味を出したのは、一歩前進です。シーズンが終わるまでに、個人とチームが、どこまで強くなれるか、楽しみです。