ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

アフターレポ:1・23『NANA MIZUKI LIVE FEVER 2009』


(3年前は土:奈々→日:ノアという意味解らない連戦だった、しかも試験前日)


■ 達成→変化→骨太
筆者は、水樹奈々さんの武道館は3度目なのだが(友人や先輩方の尽力)
その3度共に参加して、明らかに異なった印象を受けたのを覚えている。


1度目はやはり声優単独としては、2人目となる日本武道館進出の「達成感」。
筆者は同じ夢を飯塚雅弓で達成できなかったこともあり、本人ほどではないが、
長く応援しているジャンルの到達点に、こみあげる何かを感じたのを覚えている。
そして、当時のパフォーマンスの全てをぶつけた演出・内容だった。


2度目は2年連続の武道館進出、ここに自分が感じたのは「変化」であった。
05年の夏ツアーまでのライブ演出・構成とこの武道館は一線を画していた。
それは、曲間のパフォーマンスやアトラクションが減り、シンプルだが、まさに
アーティスティックな内容で勝負してきたこと。私は、この純アーティスト路線を
07年の「LIVE MUSEUM」の最長ライブまでは貫かれることになったと考える。


そして、今回の武道館は、筆者がここ何度かの曲の感想に使う「骨太」の印象。
当たり前だが、奈々さんの骨格やカルシウムがどうこうというわけではない(笑)


07、08の2年間で会場規模としては「行くところまで行った」という印象が強かった。
CDセールスもオリコンでは平均して上位に位置するようになり、個人の努力もあってか
ファン数も緩やかに増加傾向。積み重ねてきたものが「成熟」してきたといえるだろう。


今回のライブも曲のレパートリーの幅広さ、シンプルな演出で魅せてきた意味では、
ライブとしての熟成度の高さを伺わせた。ただ、新たなライブでのコア曲の模索だとか、
新曲『深愛』の楽曲にしてもそうだが、伸びしろも感じさせる内容という印象も残った。


芯がしっかりとした内容を見せてくれているという意味では「骨太」な内容だったし、
これまでの成長と今後への期待を魅せた「骨太の方針」が提示されたのではないか。
贅沢な願いだが、貪欲にさらに上を目指してほしいものである。でも、上って何だ?


文・写真:Y.Ishii