ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

水樹奈々『深愛』

深愛


■ しかと聞け、これが歌姫様の力だ!!(田中ケロアナの口上風)
日本武道館3連戦直前の発売。私も何とか初日のチケットを確保できた(先輩に感謝)。
私見だが、昨年の2枚の構成も、どれも奈々さんの引き出しの多さを印象が強かった。
本作も3曲ともアプローチが違う楽曲なので、そんな姿勢を継続した形といえそうだ。


本作の評価については、表題曲の『深愛』だけでも揺るぎないものになるだろう。
もう、ストリングス(アルファ奏者の上松さんも)の畳みかけるようなサウンドと
奈々さんの透き通るボーカルの融合が素敵すぎて、1曲通して聴いて鳥肌ものでした。
他の人の評価も聞かず、私は親指立てて「新たな名曲誕生」と叫んでしまいました(笑)


深愛』の作詞も奈々さんが担当。最新のインタビューやコメントなどを聞いてみると、
二方向のアプローチが浮かび上がった。せっかくなので、取り上げたいと思う。


ひとつは『WHITE ALBUM』だ。奈々さんのコメントによると、この曲の作詞をするに
あたり、作品の脚本を一通り目を通したとか。そこから、森川由綺の好きな人に
会えない「もどかしさ」を表現した
*1とか。結果、世界観にピッタリな内容に。
 

もう一つは、文字どおり「深い愛情」だ。筆者はインタビューで初めて知ったのだが、
昨年のコマ劇公演の直後に、10年間の闘病生活を続けていた父親が亡くなったという。
その際に、彼女はファンをはじめとした多くの人々の励ましをもらい、愛情を感じたとか。
そうした周囲への感謝の思いを詞に込めたらしい*2。詞の重さを感じる話だった。


今年も歌とともに邁進する奈々さんだが、足取りはしっかりとしたものになりそうだ。
筆者はライブ等に足を運びつつ、今年1年のさらなる飛躍とご活躍を期待しております。


文:Y.Ishii

*1:TOKYO FM『GOLD RUSH 水樹奈々のMの世界』1月7日放送分より

*2:「歌にもはじける行動派 武道館で23日から3日連続公演する声優・歌手 水樹奈々朝日新聞1月16日夕刊より