ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【短期連載】2007年総括:プロレス観戦編

■ NOAH:5 新日本:2 IGF;2 ハッスル:1 K-DOJO:1 無我:1 DDT:1
合計13大会観戦、1か月に約1大会は観戦したという計算になるだろうか。
総観戦数は、記録更新となりました。後楽園ホールからが近くなったのは大きい。


前々から「様々な団体を見よう」と思い、今年は初観戦の団体を増やしていった。
来年は川崎でも頻繁に大会を開催してるバト系団体や大日本に挑戦したいかなぁ。
あと、女子プロレスにも再チャレンジ…。会場の雰囲気が苦手なんだけれどもね。


■ 私見:“MCA”(Mixed Culture Arts)『ハッスル』と“純プロ”NOAHで競え
下記にも書きますが、私の今年の最優秀興業は『ハッスル・マニア2007』です。
現体制に移行した『ハッスル』の積極的なアプローチによって認知度は高まった。
実際、現在はレギュラー放送も好調、今年の大晦日には『ハッスル祭り』も決定。
専門誌等は今更「これがプロレスなのか?」*1などと疑問、反発めいた意見もある。


大晦日が近づき、新聞のスポーツ欄でも『ハッスル』を取り扱った記事をよく見る。
その中で自分が気になったのは、運営会社の山口日昇(のぼる)社長のコメントの

「プロレスには格闘技とエンターテインメント性が同居していたが、
格闘技の要素はK―1などに持っていかれた。だからこそ
ハッスルでは真剣にファンタジーをつくりたい」
*2

という部分。プロレスの表現力の潜在性にとことん挑んでいる姿勢が伺える。
その世界観の構築のために表現者としてタレント、元アスリートを加えている。
他ジャンルのスペシャリストとレスラーを絡めることで見たことのない風景を描く。


だから、私は『ハッスル』は『異種格闘技戦』ならぬ『異文化交流戦』だと思っている。
70年代の猪木の格闘技の匂いのするプロレスも柔道家、空手家との対戦で生まれた。
同じように、ハッスルの幻想と現実が入り交じるリングの風景も化学反応が必用なのだ。


しかし、全てのプロレスがハッスル的なモノを追求してもいけないとも思うのだ。
異種格闘技戦の猪木プロレスに対して、馬場プロレスは古き良きプロレスを、
UWFの格闘プロレスに対して、全日プロは鶴龍対決でコテコテのプロレスを展開。
すると、異文化交流プロレスの対極には、純プロレスとも言われたNOAHではないか?


プロレスの砦・守護者とまで言われたノアは、良くも悪くも変わらぬスタイルを貫く。
あの素晴らしかった『ハッスル・マニア』の翌週、小橋復帰戦がプロレス界を震撼。
アングルも仕掛けもない、一人のレスラーの決死の復帰戦が人々に感動を与えたのだ。


初期ハッスルの対極は新日本だったが、しかし現在のハッスルの対岸にはノアがある。
世間に発信する新プロレスか、プロレスの姿を守り続ける純プロレスか、これは面白い。
保守と革新、真逆の価値観を持つ二団体が競い合うことを密かに願っている…。


■ 私的ベスト3:永田裕志 VS 鈴木みのる三冠ヘビー級選手権試合)
ドーム大会で青義にしてミスターIWGP・永田さんが三冠選手権に挑戦した一戦。
今年の永田さんの躍進?を予感させる好勝負、伝説のキラー永田が牙をむいたり。
笑っちゃいけないんだろうけど、テレビでまた笑ってしまった(敬礼しながら)



■ 私的ベスト2海川ひとみ・サスケ VS 島田二等兵ジャイアント・バボ
神展開が連発の『ハッスル・マニア』だったのだが、自分が好きだったのはこの試合。
1年前のデビュー戦でボコボコにされた海川が試練を乗り越えて望んだ、決意の一戦。
私も少しずつ見入るようになり、場外ダイブから空気が変わり、バックドロップに歓声。
最後のアンクルロックは拍手喝采でした、こうドンドン盛り上がっていく展開は好き。



■ 私的ベスト1:小橋建太高山善廣 VS 秋山準三沢光晴
プロレス見て、あれだけ涙して、声を上げた試合はない。今年の年間ベストバウト。
来年も少しずつでいいので、元気な小橋選手の試合が見れれば嬉しいですね。

*1:『週プロ』では試合採点システムを敢えて使わないなど、別枠として扱う姿勢を見せた

*2:朝日新聞(夕刊):12月25日より