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ボンクラライフ

WWE:『レガシー・オブ・AWA』

WWE レガシー・オブ・AWA [DVD]


■ 知られざるバーン・ガニア帝国の興隆
1970年代から80年代にかけて米国マット界の一大勢力であったAWA
国際プロレス全日本プロレスで活躍したAWAのレスラーは日本でもお馴染み。
そんなAWAという団体の知られざる繁栄と凋落の日々を描いたのがこの作品だ。


この団体を作り、そして10年近く王座に君臨したのがバーン・ガニア
広大なテリトリーを持っていたNWAを脱退してミネアポリスを拠点に旗揚げ。
NWAヘビー級王座になれなかったガニアは自らをAWA世界王者として君臨する。


アマレスを極めた彼は、ショープロレスと一線を画すスタイルを展開する。
ガニアの試合はアメプロでは珍しい「レスリングの匂いのするプロレス」だ。
非常に高度な技術による試合運び、ビル・ロビンソンなどの相手にも恵まれた。


他にも、TV放送とプロモーションを積極利用したのがAWAが最初だとか。
当たり前と言われた当時の過酷な巡業日程を限定し、大会場中心とした興業。
こうしてガニア帝国は繁栄を極め、テリトリーも順調に拡大していったようだ。


しかし、WWFの実権を握ったビンスの全米侵攻の前に次第に力を失う。
特にハルク・ホーガンの離脱以降の看板・中心選手が次々と離脱していった。
団体は根底からひっくり返され、存続さえ危ぶまれたがガニアは諦めなかった。


積極的なPPVや新興業システムで最後まで抵抗を続け、90年代初頭まで戦った。
それでも最後は担保の土地を没収されて破綻する。そんなガニア、WWE殿堂入り。
我々が見ている現在のアメプロも、AWAの遺産があってこそなのかもしれない…。