2月5日、駒沢陸上競技場でNTTジャパンラグビーリーグワン(リーグワン)観戦。
この日の駒沢は、東芝ブレイブルーパス東京(BL東京)のホームゲーム。何度も足を運んでる競技場であるが、赤色に染まるのが新鮮に映った。対戦相手の静岡ブルーレヴズの青色とのコントラストもまた良かった。
1.東京BLから垣間見たアタッキングラグビー志向
試合は、序盤から攻勢を見せたBL東京が快勝。試合序盤の立ち上がりの場面で、東京BLが10分間で3トライを奪うことに成功したのが非常に大きかった。
他チームに比べると試合数を順調に消化を続けている東京BL、数試合が中止となった静岡の試合勘や仕上がりの部分にも差があったと思うが、両チームの攻撃と守備の噛み合わせの部分に優位性が生まれたように見えた。
(前半4分。パスが15番・松永選手に渡り突破。追加点のトライの起点となる)
東京BLのアタックは、ショートパスを繋ぎ、相手の守備を剥がした後に一気に前進するアプローチを見せる。これに対して個人のタックルで攻撃を止めようとする静岡の守備が機能せず、ボール保持者の独走を許すかたちが前半は多かったと思う。距離の詰め方、あるいは東京BLのプレースピードに対応する前に失点を重ねてしまったのが静岡には痛かったと思う。
(73分。オフロードパスが繋がりトライ。後半も東京BLは攻撃の手を緩めなかった)
筆者の印象として、BL東京=東芝は堅い守備のイメージが強い。しかしながら、今季2試合を現地観戦した印象としては強い攻撃志向が垣間見えた。この日展開したようなボール保持しして攻撃の時間帯を長く作り、要所を守備で抑える展開に持ち込むのが理想と言えるだろう。オフロードパスを多用するところに相違はあるが、エディー・ジョーンズHC時代の日本代表に通じる部分はあるかも。
(80分。インターセプトから奥村選手が一気に駆け上がりトライ獲得)
一方、静岡は終盤に2トライを見せるなど意地は見せたが、課題は残る試合になったと思う。ボールを早く動かす相手を止めるディフェンスをこなすのはタックル成功率、守備時の連動性を高める必要があるだろう。これまでのチームとしての実績はもちろん、今季もクワッガ・スミス選手のように奪いきれる選手もいるだけに、この試合を踏まえた今後の戦い方に注目したいところだ。
2.観戦を盛り上げるリアルタイム解説の可能性
【お知らせ】
— 東芝ブレイブルーパス東京 (@bravelupus1048) February 2, 2022
2/5(土)のホストゲームは #大野均 アンバサダーの生解説を聞きながら試合観戦ができます🎧✨
今回のゲストはOBの #大島脩平 さん。リアルタイムスポーツ実況アプリ #GayaR を使ってお届け。初観戦でも楽しめるようにわかりやすくポイントを解説いたします!https://t.co/9zGSXodONV pic.twitter.com/Dcah8Wcizf
この日、BL東京ではスポーツ実況アプリ『GayaR』を利用したリアルタイム生解説を実施した。筆者もアプリをダウンロードし、聞きながら試合観戦していたが音声が途切れる場面は少々あったものの面白い話を聞くことができた。
元々、ラグビーファンの間では秩父宮ラグビー場内で放送される秩父宮FMのようにリアルタイム解説を聞きながら観戦するスタイルは実施されていた。場内のペナルティ説明もそうだが、複雑なルールを手助けとなる仕組みがあるのは観戦ハードルを下げる意味でも有効な手立てだと思う。
(特設ブース?でリアルタイム解説を行う大野さん・大島さん)
また、この日の解説はアンバサダーを務める大野均さん、東芝ブレイブルーパスOBの大島脩平さんの2人とあって、現役時代の感覚・経験値を伝えることでプレーのディティールを詳しく知ることができた。
大島さんの説明は要点を伝えながらもトークを回し、時には仲間たちと一緒に戦っている感覚も伝わってきた。ホームゲームならではの魅力だろう。こうした取組は他競技を含めて進んでいくところだが、審判無線の音声も聞けるようににする等、リーグレベルで進むと面白いかもしれない。
感染拡大もあり、まだまだ観客動員には厳しい状況であるが、試行錯誤を続けながらグラウンド内外で盛り上げようとする姿勢は伝わってくる。自分も可能な範囲で足を運んでいこうと思う。頑張ろう、ジャパンラグビー。