ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

【観戦記】アメリカンフットボール日本選手権 プルデンシャル生命杯 第75回ライスボウル

f:id:y141:20220104080832j:image

あけましておめでとうございます。近年はサボり気味だったので、今年は現場主義の姿勢を観戦記を中心にブログ更新を増やればと(汗)

f:id:y141:20220104080858j:image

ということで、本年最初の記事として東京ドームで開催されたアメリカンフットボール日本一を決めるライスボウルの観戦記を書くこととしたい。

1.「対抗戦」から「頂上決戦」へ

f:id:y141:20220104081118j:image

75回目を迎える歴史あるライスボウルであるが、今大会から大会フォーマットの歴史的変更が行われた。具体的には、第37回大会(1984年)から行われてきた「社会人代表対学生代表」を「Xリーグ王座決定権」に変更し、パナソニックインパルス富士通フロンティアーズによる社会人チーム同士の対戦となった。

近年の大会では、外国籍選手をメンバーに加えた社会人代表が学生代表を圧倒する状況が続いており、フォーマット変更に関する意見が述べられるのが通例となっていた。

f:id:y141:20220104081206j:image

このため、Xリーグ王座決定戦として開催されていた「ジャパンエクスボウル」が自然消滅したものの、認知度のある同大会で国内最高峰の試合を見せるかたちになったことについて好意的に解釈している。

2.新時代を予感させる好ゲーム

f:id:y141:20220104081246j:image

X1 SUPER(リーグ戦)1・2位の対戦となった今年の大会は、例年とは違った緊張感のある攻防が展開されたと思う。

f:id:y141:20220103172139j:plain

パナソニックは、QBのアンソニー・ロウレンスが繰り出す鋭いパス、RBのミッチェルビクター・ジャモ―のタフな突破を中心とした攻撃は激戦を彩った。

f:id:y141:20220103174130j:plain

対する富士通は、QB・高木翼選手が長短のパスを駆使して攻撃を牽引。特に、2Qに見せた高木選手のロングパスをキャッチしたWR・高木選手のビッグプレーは会場を大きく沸かせた。

f:id:y141:20220104081345j:plain

試合全般を通じて、パナソニックのデザインされたTD後の2点コンバージョン、富士通のRBのニクソン・トラショーン選手がロングゲインや4thダウンのギャンブル成功等、接戦の中でアメフトならではの駆け引きやプレーが多く見ることができた。

f:id:y141:20220104081518j:plain

ディティールだけでなく、終盤に富士通を追いかけるパナソニックのオフェンスと、それを跳ね返す富士通ディフェンス陣の攻防も見応えのあるものだった。

f:id:y141:20220103194012j:plain

パナソニックの攻撃をしのぎ、リードを死守した富士通が勝利。ライスボウルの新時代到来を感じさせる好ゲームとなった。

3.社会人アスリートの「祭典」として

f:id:y141:20220103181659j:plain

アメフトに関しては完全に素人な筆者であるが、シンプルに面白い試合だった。コロナ禍において参加会社による大規模動員も難しくなったことを考えると、認知度のある同大会において国内最高峰のハイレベルな試合を見せることで競技の魅力をアピールするというショーケース要素を押し出すのも良いかもしれない。

また、150名のXリーグチアオールスターによるハーフタイムショーも素晴らしいプログラムだった。アメフトの応援には欠かせないチアの方々にとっても、応援とは違った大舞台として認知されれば、大会の価値も一層高まるものだろう。

f:id:y141:20220103200207j:plain

私見であるが、本大会の新フォーマットを踏まえて、ライスボウル=社会人アスリートの祭典として価値を高めていってほしいと考えている。社業と競技の二刀流で研鑽を積むアスリートが輝く場所を創出していくことは、本業とは異なるかたちで会社の存在をアピールするという旧来的な価値観だけでなく、競技やアスリートを続ける人たちの目標となり、競技人気・人口にも寄与することができると考えているからだ。

ポスト五輪の動きとして高まっているプロ化の流れは、脱企業スポーツの動きでもあり、独立性を確保する意味では理想的とも言える。しかし、野球の独立リーグや女子プロ野球の現場、あるいは現在動員にも伸び悩むWEリーグなどを見ると、プロ化がバラ色の未来を約束するものとは言い切れない。

f:id:y141:20220103200333j:plain

正直、日本国内でアメフトをプロ化しようとすれば、独立採算で運営コスト等を賄うのは厳しいだろう。ネガティブな表現で用いられることもあるが、トップレベルのアスリートの受け皿として機能してきた企業スポーツの存在は日本特有の強みとも言える。

もちろん、大企業を含めて日本企業も余裕がなく、新興企業はビジネス要素が無いものに投資する余地はない。企業スポーツの持続可能な発展を目指すため、協会・参加企業・競技者が協力して作り上げていく新しいモデルを模索してほしいと思う。ライスボウルで見た風景には、その可能性を感じた。

にほんブログ村 その他スポーツブログへ
にほんブログ村