ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:Jリーグプレシーズンマッチ・京都サンガF.C.-セレッソ大阪

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2月9日、横浜を拠点に活動するアイドルユニット・nuance(ヌュアンス)の対バンライブと日程が上手く被ったこともあり、京都府亀岡市に建てられたサンガスタジアムby KYOCERA(以下「サンガスタジアム」と呼ぶ)のこけら落としに足を運ぶ。

麒麟ではなく吹雪がきた件

朝、宿泊先を出ると、普通に雪が降っていて驚く。「聞いてないよぉ(多分)」と心の中で叫びながら、電車を乗り継ぎ、スタジアムがある亀岡駅へ。車窓から見えてくるスタジアムに乗客の視線は釘付け状態。目新しいスタジアムへの期待感が車両内に充満していた。

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下車すると目の前にスタジアムがあるという光景は、鳥栖駅⇒駅前不動産スタジアム、というよりも、西武球場前駅メットライフドームに感覚が近い。これ以上にない、抜群のロケーションに、小さな感動を覚えたJサポは少なくないだろう。

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(入場待機中に再び雪が降りだす)

筆者は、キックオフ4時間前に到着したものの、空き地には既に入場を待つ大行列ができていた。入場導線は試行段階であるだろうが、相当な距離を歩いた。私見ではあるが、サンガスタジアムは入場専用ゲート前の広場が広くないため、待機列を形成スペースが限られてしまうのが影響しているようだ。

試行錯誤は続くかもしれないが、運営側としてはしばらく対応が求められるだろう。しかも、麒麟ではなく吹雪がきてしまったので、立っているだけでも辛い時間もあった。それでもなお、黙々と入場する者が多かったのは、観戦経験値の高いファンが多く集ったからかもしれない。

〇 夢の光景と祝歌

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(階段を上った先に見えた景色は、最高の空間だった)

スタジアム観戦者であれば、共感してもらえると思うが、入場してピッチが見えてきた瞬間というのは独特の高揚感がある。初めてのスタジアムであれば尚更だ。サンガスタジアムが見せてくれた景色は最高だった。生まればかりの夢のスタジアムが、目の前にあることに感動している自分がいた。

地元・京都で結成された夜の本気ダンスさんのライブパフォーマンスは、生まれたばかりのスタジアムと家族であるサポーターに送る祝い唄のようにも聞こえた。(サウンドはカッコよかった)他サポの筆者でさえ感情的になるのだから、当事者である京都サポさんの想いは言葉に言い表せないものだろう。

〇 「想い」の力がアシストしたようなゴール

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(17,000人を超える観客がサンガスタジアムに駆けつけた)

試合前から感動が止まらないのだが、この日のメインイベントは、プレシーズンマッチだ。新スタジアムの初陣となる京都さんは新戦力も積極起用。前半の攻撃ではボランチに入る庄司選手が攻撃のタクトを握り、同点ゴールを奪う活躍を見せる。彼の展開から両ウイングの思い切った攻撃参加、新戦力・ウタカ選手にボールが収まると面白い。関塚監督時代の憲剛さんを少し思い出した。

また、守備では押し込まれる時間も多かったものの、3バック中央を守るバイス選手が要所を締める。もちろん、高い位置まで上がってくることへのリスキーさもあるが、カバーできる個の力があるのも確か。今季の京都さんにとって、大きな補強であることは間違いない。

- ロディーナ・セレッソの堅守

一方、我々が対峙するという意味でも、セレッソさんの組織的な守備が印象に残る試合でもあった。組織的守備といっても、人海戦術による、ベタ引きの守備ではなく、選手の配置・位置取りを徹底したポジショナルな守備だ。例えば、京都さんのウイングとボランチの間にあるハーフスペースに選手を配置し、ボールの流れを断ち切り、攻撃へと転じるかたちを何度も作っていた。このような選手配置は、チームの「型」として仕込まれているものであり、周囲の選手と連携して数的優位を作ることもできている。結果論かもしれないが、尹前監督時代の堅守を一段階進化させたともいえる。

ただし、攻撃に関しては、個々のクリエイティビティに依存しなければいけない印象はある。となると、セレッソが誇るタレントの存在への期待は集まるところだが、先発出場した清武選手は位置を守りながら決定機を作れていたが、交代で入った柿谷選手はもう少し自由に動きたいのであろうプレーが見られた。組織的な守備を維持しながら得点力をどう高めていくのかは、今季のセレッソさんのポイントになりそうだ。絶対先制許さないぞ。(昨季フワッと失点を許したクラブのサポ目線)

- エモーションが止まらない

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(後半、勝ち越し点を決めたセレッソさん)

試合は、セレッソさんが後半に勝ち越しに成功し、ディフェンスの重心を下げて逃げ切りを図るように見えた。

劣勢に立たされた京都さんではあるが、イレブンの攻撃とゴール裏の歌声は止まらなかった。ピッチ内外のハイテンションが伝染していき、非常に良い雰囲気が生まれていることが肌感覚に伝わってきた。

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(終了直前、京都さんはウタカ選手のゴールで1点を返す)

終盤、大怪我から復帰した途中出場の都倉選手のゴールでセレッソさんが2点差に広げたものの、京都さんもアディショナルタイムの攻撃をウタカ選手のゴールで1点を返して試合終了。最後は京都サポの想いの力で押し込んだようなゴールにも感じた。

〇 僕らは希望という名の列車に乗った

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(試合終了後、挨拶に来る京都イレブン&マスコット)

敗戦はしたものの、サンガスタジアムには試合を動かせる力を生み出せることを感じさせる内容だったと思う。期待値を満杯にして到着した電車は、今度は観戦体験によって得る満足度と今季のチームに対する希望を乗せて帰ったと思う。スタジアムとクラブの新なる物語は、始まったばかりだ。

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