ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ−北海道コンサドーレ札幌

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6月14日、等々力で札幌戦を観戦。

◯「Jリーグのある金曜日」を終えて

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サッカー、バスケにおける攻守の切替を「トランジション」と表現されるが、サポーターも日常生活から観戦に頭のトランジションをしてスタジアムに向かっている方も多いのではないだろうか。かく言う筆者も、会社の業務を終えてスタジアムに向かう平日のナイターは、会社員から観戦者モードに頭に切り替えながら、等々力に向かっている。

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定時に出れるよう必死に仕事を片付け、会社から目立たない程度に小走りで駅に向かい、最寄駅から等々力まで無心で自転車のペダルを漕ぎ続けた末に辿り着いたスタジアムの光景は、休日の観戦とはまた違った高揚感を与えてくれる。

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正直な話、試合開催日に有給を取れば何ともないことなのだが、こうした感覚もサポーター生活の糧になっているのは確かだ。特に部署異動で慌ただし日々を過ごしていた今春の筆者にとって「金J」は大きなハードルであっただけに、この日の札幌戦を含めて足を運び続けることが出来たことは、ある種の達成感と「今の部署でも頑張れる」という手応えを掴めた気もする(前向き)。そうした強い気持ちを胸に座席に着いた。

◯  完成図のないパズルをどう組むか?

試合は、ダミアン・知念の2トップを軸とする敵陣強襲型の並びがハマらなかった前半に対し、悠様を投入して主導権を握った後半は対照的な内容になった。ナショナルマッチデーウィークに伴う中断後、最初の公式戦ということもあるが、PK失敗を含めて、前半の不出来が試合展開を難しくしてしまった印象を受ける。

ー「模索」から「確立」へ

中断前までの浦和戦までを振り返ると、競争原理を働かせて多くの選手・布陣を起用した「模索」の前半戦だったと思う。本ブログでも何度か取り上げてきたが、怪我人が多発した影響はあるものの、前年度の優勝チームとは思えないほど、チームの形を大胆に手を入れてきた。

現在の編成を踏まえて考えると、将来に向けた投資としての意義も大きく、チームに長年携わってきたOB監督ならではのアプローチとも言える。負けはしなかったが、勝利が「こぼれ落ちた」試合もあったことは理解しているが、それを取り戻すための成果に期待したいところである。

一方、今季の目標は3連覇を含めたタイトル獲得であることは言うまでもない。上位グループから首位を追いかける立場となった中盤戦は、前半戦の戦いを材料としてベストミックスを「確立」させたいところだ。激しい競争を繰り広げている悠・ダミアン・知念の3人をどう起用するのか?は、指揮官も大きな悩みどころだろう。

往年の鹿島さんを彷彿とさせるブラジル人+日本人の2トップはコンビネーションを発揮できず、トップ下不在の影響も感じさせるボール運びは気になるところで、それぞれの選手が結果を残したが故に最適解を見出せていないという状況である。

ー後半に見せた2つの好材料

試合後の選手コメントにおいて、途中出場の悠が

後半になってツートップは変わらなかったが、段差を作ったり、クサビのところで斜めの位置に顔を出すとか、そこは意識して入った

と述べていたとおり、受けるポイントを多く作ったことで、スムーズにボールを繋ぐことができたのは彼の働きによるものだろう。

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彼の作り出した流れは、攻撃の厚みを作るための1つの材料になるのではないだろうか。

また、車屋先生とノボリの配置を入れ替えたことで右からの攻撃を組み立てられるようになったことも改善ポイントの1つだろう。ピッチ上の「漂泊者」である家長さんを生かしながら、偏りのない攻撃を実現することも継続的な課題と言えるため、馬渡選手の復帰状況によるが、次節に繋がる内容だったと思う。

鬼木監督に求められるタスクは、水色一色のジグソーパズルを組立てる作業に近い。このパズルには絵柄も無く、完成図もない。1年目、2年目に比べると、強力な戦力と目標がある=ピース数も増えているだけに完成させることの難易度は非常に難しいと思うのだが、より強い川崎フロンターレを作っていくために必要な作業だと考えている。

我らが指揮官の奮闘を後押しすることで、水色の大きなパズルを完成させる作業の手助けをしたいところだ。

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バタバタした金Jが終わった安堵感と、日常から非日常に素早く切替わる瞬間の高揚感を味わえない寂しさを覚えながらスタジアムを出た。こうした日々を楽しく振り返るためにも、改めて気持ちを込めて応援できればと思いながら、等々力に足を運んだ若くないピーターパンは等々力ネバーランドを後にした。

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