ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:ACL・川崎フロンターレ-シドニーFC

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3月13日、等々力でAFCチャンピオンズリーグ(以下「ACL」という)観戦。

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過密日程も後半戦。苦しい時期ではありますが、短期決戦のグループステージ突破するためにも勝利が欲しい試合。観戦を通じて感じたことは以下の点です。

◯ GAME:アジアで戦うということ

川崎は3年連続7度目のACL出場。久々の出場となった2014年は初体験の選手が多かったことを考えますと、連続出場による経験値を積み上げられていることは選手・クラブにとっても価値あるものだと考えています。

サポ視点においても「今そこにあるアジア」ACLのグループステージは、選ばれし者の恍惚と不安(前田日明風)を抱えながらの観戦となります。変わらぬ風景の中でアジアの風を感じられること、それが多くの応援者たちがアジアの扉を目指して門前に駆けつける理由でもあります。

ー 理想と現実、そして我慢。

しかしながら、憧れのACLは、毎年のように応援者に厳しい現実を突きつけます。過密日程中の海外遠征、選手のやり繰り、準備期間の短さ、情報量の少ない対戦相手との探り合いなど、チームの総合力が問われてきます。正直、過去何大会かの記憶を振り返っても「苦しい」と感じた試合の方が圧倒的に多かったと思います。

だからこそ、アジアでの戦いには、我慢できることが重要だと思います。鬼木監督が目指してきた隙のない戦い方にも通ずるところがあります。敗れてはしまいましたが、初戦の上海上港戦も鬼木フロンターレが積み上げてきたサッカーを色濃く表現できたと思います。球際の強さ、素早い攻守の切替を大切に、攻守一体で戦うことができただけに、悔しい敗戦となりました。

ー 粘り勝ち

今回のシドニーFCさんとの試合は、上手くいかない試合でした。普段とは異なる配置で臨んだことで、選手間の距離、判断の部分でズレが生じ、特に前半はミスが多く散見されました。さらに、前半のシドニーさんは、第1プレッシャーラインを高く設定しておりましたので、自陣深い位置でのミスが命取りになりかねない状況でもありました。こうした相手の出方に対して危ない場面もありましたが、谷口選手・奈良選手を中心に凌げたことが後半に繋がったと思います。

両チームのアグレッシブさが見られた前半から一転して、後半はボールを保持して攻める川崎、重心を下げて単騎突破の攻撃にかけるシドニーさんという構図に変化しました。シドニーさんが前に出てこなくなったこともありますが、川崎が攻撃する姿勢を崩さずに攻め続けることができた点も良かったと思います。

とはいえ、良いかたちは作れどもゴールが遠い川崎。攻めあぐねている状況が続いただけに、ココでもまた我慢の展開となりました。元イラン代表・グーチャンネチャド選手を入れたシドニーさんの逆襲も頭をよぎる中で、斎藤選手の一撃が決まりました!攻め続けて、ようやくこじ開けた1点は等々力・テレビで見守り続けたサポーターに歓喜と安堵をもたらしたと思います。

逆に失点を喫したシドニーさんは、一気に攻勢を仕掛けます。しかし、マリノス戦で高い授業料を支払った川崎イレブンも伊達じゃない。姿勢と気迫を前面に押し出したプレーでリードを死守し、2年ぶりのACL勝利を手にしました。

◯ TEAM:競争がチームを強くする

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リーグ3連覇、四冠を目指すという高い目標を掲げた川崎。そのために、ダミアン選手をはじめとする補強を行い、万全の体制を整えてきたと思います。一方、こうした巨大戦力を運用することの難しさもあると思います。実際、昨季の序盤戦もローテーション駆使した戦いが裏目に出てしまった試合も少なくはなかったと思います。

ー 昨季の第33節から始まっていた

だからこそ、個人的に今季の鬼木監督がどのようにチームを運用していくのかは注目しておりましたが、今回のシドニーFC戦に1つの方向性を垣間見れた試合であったと感じました。

それは、選手間の明確な競争を提示し、競争を戦い抜いたポジションにつけると意識づけた点です。象徴的に感じたのは、マリノス戦に続いて先発出場を果たした田中碧選手、競争相手のリスペクトとライバル関係を表明した長谷川・斎藤両選手です。

考えてみれば、碧選手、長谷川選手、この試合で途中出場した知念選手も、優勝直後の第33節・FC東京戦に先発出場して勝利に貢献しました。各選手とも、昨季は苦しい経験も多かったと思いますが、あの試合でキッカケを掴んだようにも見えました。

あれから数か月、彼等の今季のプレーを見て、その時に感じた「印象」が「確信」に変わりつつあります。鬼木監督が、彼等を味スタのピッチに送り出した意図をようやく理解できた気がします。

ー 絶対を守るか?崩すか?

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彼等の台頭がチームに良い刺激を与えていることは、斎藤選手のコメントに集約されていたと思います。ゴールという結果を残しても、80分間の長谷川選手の存在が大きく、序列を崩していないことを認識している発言でした。前所属チームで圧倒的な存在だった彼が、そうした環境を受け入れる姿勢には素直に驚かされますが、そこに明確な競争が設けられていることも大きいのではないかと。

左SBでフル出場したノボリ選手、右SBで攻撃のリズムを上げたラルフ選手もそうでそたが、チームに貢献しながらも、虎視眈々とポジションを狙う選手たちが印象に残った試合でした。こうした競争関係の継続こそ、チーム力を向上させると考えています。

一方、激しい競争が繰り広げられる中でも、絶対的な存在がいることも忘れてはなりません。ソンリョンは川崎のゴールを守り抜き、谷口・奈良の両CBが後方から攻守を支え、憲剛さんは川崎の頭脳、家長さんは唯一無二の存在、悠様はゴールを狙う姿勢でイレブンを牽引します。

大島選手は不在でしたが、現在の川崎を支える彼等の牙城を崩せるような存在が出てきてほしいと思いますし、こうした挑戦を押し返すような輝きを放ってほしいところでもあります。

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今季が終わった時、どんな顔ぶれになっているのか?シーズン序盤戦らしい妄想しながら、目の前の1試合を真剣に応援できればと思います。

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