ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-ヴィッセル神戸

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10月20日、等々力陸上競技“城”で神戸さんとの試合を観戦。

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(アップ時から観客の注目を集めたイニエスタ選手)

様々な意味で普段とは少し違った雰囲気の等々力。応援の気持ちは変わらず。

試合は、前半3失点を許す苦しい展開を乗り越えて逆転勝利。観戦を通じて印象に残ったことは以下の通りです。

〇 90分間で見せた「修正」と「覚醒」

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(川崎フワッと注意報が発令される中断明けの初戦)

10月14日、フロンターレ横浜FCさん、栃木ウーヴァFCさんとの練習試合が行いましたが、公式戦は7日の鹿島戦から間隔が空きました。自分は攻守におけるプレー強度の高さを大切にする鬼木フロンターレの「中断明けの試合運び」に注目をしていました。

ー 外はカリッと、中はフワッと

前半の早い時間帯にPKで先制したフロンターレですが、2分後に同点を許してしまい、その後も神戸さんに主導権を握られ2点を奪われてしまいました。

試合前から降っていた大粒の雨の影響もあったかと思われますが、出場停止とケガ人の影響でスターティングイレブンおよび選手配置を変えて臨んだこと、試合間隔が若干空いたことでフィーリングのズレ、判断の遅れが積み重なった状況が主な要因として考えられるのではと。

各選手は自分の位置に立ち、ボールの動きとともに寄せていくというかたちはできていましたが、寄せの甘さ、ネガティブトラジッション(攻撃から守備への切替)の遅さは気になっていました。特に、神戸さんの3点目・三田選手のゴールは、素晴らしいシュートだったのは言うまでもありませんが、シュートに至るまでの流れが前半のマズさを象徴する場面だったと思います。

一見してカリッとした雰囲気はあったものの、中身はフワッとしていた川崎を神戸さんが美味しくいただく展開だったと思います。

ー 鬼木監督の修正

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(3失点後、家長選手をトップ下に置くことで流れを変える)

鬼木監督は、ピッチ上の状況を踏まえ、メンバーを変えず、選手配置を動かしました。家長選手のトップ下、悠様を右SHに置くことでボール交換の流れ、守備時の圧力のかけ方を調整しました。

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(神戸さんのビルドアップ。リージョ監督は両CBが横幅に大きく開くアプローチを採用)

守備面では、生命線となる球際の強さと読みのディフェンスが見られるようになりました。特に、神戸さんのビルドアップは、所謂「観音開き」(両CBがPA脇に開くかたち)のため、前半は噛み合わせが悪く、逆にスペースが生まれた部分を上手く使われておりましたが、後半は良い距離間を作ることができましたので、高いボール保持率を維持するために必要なボール回収ができるようになりました。

攻撃面では「フラフラ」ではなく定位置として真ん中に立つ家長選手が、空いたスペースに顔を出してボールを受ける場面を作ることで、決定機を多く生み出すことに成功します。

家長選手は前線へのボールの供給役に限らず、大島選手の逆転弾に繋がるヒールを決める「演出家」としても素晴らしい働きを見せるなど、改めて大きな存在を知らしめる活躍だったと思います。 

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(逆転弾を決めた大島選手。年間ベスト級の素晴らしいゴールでした)

指揮官の的確な修正と、自分たちのサッカーをイレブンの活躍によって90分間で別のチームの試合を見てるような感覚に陥るほど、自分たちの色を濃く出すことができたことは、チームに大きな自信を与えてくれると思います。

〇 ゴールと言う名の勇気

逆転劇に繋がったのは、上記の修正もありますが、反撃の狼煙をあげた家長選手のゴール、等々力のボルテージを一気に高めた斎藤選手のゴールがイレブンとサポーターに勇気を与えてくれたからだと思います。前者の場合は「いつ」決めたのか、後者は「誰が」決めたのかが非常に大きな意味を持ったと思います。

家長選手のゴールは、3失点で沈んだ重いムードから「後半イケるぞ!」という雰囲気に変えてくれました。ビハインドしているとは思えないポジティブな空気感を作れたことは本当に良かったと思います。

斎藤選手のゴールは、多くのサポーターが感じていた思いが爆発したような瞬間だったと思います。リーグ戦では、出場機会もなかなか思うような結果を残すことができなかったことからも、この試合にかける思いも強く感じましたし、自分も頑張って欲しいという思いを込めて試合を見守っていました。ドッカンと湧いた瞬間、等々力は「この試合に勝つ」という思いで1つになれたのではないかと。

ロジックとは大きくかけ離れた見方ではありますが、ゴールで等々力が持つ力を引き出せたことが勝利を引き寄せたのではないかと私は強く感じる試合でした。

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以上です。完全に負け試合の展開をひっくり返す底力を見せることで、広島さんとの勝ち点を突き放すことに成功しました。リーグ戦は残り4試合ですが、一戦必勝の精神で苦しい状況を乗り切れるように後押しできればと思います。

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