6月23日、豊田スタジアムでリポビタンDチャレンジマッチ2018を観戦。
(本戦の特別応援サポーター・栃ノ心関。ラグビーとレスリングが盛んな国だ)
ラグビー日本代表の6月のテストマッチは、イタリア代表との2試合を経て、最終戦は大関・栃ノ心の母国でもあるジョージアと対戦。
(ジョージアフードコーナーで食したムツワディ(豚の串焼き)は美味でした)
対戦成績、世界ランキングともに実力伯仲の相手となりますが、良いかたちでテストマッチを締めたいところ。
〇 自分たちのスタイルを全面に押し出して完勝
ジャパンは、ジョセフHCが志向するキック主体のラグビーを展開。
(キックを駆使して相手にプレッシャーをかけ、相手のミス・ファウルを誘う)
アンストラクチャーの状態を作り、相手のミスを誘い込む狙いが上手くハマったと思います。前半のキックオフ時、ジャパンのBKが相手のキャッチする選手に猛然とプレッシャーをかけ、マイボールにすることに成功した場面は、ファーストプレーでありながら、この試合を象徴する現象であったと思います。
正直、招待等で初めて日本代表の試合を見に来られた方は、キック合戦となった前半の試合展開にある種の違和感を覚えたかもしれません。一方、ジャパンの試合を何試合か観戦したファンには、既視感のある試合展開だったかと。
(前半は田村選手・野口選手のPGで得点を積み上げる)
雨で手元が滑りやすいコンディション、強力FW陣を擁するジョージアが得意なかたちに持ち込ませない意味でも、キック合戦に持ち込んだのは良かったと思います。
ただし、ジョセフHC就任当初の試合に見られたような「とにかくキックする」展開にも見えたのは気になるところ。さらに、前半は手堅く得点を積み上げるために選択したPGの成功率が低かったのも勿体なかった。田村選手ほどのキッカーでもハマらない時はダメなのだと痛感。
(レメキ選手の5人抜きトライなど、後半は3トライを奪ったジャパン)
後半は、相手のターンオーバーから素早い攻撃でトライを奪い、点差を広げることに成功。
日本の武器ともいえるレメキ選手の個で打開できる突破、後半投入のウィンピー選手と姫野選手の活躍が光りましたが、ターンオーバーから素早い攻撃展開に移行する日本のアタックシステムが機能していたのも印象的でした。
〇 W杯に向けて試されるフィジカル、ディフェンス
(後半、ジョージアの攻撃に対応するジャパン)
一方、ジョージアが得意とするスクラム等のフィジカルバトルで互角に戦うことができたのは手応えになると思います。過去の対戦でも偏差での勝利が多かっただけに、完封勝利というのはまた少し違ってくるものかと。
ジョセフHCをはじめ、コーチ陣が指摘するようにW杯に向けたフィジカル強化が課題となるだけに、より強力な相手との接点で圧倒されない耐久性を身に着けてほしいところ。
また、フィジカルに関連して、ディフェンスの強度を上げていくことが今後の鍵になると思います。個に強いジョージアの突破に対して、1人目のタックルでしっかり止め、組織的なディフェンスで相手のゲインを防ぐことができました。
(試合前の練習風景。ディフェンスの確認が入念に行われていた)
試合前の直前練習でも熱の入った入念な確認が行われていましたが、連動して前に出るシステムだけに、1人1人の動きの正確性が求められるものと考えています。
昨秋のテストマッチに続き、着実な進化を見せているジャパン。
(11月3日、ジャパンは味スタで世界最強・オールブラックスと対戦)
秋に予定されているオールブラックスとの対戦は大きな挑戦となりますが、今から楽しみです。