ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・柏レイソル-川崎フロンターレ

f:id:y141:20180513075550j:image

(毎年、訪れたアウェーサポーターに極上のアウェー感を提供する柏駅前の告知看板)

5月12日、三協フロンテア柏サッカー場柏レイソル戦を観戦。

f:id:y141:20180513075636j:image

(フリーペーパー『柏でよりみちアディショナルタイムズ』のハイクオリティーさに驚く)

昨年の荒天とは一転して、本年は天候に恵まれました。

f:id:y141:20180513075609j:image

(川崎サポとしては雨・真夏のナイターのイメージが強い日立台

筆者が提唱する「ピクニックサッカー」(天気が良い日のご飯とサッカー観戦を楽しむ運動)日和でしたが、連敗で終えたGWの反動そのままに「消極的勝利至上主義」という暗黒面と葛藤するレイソルロードの道程でした(汗) 

試合は、先制点を許したものの、悠様のゴラッソと鈴木選手の値千金の決勝ヘッド弾で劇的勝利。試合を通じて感じたことは、以下の通りです。

〇 役割変更と運動量

浦和戦・FC東京戦と連続完封負けを喫した川崎。前半は、伊東選手の華麗なターンからの素晴らしいゴールで先制点を奪われ、素早いネガティブトランジションで形成された柏イレブンのブロックの前に攻めあぐねる等、厳しい内容で終えました。

後半、立ち上がりこそ相手に押し込まれたものの、時間の経過とともに所謂「自分たちの時間帯」に持ち込むことに成功しました。主導権を握れた要因は、前半の劣勢を踏まえた修正がハマったこと、運動量を落とさず走り切れたことの2点だと思います。

前者は「アンカー気味」(鬼木監督談)の役割を担った守田選手がフィジカルの強さと察知力を発揮し、相手の攻撃の起点を幾度となく潰すことに成功しました。

悠様の「まったく空気の読めない」(憲剛さん談)同点弾も守田選手のチェックからのボール奪取が起点になったことも見逃せません。

後者は、劣勢ながらも「相手を多く走らせた」前半の展開が布石となり、鬼木フロンターレの生命線とも言える運動量を駆使したアグレッシブさを前面に押し出すことで、ボールを握り続けることができました。

また、守田選手が中盤後方で砦役を担ったことにより、ボランチを組む大島君が高い位置でプレーできるようになり、ボールのつなぎ役として前線に押し込む時間帯を長く作ることに成功しました。

〇 「アイ,ラルフ」

終盤は「攻める川崎、守る柏」の構図。粘り強く攻め、立ち塞がる中村航輔選手の壁に跳ね返される川崎イレブンを見ながら「何とか1点を奪いたい」という思いが痛く伝わってきました。そんな中で、投入されたのが「ラルフ」鈴木雄斗選手でした。 

鈴木選手と言えば、ACL蔚山現代戦で見せた活躍でサポにも大きなインパクトを残しただけに、初出場ながらも大きな期待を寄せていた方も大きかったと思います。川崎サポの勝ちたい気持ち、初出場に対する激励の双方が込められた熱い声援とともにピッチに入っていく姿が印象に残りました。

本人も述べていたとおり、プロ入り以降は所属チームの主力選手として活躍してきた実績もあるだけに、これまでの立場に対して悔しい思いもあったと思います。

それでも日々のトレーニングの取組等が評価されてメンバー入り、「必然」と述べた鬼木監督の起用に応え、出場時間は10分も満たないながら、勝ち点3を引き寄せる見事な決勝弾を奪いました。

f:id:y141:20180513080727j:image

(破天荒すぎるエピソード、登場人物の狂いぶりが際立った『アイ, トーニャ』)

余談ですが、先日、元フィギュアスケート選手のトーニャ・ハーディングを描いた映画『アイ,トーニャ』を鑑賞しました。


ライバル選手の襲撃事件、前代未聞の五輪におけるスケート靴のトラブルをはじめ、本作で描かれた破天荒すぎるエピソードの数々に驚かされるものがありましたが、(当時)史上2人目となるトリプルアクセルを成功させ、自らの才能と努力で道を切り開く姿は、アメリカンドリームだったと強く感じさせられました。

アスリートには、将来を大きく左右するターニングポイントとなる場面が何度か訪れると思います。トーニャがトリプルアクセル成功で自らの人生を大きく変えたように、ラルフの初ゴールが選手キャリアを大きく進める契機になって欲しいと願わずにはいられない素晴らしい瞬間に立ちあえたことを嬉しく思います。

f:id:y141:20180513075744j:image

(連敗ストップ。勢いを加速して中断前の最後の試合に臨みたい)

以上です。爪痕を残した男が、自らの力でサバイバルという扉を力強くこじ開けてくれました。自分自身、蔚山戦に足を運んだからこそ、彼に対する思いも強くなりました。プロ選手にとって無駄な試合なんて1試合も無い。目の前の1試合、1分を大切に戦っているのだと強く感じさせられました。中断期間まで残り1試合、とにかく全力で。ラルフのスピリットを胸に。

f:id:y141:20180513075918j:image

にほんブログ村 サッカーブログ 川崎フロンターレへ
にほんブログ村