11月19日、三ツ沢陸上競技場でY.S.C.C.さんのホーム最終戦を観戦。
前日、グルージャ盛岡さんのマスコット・キヅールさんが、等々力に足を運んでいただきました縁から、遅ればせながら今季J3初観戦となりました。
〇 折れない心と止まらぬ足が生んだ逆転劇
試合は、前半早々にY.S.C.C.さんが先制。
マリノス・甲府時代に何度も対戦した樋口監督が率いるY.S.C.C.さんは攻撃はシンプル、守備に忠実にという印象。
守備強度の高いボランチがボールを刈り取り、高い位置を取ったサイドバックの攻撃参加によるチャンスメイク、そして盛岡さんの守備を掻い潜るように前線の選手が顔を出してフィニッシュに持ち込む。あるいは、後方からの1本のロングフィードにスピードのある辻選手が抜け出す場面も。好調な攻撃陣の勢いそのままに、Y.S.C.C.さんの縦の推進力を活かした攻撃力が光る内容でした。
一方、後半は盛岡さんが反転攻勢。リードするY.S.C.C.さんが、どちらかと言えばブロックを敷いてカウンターのような形になりましたので、前半苦しんだビルドアップが安定、後方から長い距離のボールでサイドに展開し、ゴールに迫る場面を多く作れるようになりました。ただし、チャンスを決めきれぬ展開が続きまして、1点が非常に重く感じる展開でもありました。
それでも、盛岡イレブンの「折れない心」と「止まらぬ足」が実を結びまして、87分から2分で2得点を挙げて逆転に成功。応援に駆け付けたビジターゾーンはドッカンと沸く劇的な展開で試合をひっくり返した盛岡さんが見事に勝利を手にしました。
〇 「0」を「1」に変えるキヅールさんのポテンシャル
入場して2分でキヅールさん。 pic.twitter.com/k5JpRtDgfd
— グラッデン (@yoshi141) 2017年11月19日
冒頭にも書きましたが、この日の観戦の契機となったのは、盛岡の新米マスコット・キヅールさんでした。前日の等々力では、遠目でしか見る機会が無かったのですが、実際に間近で見てみると、圧倒されるインパクトでした(汗)ご挨拶にいらしていたY.S.C.C.のサポさんも「鶴、半端ねぇ」と素直に仰っておりましたが、敵・味方・部外者の枠組みを超越した存在であると改めて感じました。
キヅールさんに引き寄せられる人だかり。カリスマ鶴。 pic.twitter.com/H6ighpJ2ul
— グラッデン (@yoshi141) 2017年11月19日
今回、キヅールさんの関東遠征、特に等々力訪問に関しては多くの意見が飛び交いました。一応、招いた立場ということで、批判的な意見や、丁寧にブログで書かれた方のご意見も拝読させていただきました。川崎のアプローチは、控えめに見て「どうかしてる」規格外な部分がありますので、ある種の認識のズレをネガティブに指摘されるのも納得できます。
一方、私個人の意見としては、マスコットを通じたクラブの認知度を高めるために接点を多く作ることが大事だと考えています。
日経主催のラグビーイベント『ビジネス視点から日本のラグビーを考える』。Jリーグのマーケティング委員でもあるニールセンスポーツ・秦英之社長の講演は熱量も含めて大いに刺激を受ける内容でした。ラグビーW杯に向けて認知度・価値を高め、アピールしていくかを改めて考える機会になりました。 pic.twitter.com/79WmTRDn5p
— グラッデン (@yoshi141) 2017年8月17日
以前、サッカーW杯の協賛事業に参画したニールセンジャパン・森社長の講演に足を運んだ時、多くの媒体が存在する現在のメディア環境の中で認知度(講演ではラグビーW杯)を高めるためには、多くの接点を作り「多面化」(≒細分化)を図る必要があると述べていました。こうした考え方は、スポーツに限らず、多くのエンタテイメントに共通する内容だと思います。
キヅールさんは、上記のとおり、多くの人を魅了するインパクトを持っていることは身をもって実感しました。写真・動画・SNSを含めて、どのメディア媒体でも爪痕を残せる最強の飛び道具と言ってもよいのではないかと。だからこそ、地元に限らず、可能な範囲で様々な場所に顔を出し、キヅールさんを起点に多くの人たちに、グルージャ盛岡という存在を認知してもらう機会を作っていく、大きな流れを生み出していく流れが良いのではないでしょうか。
たしかに、今回の関東遠征で試合に観客が来てもアウェーですし、グッズで得られる収益は(川崎・盛岡双方ともに)限られると思います。しかしながら、目に見えないものではありますが、イベントを通じて多く人たちの目に触れたインパクト、マスコット・スポーツ好きが集うイベントでの展開する1つのモデルケースを、シナジーとして生み出せたのではないでしょうか。
何よりも、今回の遠征を通じて(自分もそうですが)グルージャ盛岡を「知っている」から「関心がある」に繋がった人も少なからずいると思います。今後も、キヅールさんを通じて、グルージャ盛岡さんに対する認識・関心を「0」から「1」に変えていく縁づくりに貢献できることを期待しております。
長くなりましたが、最後に一言。来年は盛岡に行きます(FarAway=FA宣言)。