日曜日は、等々力陸上競技場にて川崎フロンターレのホーム開幕戦を観戦。
難敵・サガン鳥栖を迎えた一戦は、1-1のドロー決着。試合を見て感じたことは以下のとおりです。
1.レッツ・ラ・マゼマゼ
従来の攻撃スタイルと新たな取組のハイブリッドを目指す鬼木フロンターレ。今節で公式戦は4試合目となりましたが、粗さは感じながらも徐々に操作性が向上してきたという印象を受けました。
特に、ボールを奪うために相手保持者への圧力をかける姿勢を打ち出したことで、例年苦しむ鳥栖さんの圧力を受身になりすぎず、競り合うことが出来たと思います。私見ですが、先制点の場面は、自分たちが前にボールを奪いに行く部分が出ていたからこそ拾えたボールだと思います。
同点に追いつかれた時間帯を含めて押し込まれた時間もありましたし、プレスの連動性・精度という部分は鳥栖さんの方が上なのは言うまでも無いですが、苦手としてきた相手との関係性に良い意味で変化をもたらす可能性を感じる試合になりました。
2.「シンプル」と「単調」は異なる
また、攻撃においては、シーズン序盤であることを踏まえると「悪くはない」という印象は受けました。水原戦や大宮戦に比較すると、選手間のボールの受け渡しに係る意思疎通は出来ていましたが、悠様が試合後に述べていたとおり、相手にとって脅威を与えていた場面は少なかったと思います。
鳥栖さんの圧力のかけ方を見ていますと、保持者が持つサイドに人数をかけて寄せてくることがわかりましたので、(開幕戦・柏さんが対応していたように)サイドチェンジを有効に活用しながら、横幅を使って揺さぶれればと感じていました。実際、後半は中央突破だけではなく、サイドからの仕掛けが多くみられましたが、中央を固める相手の人垣を崩しきることが出来ませんでした。
途中投入のハイネル選手を含めて、この日の前線の顔ぶれで「高さ」勝負することが厳しく、アプローチとしては捻りが欲しかったと思います。特に、従来の右サイドからの攻撃は、エウシーニョ選手の個人戦術で賄われていた部分が強かっただけに、今後も相手が素早い帰陣で中央の守備を固めてきた時に、どのように攻撃を仕掛けていくのかは課題として捉えられると思います。その点を踏まえると、ハイネル選手のパフォーマンスには手ごたえを感じただけに、得点に繋げられるような上積みができればと考えております。
3.ピッチに向けて光らせる「鬼の目」
また、印象に残った点は、賛否はあると思いますが、奈良選手の投入に代表されるように、勝ちに行く姿勢と同じくらい、絶対に負けない意識付けを行ってきたのはココまで見てきた鬼木監督の明確なスタンスだと思います。
たしかに、後半の川崎は攻勢を仕掛ける時間帯が長くなり、決定機を作れていましたが、鳥栖さんも田川選手の投入によって裏に抜け出す動きからゴール前に迫るなど危ない場面も少なくはなかったと思います。結果論ではありますが、その点の引き締めを図ったことは良かったと思います。
また、三好選手の交代投入のタイミングは、もう少し早ければ、という印象はありましたが、連戦による疲労と現在までのパフォーマンスを考慮した時間幅という点も理解できました。
交代のタイミングについては、自軍のリズムだけでなく、相手との対応状況や時間帯を含めて判断したものが多いと感じており、自分たちにとってネガティブな部分に対して目をつぶらずに適切に対応すること、交代が持つメッセージを明確にしていくことを心がけているのではないかと思います。
今後も、ピッチ内に向けて「鬼の目」を光らせているだろう鬼木監督の采配については、今後も注視していければと考えています。
以上です。連戦による難しい試合は続きますが、チームの歩みとしては前進できているという印象は受けております。トップとは言わず、上位集団から離されない位置をキープしながらチームの完成度を高めていければと思います。