昨日は、NACK5スタジアム大宮にて大宮アルディージャとの明治安田生命J1リーグの開幕戦を観戦。
ACL初戦を終えたものの、J開幕戦は毎年特別な心境。
試合は、大宮さんの堅い守備と縦に早い攻撃の前に苦しみましたが0-2の白星発進。試合を終えて考えたことは、以下の通りです。
1.鬼木監督に垣間見た「ストロングスタイル」
水原戦の感想でも書きましたが、鬼木フロンターレは現行システムを維持しながら、新規開発を組み込むというモデルであると考えています。現行・新規の割合の違いはありますが、2つの要素を同時に起動させている状態なので、昨年までと運用・操作性は変化していると考えております。
上記の前提に加えて、新加入選手との融合を模索する時期でもあり、例年以上に難しい試合になることは予想できました。また、大宮さんが整備された守備ブロックをピッチ上に展開しておりましたが、川崎にとって「良い時間帯」の割合は試合を通じて非常に短かったと思います。
ゲーム記録・速報 - 2017/J1リーグ 第1節 vs.大宮アルディージャ | KAWASAKI FRONTALE
鬼木監督は、試合後のコメントにおいて「こういう長いシーズンを戦っていく上では色々な勝ち方があると思いますので、また新しい勝ち方ができたかなと思っています」と述べております。この日の監督の采配を見ると、自分たちだけでなく、相手の動きや時間帯を非常によく見て交代カードを切りながらチームを動かしていたと思います。
森本選手の投入は停滞気味の攻撃の変化を生むことでペースを取り戻すことができましたし、奈良選手の投入はネイツ選手を抑え込むストッパー役として機能することで失点を防ぐことに成功しました。理想とする展開や戦い方はありながらも、ピッチ上で発生する現象を観察したうえで適切な処置を講じて勝利を掴み取ろうとする意欲を強く感じました。
当方の深読みになりますが、風間前監督が勝利のために技術を駆使する「上手さ」を高いレベルで要求し続けたのに対して、鬼木監督はピッチ上の苦境・劣勢を乗り越えて勝ち切るための「強さ」を選手に求めていくのではないかと思いました。惜しくもタイトルを逃した昨季のチームが必要と感じたことであり、それを貪欲に求めていく姿勢は今後のチームにポジティブな変化をもたらすのではないかと考えております。
2.伝承と運用
30 - 家長 昭博は古巣である大宮戦で30本全てのパスを成功させた。完璧。 pic.twitter.com/oP6fCZubFZ
— OptaJiro (@OptaJiro) 2017年2月25日
この日の試合では、昨季まで大宮さんに在籍していた家長選手に注目が集まっていました。ただし、家長選手とすれば納得のいくプレーが出来ていなかったと思います。中央の守備を固める相手に対してサイドに流れてしまい、相手にとって危険な存在になり切れなかったことはもとより、ボールを繋ごうとする意識が強く働きすぎてリズムに乗り切れない場面は多かったと思います。
もちろん、相手の圧力が強くかかる場所でのプレーが多い前線の選手が、川崎の独特の攻撃アプローチを体得するのは相当時間がかかるものと考えております。鬼木監督のカラーは見えてきたものの、土台となる攻撃的なサッカーは風間前監督が仕込んできたものだけに、改善に向けて今季の新加入選手たちに川崎のサッカーのメソッドを落とし込むことができるのかが課題になると強く感じました。
一方、風間さんの言葉を借りれば「個人戦術の集団化」という考え方もあります。守備の組織力を高めることを軸に置きながら、攻撃に関しては「個」を押し出していく方向性に向けていくことも手ではないかと。現在のチーム最も個人戦術化できる資質をもった選手であると考えておりますので、運用面における変化という点も視野に入ってくるかもしれません。
そして宮崎も、皆様に今日の感動をおすそわけ…٩( ᐛ )و
— SHISHAMO (@SHISHAMO_BAND) 2017年2月25日
この前のACL初戦から、フロンターレのサポーターの皆さんがSHISHAMOの「明日も」を歌ってくれています!本当に、この曲作ってよかったなあって心底思いました。(宮崎) pic.twitter.com/aDCxcS8HNv
以上です。苦しみながらも一歩前進。技術を駆使して観客を魅了するサッカーとともに、昨季の中で培ってきた粘り強さを高いレベルで表現できるようになれば国内外の激戦を力強く戦えるようになると考えております。厳しい試合が続くと思いますが、しっかり応援を続けていきたいと思います。