ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:天皇杯・鹿島アントラーズ‐川崎フロンターレ

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昨日は、吹田スタジアム天皇杯・決勝戦を観戦。

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(この日もマイア選手はベンチ入り。一緒に戦ってくれました)

試合は、延長前半にファブリシオ選手のゴールで勝ち越した鹿島さんが優勝。天皇杯のファイナルに初進出した川崎でしたが、惜しくも準優勝に終わりました。試合を振り返り、感じたことは以下の通りです。

 

1.互いの「スタイル」をぶつけた試合

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(延長戦開始前の両チーム。川崎側は選手の疲労度がかなり大きく見えた)

今季、鹿島さんとの対戦は4度目。過去3試合は1勝1敗1分と五分ではありますが、試合内容は3試合とも鹿島さんに圧倒されました。特に、チャンピオンシップ準決勝では自分たちが体現してきたサッカーを全く表現できずに敗戦を喫しただけに、ショックが大きかったです。

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その意味でも、今季の対戦では、初めて自分たちのスタイルを真っ向からぶつけることができたと思います。球際の強さと攻守の切替を徹底し、堅い守備で隙を作らせない鹿島さんのスタイルに対して、自分たちが積み上げてきた技術を駆使した攻撃のアプローチで攻略する川崎のスタイルの攻防は、見応えのある内容だったと思います。1点ビハインドで迎えた後半45分の攻防は、声を張り上げて(喉が潰れてしまいました)応援しながらも、両チームのプレーにテンションが上がりました。

悠様が復活を感じさせる素晴らしいプレーを連発したかと思えば、ペナルティエリアでシュートをはじき返す鹿島ディフェンス陣も凄かったと思います。まさに、異なる哲学=スタイルを積み上げてきた鹿島と川崎だからこそ織りなせる試合展開だと思います。

2.「勝負強さ」とは舞台に立ち続けることで評価される

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(表彰台に立つ川崎イレブン。この位置に初めて立った選手も多い)

19冠目を手にした鹿島さん、日本サッカー界の白銀聖闘士・川崎。当事者として申し上げれば、この試合に関しては鹿島さんを評するために持ち入れられる「勝負強さ」とか「勝者のメンタリティ」といった表現は関係なかったと思いますが、経験値の差は少なからず影響していたと思います。

振り返ってみれば、川崎は本大会では初の決勝進出ですが、ファイナリストになること自体が久しぶりです。時間を経て、ようやく「勝負強い・弱い」と評価されるだけのステージに再び上がることが出来たのだと私は考えています。

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(厳しい「勝負」の場に立ち続けていることが鹿島さんの「貪欲さ」の源泉に繋がっている)

特に、鹿島さんのように数々の歓喜と悲哀の双方を積み上げてきたクラブを対峙する以上、我々も出来る限り「勝負」し続ける舞台に立って経験を積まねばならないと思います。その意味でも、敗戦を踏まえて、継続して結果を残すことの重要性を感じさせてくれたと思います。

3.地域の「熱狂」を「誇り」に変えるために

この日、武蔵小杉駅前の「こすぎコアパーク」でも多くの人が集まり、チームに声援を送られていたと聞きました。イトーヨーカドー武蔵小杉店の店長さんをはじめ、多くの方の力添えもあって、スタジアムに留まらず、地域を巻き込んだ盛り上がりを作ることが出来たことは今シーズンの大きな成果だと思います。

クラブ創設20周年の2016年は「地域に名前を覚えてもらう」ステージから「地域を熱狂させる」ステージに到達したことを実感させられるシーズンになりました。サッカーどころではない川崎という街にとって大きな手応えと財産になると思います。しかし、結果として我々は何も得ていません。こうした人々の声を耳にしたことで、改めてタイトルという結果を残さねばならないという気持ちを強く持たせてくれます。そして、「地域の誇り」と言われる存在になりたいです。

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以上です。敗戦したことに対する悔しさは相当なものです。しかしながら、「我々のサッカー」を出し尽くした末の結果だけに胸を張って受け止めることが出来ます。「こんなことになるなら決勝まで行かなければよかった」と考える人もいるかもしれませんが、今の自分たちの力をぶつけられたからこそ見えてきたモノ、そして未来への期待も少なからずあったと思います。

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新たなチームの柱を育てながら強化を進めるという難しい課題に取り組んでくれた風間監督、チームを牽引し続けてくれた嘉人さんには感謝しかありません。

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2人がチームに残してくれたレガシーを下地に鬼木新監督とともに、一歩ずつ歩んでいければと思います。

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今シーズン、お疲れ様でした。また、来シーズンも頑張りましょう。

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