ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ-湘南ベルマーレ

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昨日は、等々力陸上競技場川崎フロンターレ明治安田生命J1リーグのホーム開幕戦を観戦。開幕戦では、キャンプから取組んだ攻守一体のコンセプトがハマり、昨季王者の広島に勝利した川崎。昨季も開幕戦の勝利しながらも、ホーム開幕戦を引き分けで終わっただけに、良い流れを継続していきたいという気持ちが強かったです。

試合は、前節とは真逆の激しい点の取り合いとなりました。後半ロスタイムまでスコアが動いた試合は、何とか川崎がドローに持ち込むことが出来たものの、疲労感と同じくらい課題がドッと出てくる内容でした。試合を通じて感じたことは、以下の点です。

1.道半ばながらも明確に打ち出した「攻守一体」の姿勢

試合後の会見で風間監督は、今季のボールを取りに行くアプローチについて、守備ではなく「攻めるための対応です」という言葉を使っておりました*1。前節の広島戦を終えて、私は「守備」ではなく「ボールを取りに行く」という認識がチームの中で強いのではないかと考えていただけに、風間監督の発言は非常にしっくりくるものでした。

今節は「守備を広島に忘れてきてしまったのでは?」と思わんばかりに、良い意味でも悪い意味でも「川崎らしい」試合でした。では、本当にチームが守ることを放棄したのかといえば、全く違うと思います。昨季は、どちらかといえば、アドリブと個々のスキルでカバーしていた部分を、今季はチームとして、明確なコンセプトを持って対応しており、90分を通して、この姿勢は見て取れました。その中で、個々の判断の甘い部分や誤った対応が連鎖して失点してしまいました。キングベルⅠ世は優しいおじいさまでも、ベルマーレは簡単に見過ごしてくれませんでした。

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ケンゴさんが述べられていたとおり、1失点目はともかく、この日の喫したタイプの失点を減らさなければならないわけで、この精度を高めていく姿勢は重要です。

2.「クオリティ」から「スタンダード」へ

風間監督の選手交代は、ピッチ上のチームのリズムを見極めて動くことが大半ではありますので、明確に出来が悪い場合を除いて「遅い」という認識があります。しかし、ここ2試合の選手交代は先手を打つように早めに動いてくる姿勢が見られました。この日もハーフタイムに2枚交代、そして終盤にまさかのエドゥアルド投入というまさかの仕掛けを施しました。

ただし、風間監督が従来の交代策で見せたクオリティを上げていく姿勢よりも、この日の交代は前述のチームの組織対応で上手く出来てなかった選手を変えたという部分が見られたと思います。その意味では、現在のチームとして求められる「スタンダード」が従来よりもグッと引きあげられている印象があります。攻撃スキルを体現できること、リズムの中でプレイできることに限らず、自分のゾーンに戻ること、ボールホルダーにアプローチして相手の攻撃を遅らせる対応をすること、それを90分間の中でムラ無く続けていけることが求められてきているのだと思います。

3.森本貴幸選手は「第3の男」になれるのか?

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この日、貴重な同点弾を挙げたのが、今季新加入した森本選手でした。後半頭から投入されて2試合連続の途中出場となった森本選手、風間監督も要所のタイミングで投入してくることを踏まえると、しっかりと11人プラスアルファのチームとして計算しているということが理解できます。

森本選手は、若くして得点能力の高さを買われて海外に飛びだった選手ということで、ゴールには繋がらなかった部分も含めて、ゴール前にしっかりと顔を出す頻度も多く、ジェフ時代にも気にしていた守備の献身性も非常に頼もしかったです。2試合で見られたとおり、2トップの一角として前線で体を張って、そこにサイドに入った悠様や嘉人さんが反応してボールを拾えばロングボールからの速攻も可能になると思います。

ここ数年の補強における課題は、フォワード「第3の男」がハマらずに毎年のように入れ替わっている点です。パトリック、森島選手、杉本選手や船山選手と、毎年のようにオフの目玉補強となるFWの選手が、翌年にはチームに残っていないのが現状です。もちろん嘉人さん・悠様と怪我さえなければ年間通じて戦える2枚看板を抱えていることの裏返しではありますが、彼らでは作り出せない高さ・パワー、流れを変える存在が絶対必要です。早い段階で初得点を記録した森本選手、地元出身としての期待値も高いだけに継続した活躍を期待したいです。

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以上です。流石に組織的な戦い方が一朝一夕で何とかなるほど甘いものではないですが、継続していってほしい部分です。組織が機能しなければ、素晴らしいスキルを持ったディフェンスの人材も生かせないわけです。過去数シーズン繰り返してきた攻撃に対するブラッシュアップと同様、組織的な守備の対応も磨いてほしいところです。1試合1試合を大切にしていってほしいです。

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