ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ- ベガルタ仙台

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昨日は、等々力陸上競技場で川崎のホーム最終戦を観戦。先週のガンバ戦で天皇杯の敗退が決まり、クラブとしては今年も悲願のタイトルに手が届かず悔しいシーズンとなりましたが、嘉人さんの前人未到のJリーグ3年連続得点王に王手という嬉しい話題も残っていました。様々な思いがスタジアムに交錯する雰囲気もまた最終戦といったところ。

 

昨日の試合は、経過を書く必要もないでしょう。嘉人さんの見事なミドル弾で勝利を飾ることができました。観戦を通じて感じたことは以下の3点です。             

 

1.千両役者・大久保嘉人が見せた「嗅覚」と「集中力」


「役者が違う」と実況・解説がシャウトするほど、等々力がドッカンと爆発した嘉人さんのゴール。怪我や体調不良でも強行出場をする嘉人さんですが、この日も怪我の影響からか、動きを制限しながらプレーを続けていたと思います。そうした状況だったからこそ、嘉人さんの凄い部分が垣間見れたと思います。

1つは、動き回れない反面、ボールを受ける位置取りや侵入するタイミングに工夫が見られた点です。経験と嗅覚の双方を感じ取れるのですが、その多くは偶然ではなく、嘉人さんが生み出した必然なのだと思います。

もう1つは、局面の集中力です。決勝点となるゴールは、普段から練習している形だったと試合後のコメントで述べておりましたが、試合中の、しかも近くに相手がいるプレッシャーの中で決めるのは大きく違うと思います。また、得点には至りませんでしたが、前半に見せた反転シュート、後半のバイシクルシュートやスコーピオンキック?も、反射神経・技術に加えて、高い集中力が合わせ技だと思います。

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決して万全ではない状態でも、その日のベストのプレイを実践し、多くの期待に応える素晴らしいゴールで勝利をもたらした嘉人さんは、プロフェッショナルであり、千両役者でした。3年連続得点王、おめでとうございます。

 

2.残された課題

試合には勝利しましたが、先日の天皇杯・ガンバ戦に続き、今季の残された課題が浮き彫りになった試合であったと思います。1つは、守備の安定感です。自分で書いた感想の繰り返しですが、守備については、個人のスキルで乗り切るのが基本路線であり、守り切るではなく、攻め切って相手からダウンを奪って勝つしかないと思います。

今季の川崎は、昨季に続き、攻守のバランスよりも、攻撃の効率性を高めることに比重を置いたアプローチでピッチ上のメンバーと配置をチョイスしてきました。実際、ベストミックスが見出せた時は、得点と連勝を積み重ねることができました。しかし、怪我人等で形が崩れて、負のスパイラルから脱け出すことが出来ず、今期は2度の3連敗を喫してしまいました。

一概に評価できませんが、昨年以上に、チーム作りのメリットとデメリットの双方が出たと思います。タイトルという結果を求める以上、この手法には、ある程度の改善を図るべきだと思います。

もう1つは、ブロックの崩し方です。川崎の攻撃スタイルがJ全般に浸透してきたことで、ハイプレス戦術と並行して、チームの重心を低くして、ゴール前を固める選択をするクラブは少なくないと思います。実際、このアプローチで勝利したチームも少なくなく、素晴らしい組織守備でマリノスに完封された現実を踏まえると、来季も定石として登場することは予想できます。

この点は、相手の城壁を破壊するための手段をチームの戦い方の中で組み込んでいくことを、模索していかねばならないと思います。例えば「高さ」を生かした攻撃というのは、風間監督も幾度となく取り組んできました。昨年まではゼロ回答に近い結果で終わっていたものの、今季は健勇選手がある程度の可能性を残してシーズンを終えました。健勇選手の努力、監督の起用も含めて継続性が求められる部分ですが、実を結んでほしいです。

風間監督ならびに強化部が、上記を含めた課題にどのように取組んでいくのか。オフの強化策も含めて注視していきたいと思います。

 

3.2016年のプロローグ

課題も残った試合ですが、今季を戦ったメンバーとの最後の公式戦となった仙台戦のピッチ上の顔ぶれを見ると、今季の「総決算」と来季に向けた「プロローグ」となる試合だったと思います。

所属2年目の新井・武岡両選手がレギュラーを獲得し、失敗と実績を繰り返しながらも、ポジションを死守してシーズンを終えたことは、今季の1つの成果だと考えます。また、ドイツから復帰した田坂選手については、途中出場でありながら、クオリティを高める意味でも欠かせない存在であることを認識させられました。近年のフロンターレの編成では入れ替わりも激しかった中堅からベテランに移行しつつある「働き盛り」の年代の選手たちが、ピッチで存在感を示してくれたことは、来季に繋がってくると思います。

一方、大卒新人として今季加入した車谷・中野両選手も、試合出場経験を積みあげ、最終戦では揃ってスタメン出場を果たしました。「即戦力」として期待される大卒新人選手がレギュラーに食い込むことができたことも、クラブの将来を見据えた編成にも1つの道筋を作れたのではないかと思います。

 

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以上です。今年のチームを取り巻く多くの課題と来季の鼓動を感じる試合だったと思います。風間監督が仰っていたとおり、今季が終わっても、川崎フロンターレというチームは続くとともに、チームのサッカーも続いていくと思います。今季は35万人以上の観客が足を運んでいただきました。内容も結果も含めて、期待値もそれだけ大きいものだと思います。だからこそ、強く愛されるチームを目指して頑張ってもらいたいですし、私も応援を頑張りたいと思います。今シーズン、お疲れさまでした。

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