ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・湘南ベルマーレ-川崎フロンターレ

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昨日は、Shonan BMWスタジアム平塚湘南ベルマーレとの試合を観戦。今節の対戦相手は、ファーストステージのリベンジに燃える湘南さん。前節の神戸戦に敗れた川崎としては、勝利して上位戦線に踏みとどまりたいところ。


試合経過は、以下の通り。

  • 川崎が嘉人さんの前半開始数十秒の電撃弾で先制(0-1)。
  • 湘南さんも川崎のゴール前のパス回しを藤田選手がカットし、ゲット(1-1)。
  • 前半は、一進一退が続くものの湘南さんが押し気味で折り返し。
  • 後半は、序盤から川崎が湘南ゴールに幾度となく攻め込みネットを揺らせず。
  • 逆に湘南さんの単騎突破から途中交代のアリソンに逆転弾を許す(2-1)。
  • 終盤に川崎が猛攻を見せるが、GK・秋元選手の好守に阻まれ、試合終了。

観戦を通じて感じたことは以下の3点です。             

 

1.仕留められない川崎

私は、試合終了後、珍しく頭を抱えていました。逆転負けという最悪の結果であったことはもちろん、山形戦、神戸戦と同じような展開を繰り返してしまったからです。試合経過を上記のように書き出してみましたが、過去2試合も同じような経過だったと思います。

  • 前半は、相手イレブンの前からの守備・圧力に苦しみ、押し込まれる。
  • 相手の運動量が落ちた後半に入ると川崎ペースで相手陣内に押し込む。
  • 川崎が何度もゴール前に決定機を作るもののゴールが決めきれない。
  • 川崎の攻撃を耐えた相手チームが逆襲に転じる(+得点を奪う)。

山形戦は失点こそ免れたものの、後半の「ココで決めてれば」という時間帯で仕留めることができず、相手の逆襲を許してしまう展開。直近3試合は、どの相手も楽ではなかったですし、縦の勢いに対する怖さはありましたが、川崎が勝ちきることもできた試合であると感じます。憲剛選手が試合後「もったいない」と言うコメントを繰り返しているのも、そうした感触があるからだと思います。

 

2.杉本健勇は「新成」できるか?

怪我からの強行出場が続く嘉人さんは、試合を重ねるごとに「動ける」時間帯が短くなってきていると思います。だからこそ、山形戦の感想でも触れましたが、彼をサポートするだけでなく、決定機で仕事を果たす役割を果たしてもらいたいです。2試合連続スタメンでフル出場を果たした健勇選手、途中出場の船山選手ともに、何度か決定機を作ったものの、ゴールという結果を残すことができず、流石にサポーターの声も厳しい論調となります。

ネガティブのスパイラルに入るのもアレなので、少し違った視点から考えたいと思います。2試合連続でスタメン出場の杉本選手の変化には、試合を見た皆さんも感じていると思います。以前に比べて前線で体を張ってタメを作ること、ボールを受けて素早く前に運ぶ意識は見てとれます。正直、ファーストステージの終盤の方は、セカンドトップくらいの方が良いのではないかと思ったくらい、ゴール前はお留守状態だったので、変な話ですが、決定機に顔を出していること自体が「カイゼン」なのだと思ったりもします。

<「速さ」ではなく「早さ」>

当たり前ですが、改善されたとはいえ、フォワードとしては全く満足できる内容ではありません。例えば、細かい部分かもしれませんが、狭いスペースでボールを受けた時のトラップの正確性、胸トラップ時の落とし方など、僅かなコントロールミスが、次のプレイに影響していきます。そして、局面での判断についても、以前よりはスピードアップしたと思いますが、まだまだ遅いと感じます。


以前、鳥栖の鎌田選手のプレイを見て、素晴らしいと思ったのは、2手ほど先のプレイの準備が出来ていた点です。次にプレイすることが決まっているから、ボールを受けてからが速いのです。健勇選手に求められるのは、スプリントの速さではなく、判断の早さだと思います。

<壁を乗り越えられるか>

ただし、杉本選手を擁護するとすれば、こうした現象は、川崎のリズムを掴んで「目で見えてきた」段階のFWが当たってきた壁でもあります。風間監督が就任した2012年の矢島選手(現在は横浜FM)、小林悠選手も同様にゴール前での判断ミスで何度も決定機を決めきれず、厳しい声を受けてきました。

また、2013年のパトリック選手(現在はガンバ大阪)、2014年の森島選手(現在は磐田にレンタル中)のようなタイプの選手についても、テンポに慣れることとともに、局面のプレイ判断に苦労し、持ち味を引き出すことができませんでした。類まれなるサッカースキルを有する嘉人さんはスペシャルであったと思います。

私は、様々な苦労を乗り越えて「壁」を唯一乗り越えた悠様と同様、健勇選手には乗り越えられそうな手応えがあります。しかし、何年もキャリアを積んだプロの選手が何試合も悠著に待っていられません。結果=ゴールを出して、試合に出る=壁に挑む権利を手にしてほしいと思います。彼が「新成」できるかどうか、もう少し我慢したいと思います。

 

3.君の名は希望中野嘉大

関東大学サッカーリーグを観戦するようになって、プロに入る前からプレイを見てきた選手は少しずつ増えてきました。今季加入した中野選手も、西が丘等で実際に見たことのあった選手の1人です。彼の武器は、相手の隙間をすり抜けていくような「ヌルヌル」ドリブルです。昨年、関東大学サッカーリーグの1部から降格した筑波大ですが、パスの正確性と展開力は素晴らしいのは変わりなく、展開力を担っていた彼のドリプルでした。

<強烈な「個の力」で光を放つ>

「止まらない、止められない」という往年のCMソングのフレーズを口にしたくなるような光景をJリーグでいきなり見ることが出来るとは思いませんでした。中央突破でチャンスメイクをしたかと思えば、サイドでボールを受ければ、中へと切り込み、狭いところからシュートに持ち込んで惜しい場面を作るなど、唸らせるプレイを見せてくれました。加入後、公式戦での出番が無かった中野選手は、初出場でいきなり強烈なインパクトを残しました。谷口や車屋同様、デビュー戦とは思えない素晴らしい内容だと思います。

<繋ぐサッカーに必要なドリブラー

よく言われる話ですが、パスを繋ぐサッカーにはボールを運べる選手の存在は必要です。特に、ここ数試合を見ていると強く感じます。各チームとも、パスワークを封じるために、パスコースを消すための準備を整えようとします。そこを中央から一気にドリブル突破で仕掛けると、相手は対応に苦慮します。また、ピッチコンディションに左右されるパスに比べると、ドリブルは影響度が少ないと思います(足を取られるということは想定されますが)。ボールが繋げない時、ボールをより良い位置まで運ぶためにも、こうしたタイプは必要だと思います。田坂選手が復帰すると、スタメン争いは熾烈になると思いますが、是非とも良いアピールを続けてほしいと思います。

 

以上です。個人のスキルで乗り切るのが基本路線なので、守備の劇的改善は見込めないと思います。守り切るではなく、攻め切って相手からダウンを奪って勝つしかない。攻撃のための創意工夫は、長く続けていることなので頑張ってほしい。結局、点を取れなきゃ勝てないし、取れないから、変わる流れもある。中断後3試合は、本当に同じことを言っておりますが、悪い流れを乗り越えてほしいです。

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最後に、今の感想では書くことが少ないのですが、2年ぶりの湘南さんのスタジアムの雰囲気は今年も最高でした。来年も楽しみです。

 

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