ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:SBSカップ国際ユースサッカー・U-18日本代表‐U-18スペイン代表

本日は、藤枝に足を運び、「SBSカップ国際ユースサッカー」を観戦。毎年、静岡で開催されているSBSカップは、U-18日本代表と地元・静岡ユース選抜チームが、海外の代表チーム(本年はスペインとクロアチアが参加)と対戦する国際大会です。

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念願の初観戦となった今大会の初日は、2試合ともに手に汗握る熱戦となりました。その中で、第1試合の日本代表とスペイン代表の試合を通じて感じたことは、以下の点です。

 1.「デカうま」なスペイン代表

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「デカい」というのが、パッと見た時のスペイン代表の選手の印象です(その後、さらに体格の大きいクロアチア代表の選手たちが登場して再度驚かされる)。しかし、体の大きさに関係無く、各選手のボールタッチは丁寧で正確でした。浮き球の処理や胸トラップにしても、トラップを膨らむことなく収める技術の高さは随所に感じさせました。そして、短い距離でのボール交換は本当に素早く、日本イレブンが人数をかけて囲もうとすると難なく突破する、といった場面も何度か見られました。

ただし、藤枝のピッチコンディション等も影響してか、中・長距離のパスはあまり通すことが出来ず、試合を通して「ボールを走らせた」印象はありませんでした。また、中盤やサイドはボールを回せていましたが、最前線の選手にボールが入らず、決定機の数も多く作ることは出来ませんでした。この点は、長距離移動や代表チームの活動期間が影響してくるかもしれませんが、「らしさ」を感じつつ、攻め込まれる怖さは強く感じませんでした。

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ただし、少ない決定機も確実に決めたゴールシーンは見事でした。スペインの先制点は、サイドを駆け上がると、密集地帯の中に飛び込んだ10番の選手がクロスに反応して素早くシュートを放ちゴールゲット。相手が何人いようと関係無い、少ないチャンスを仕留める技術は確かなものでした。

2. 様々な引き出しを見せた日本イレブンの攻撃

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日本イレブンは、スペイン代表同様に短い距離でボールを繋ぐ場面もあれば、ロングボールで一気に攻め上がる、あるいは縦に早い攻撃で仕掛けていく等、試合を通じて、一辺倒な攻め方にならなかったのは非常に良かったと思います。決定機は前半・後半ともに日本の方が多く作ることが出来ましたが、最後のところで守り切られてしまう、決めきれずという場面が多かったのは課題ではありますが、良い攻撃の形を見ることができました。

3.「10番」を背負う坂井が見せた気迫のゴール

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日本代表の攻撃を総べるのは、主将も務める10番・坂井選手(大分)。ボランチの一角を担う坂井選手は、後方からのビルドアップ段階から顔を出してボールを繋ぎ、サイドや前線の選手にボールを供給します。そんな彼が、失点を喫してリード許してしまった日本の同点弾を決めました。途中から入ったFWの一美選手(大津高)のヘッドを相手GKが弾いたところを、相手ディフェンスに競り勝つかたちで押し込んだゴールです。ゴール前まで激走し、激突による怪我をも恐れぬ、熱いハートのこもったゴールでした。坂井選手のゴールで追いついた日本は、再び息を吹き返すことに成功しました。坂井選手のプレイがチームにもたらしたものは非常に大きかったと思います。

4.目を奪うプレイを見せる堂安

攻撃の起点として存在感を示した坂井とともに、随所に光るプレイを見せたのが堂安選手(ガンバ大阪)。スペインとの中盤での攻防が激しくなってきた場面で、要所で相手の突破を抑え込むプレイを度々見せており、特に後半は「15番」は嫌でも目に入ってくる感じでした。日本の守備が試合を通じて大崩れしなかったのは、最終ラインの選手たちが体を張って跳ね返せた部分と、中盤の堂安選手の存在が大きかったと思います。

堂安選手は、守備で激しいプレイを見せたかと思えば、相手を嘲笑うようなトリッキーなプレイを見せる等、唸らせてくれました。敵クラブながら、今後の成長が大変気になる選手でした。

5.三好が見えた課題と手応え

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静岡に何故か多数来場した川崎サポ(私含む)の期待を背負った三好(川崎)は、右サイドハーフで先発。試合開始直後からボールに絡むシーンが多かったものの、トラップが膨らみ詰めた相手に奪われる、短い距離のボール交換で出したボールがカットされる等、序盤はミスが散見されました。第2試合のクロアチア代表選手を見ても感じましたが、小さなミスが相手の1秒、1歩の詰める時間を与えてしまい、窮地に追い込んでしまいます。クラブでも言われていることだと思いますが、圧力のある局面下で落ち着いたプレイをすること、ミスを無くしていくことは突き詰めるべき課題だと思います。

ただし、試合が進むごとに、三好の良さが出てきたのも確かです。前半は2トップへのボール供給やクロスボールを送り込み、後半にはドリプル突破や自ら持ち込んでのシュートを見せるなど自分の武器を見せることが出来ました。後半途中で交代となりましたが、次の試合に繋がる良いプレイを見せてくれたと思います。

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最後はPK戦の末、勝利を挙げることが出来た若き日本イレブン。後半の終盤に魅せた猛攻で決めてほしかったというのが正直な思いですが、粘り強い戦いでPKながらも勝利を手繰り寄せることができたのは自信にも繋がると思います。明日の静岡ユースとの戦いの中で、日本代表の誇りを胸に熱いプレイに期待したいところです。

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