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ぶらり人生途中下車の旅

ボンクラライフ

観戦記:プレシーズンマッチ・川崎フロンターレ‐ボルシア・ドルトムント

サッカー

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7日に等々力陸上競技場ボルシア・ドルトムントとの国際親善試合を観戦。セカンドステージ開幕戦を控える中、突然降ってわいた世界的なビッグクラブとの対戦。洗濯した回数も多くは無かろう黄色のユニホームを纏った「平成のデルフィン」達を横目に小雨がぱらつく等々力に駆けつけました。

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試合は、前半早々に香川真司選手にゴールを許し、その後はボールを握る時間帯を作りながらも香川選手に追加点を献上。後半は憲剛さんや悠様が入るものの、オーバメヤンギュンドアンを投入したドルトムントに完膚なきまでに打ちのめされて完敗を喫しました。観戦を通じて感じたことは以下の通りです。

1.判断の早さが実現するプレイスピード

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ドルトムントの攻撃は、香川のゴールシーンやオーバメヤンのトリッキーなボールさばき等の目を引くプレイも多かったと思いますが、私が一番印象に残ったのはスタジアムで体感したプレイスピードの速さでした。

スピード感というのは、様々な部分で感じたことではありますが、特に局面ごとのプレイの判断スピードに驚きました。ドルトムントの各選手のプレイを見ていると、味方からボールを受けてから次のプレイに移行するまでの間、立ち止まったり、周囲を見渡すような場面がほとんど見られませんでした。

次のプレイの準備をしながら動いているから、少ないタッチ数でボールを動かすことが出来る、という流れを継続することで流動的なパスワークとポゼッションを実現していたのだと思います。そして、一連の流れをミスなく継続して続けられることが、チームとして大きな違いを感じた部分です。

 

2.正しい位置でプレイするということ

スピード感を実現したのは、個々の選手の判断スピードに加えて、的確なポジショニングでプレイ出来ていたことも影響していると思います。この日は2階席で観戦していましたが、ドルトムントイレブンは、始動から数日間とは思えないほど、ピッチを広く使い、単騎突破に限らず、多くの選手がプレイに関与した連動性のあるプレイを実現していました。正直、チームが始動した時期から考えると未成熟ないし工事中の部分であると考えておりましたが、完全に甘い認識であったことを痛感しました。

選手間の距離が的確に取れているからこそ、各選手がボールを「止める」⇒「出す」という流れが非常にスムーズに機能し、相手にボールをカットされても味方の選手が近くにいるので拾うことが出来るからボールは奪われないというサイクルを続けることができます。

守備時も同様で、適切な位置と距離に選手がいるからこそ、気持ちを押し出して無理にプレスをかけなくても、ボールホルダーに対して複数人数が寄せていくことで人とボールの動きをカットすることが出来ます。川崎の選手が、普段よりもボールを動かせなかったのは相手の寄せが厳しかった、というよりも、常に数的不利ないしボールを出すためのコースが消されていたからだと思います。

ボールを受ける場所、出すスペースの双方が打ち消されたからこそ、川崎の選手のプレイスピードと人の動きが遅くなり、相手に奪われる場面であったり、無理をしたプレイでミスが発生するという悪循環に陥ってしまったという印象です。

 

3.ビジュアル化された超戦術

上記のように、ドルトムントのプレイについて考え、言葉を並べていくと、1つのことに気付かされます。それは、ドルトムントイレブンがピッチ上で表現したプレイこそ、風間監督が監督就任以前から解説者として言語化して表現しようとしてきた超戦術であり、志向するサッカーそのものだったからです。

「 1対21 」 のサッカー原論 「 個人力 」 を引き出す発想と技術

「 1対21 」 のサッカー原論 「 個人力 」 を引き出す発想と技術

 

考える力と技術の両立、相手の動きを外してフリーになった足元に通すパス、的確な位置でプレイすることが攻守の連動性を生むことは、風間監督が長らく語ってきたことです。フロンターレも時間をかけて、風間監督が志向するサッカーの本質をピッチ上で体現できるようになったと思いますが、ドルトムントは数段上のレベルをビジュアル化してくれました。このレベルのサッカーをJリーグで経験することはたしかに難しく、欧州のトップクラブで実践しているドルトムントと対戦できたことは、自分たちが推し進めてきたサッカーを真っ直ぐにぶつけたからこそ非常に意味のあるものになったと思います。

試合後、風間監督や憲剛さんが非常に前向きなコメントを残していたのは、負け惜しみでもなく、彼らのプレイを自分が立つテクニカルエリア・ピッチ上で体感できたことに対する率直な感想だったと思います。逆に、嘉人さんが悔しいコメントを述べていたのは、フロンターレが積み重ねてきたサッカーの質があれば「もっと出来る」と感じたからだと思いますし、そこに積極的なプレイを出せなかった選手への苦言だったと思います。

その意味では、単なる親善試合あるいは交流ではなく、貴重なプレイ経験を積む場になったのではないかと思います。

 

以上です。「高品質で知られる。ドイツ製品。もちろんボルシア・ドルトムントもそのひとつです」というのは、マッチデープログラムに掲載されたエボニックの広告の言葉です。ドルトムントイレブンの1つ1つのプレイは、高級時計のように精密で正確なプレイ時間を刻み、そしてドイツ製品らしい頑丈なモノであったと思います。

ピッチに立った選手たちは、試合をしたという事実・経験に限らず、多くの刺激を得たと思います。そのように考えると、勝ち負けは抜きにして、尺定規という観点からも海外のクラブとこのような試合ができる場を設けられれば良いかなとも感じます。

また、観戦を終えて思ったことは、5年前の自分であれば、黄色のデルフィン層と同様にドルトムントのプレイを「見る」だけに満足していたと思いますが、風間監督を通じてサッカーの見方が大きく変わったからこそ多くのことを「感じる」ことが出来たのではないかと思います。選手同様、自分にとっても積み重ねてきた経験をぶつけられた試合になったと思います。

f:id:y141:20150710055856j:image ダンケシェーン、ボルシア・ドルトムント

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