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ボンクラライフ

観戦記:明治安田生命J1リーグ・川崎フロンターレ‐柏レイソル

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本日は、等々力陸上競技場柏レイソルとの試合を観戦。絶賛連戦中、インターバルが少ないだけに大幅な修正が難しいです。甲府戦に先勝して初の連勝を飾った川崎は、近年の対戦成績が芳しくない柏との対戦ということで、好調の4月を良い形で締めくくりたいという思いを胸に試合に臨みました。

 試合は、先制点を奪うことに成功したものの、柏に逆転を許して悔しい敗戦となりました。観戦を通じて感じたことは以下の通りです。

 1.流れを変えた「失点」

吉田新監督率いる柏は、ボールを保持して繋ぐスタイルを標榜するスタイルに転換を図っています。前年までのネルシーニョ前監督の柏は、相手の長所を消して優位に試合を進めることを徹底していましたが、今回の試合を見る限りはより自分たちの目指すサッカーを表現するという主体性を持って取組んでいたように思えます。

前半は、両チームとも、細かくボールを繋ぎながら相手ゴールに迫る形はある程度作れていましたが、スイッチを入れる縦パス、ラストパスやシュートに至る流れの中で意思疎通が取れず、決定機は多く作れなかったと思います。

〇 一度は掴めた流れを手放してしまった失点

川崎の選手をじっくり見ていましたが、ボールを受けるトラップやパスの精度が気になっていたので、滅多に決まらないセットプレイからの得点は本当に貴重であったと思いました。それだけに、前半ロスタイムに同点弾を許してしまったことが非常に残念です。川崎自身、攻撃面は芳しくなかったものの、守備としては危険な場面が少なかっただけに、武富選手のドリブルシュートを止めきれなかったのが悔やまれます。

前半の折り返しをリードと同点で迎えるのでは、大きく違うと思います。痛恨だったのは、後半の頭に失点を許して逆転されてしまったところです。前半に比べて、より前に出て「仕掛け」の意識を強めたように思えた柏が、エキセントリックな勢いのある攻撃で鮮やかにゴールネットを揺らしました。ギアチェンジして、攻撃のリズムを上げていきたかった川崎は、完全に出鼻をくじかれてしまいました。一度掴んだ流れを戻され、そして相手に引き寄せてしまった2つの失点が試合を通じて大きく響いてしまいました。

2.攻撃のリズムを上げていくためには

逆転を許した川崎も黙ってはおらず、反転攻勢に転じたものの決定機を多く作れませんでした。柏はリードを奪ったことで無理に攻めることなく、人を割いて守備をしっかりとして、ショートカウンターを仕掛けるというアプローチに変えていきました。しかし、中盤の局面では前半と同様にボールをしっかりと繋ぐことも並行して行っておりましたので、中盤でボールを握ることができず、川崎は非常に攻めづらい形になっていたと思います。

私が一番問題に感じたのは、後半に入り、交代選手が入っても、攻撃のリズムを上げることが出来なかったことです。勝利を収めた仙台戦や甲府戦がそうであったように、川崎は攻撃のギアを上げて相手守備陣に強烈なボディブローを打ちこんでダメージを与えることによって、ダウン=ゴールを奪ってきました。前半と何ら変わらぬジャブの応酬では、相手のガードを下げることができず、文字どおり相手の華麗なカウンターを食らってしまい逆にダウン=失点を喫してしまいました。

〇 アゲアゲできなかったのは何故か?

テンポアップできなかった原因を考えるに、風間監督がコメントの中で仰っていたとおり、1プレイ単位のミス・ズレの連続が挙げられると思います。この日は、とにかくボールを受ける時のトラップが大きく、マスター級の悠様・大島君でさえ収まらない場面が散見されました。同じ方向性を志向しているせいか、柏側もそこに1歩の詰めをしてきます。そして、ミスがプレイのズレを呼び、そして良いリズムが上手く刻めない、という悪循環に陥ってしまいました。

〇 交通渋滞の発生

攻撃のリズムが悪ければ、風間監督は即座にカードを切ります。この日は、船山選手、健勇選手、さらにビョンジュン選手をピッチに送り込みました。しかし、既存のアタッカー陣と変えることなく、3バックに移行したうえで投入ということで、前線の選手の交通渋滞が発生していた印象です。このため、前線の流動性を発生できず、張り付いた状態となってしまい、ボールの出し手が素早くボールを送り込めず、結果としてリズムを高めることができませんでした。人数をかけて攻め込むという監督の意図も理解できただけに、良し悪しはありますが、もったいないランドでした。

〇 高さ、右サイド突破という打開策

テンポが良くなくても、前半は憲剛を中心にロングフィードを混ぜながら仕掛けたことでチャンスを作れてきたのですが、柏イレブンが自陣に待ち構える形をとったため、高さで負けてしまい、次第に鳴りを潜めてしまいました。終盤、ビョンジュンと健勇の2枚がいたことも考えると再トライしたかったところではありますが・・・。

なお、左のレナトを警戒される一方、右の武岡やエウシーニョのサイドが何度か攻め込めたのは良かったのですが、切り崩すにはもう1人欲しかったところですね。3失点目を喫する前くらいは、何度かチャンスを作れていたので、もったいなかったです。

〇 調律師・森谷賢太郎の不在

以上のように考えますと、ボールの繋ぎと運ぶことの双方を行える森谷選手の不在が響いてしまったと思いました。また、憲剛や大島君が指揮者・主演奏者であるとすれば、森谷選手はメトロノーム・調律師と言いますか、リズムや音を整えてくれる存在だけに、こうした試合こそ彼の不在の大きさを感じました。いち早くの復帰を願うばかりです。

3.GET WILD

試合を通じて、処々に気になったのは対人守備の分の悪さでした。ネルシーニョ時代もそうでしたが、柏戦で不利になるのはサイドを封じ込められてしまうことが影響しています。車屋・武岡の両サイドは、柏攻撃陣の突破に相当苦慮しました。この日はエウシーニョ、レナトがサイドでプレイしていただけに、サイドバックの個々のマッチアップで負けてしまうと窮地に追い込まれてしまいます。特に全試合フルタイム出場している車屋を責めるのは酷かもしれませんが、左サイドの脆弱性が失点に影響してしまったのは認めざるをえません。非常に辛い結果になってしまいましたが、怪我人が多く替えの効かない存在だけに、よりタフに強くなってもらいたいものです。シフトカーチェンジに期待です。

 

以上です。「勝ちに不思議の勝ちあり、負けの不思議の負けなし」という言葉は試合のたびに思い出しますが、今日はまさに後者でした。しかし、不思議ではないからこそ、打開する道術はありますし、やるべきことがしっかり出来れば強いチームだということも理解しています。次戦は、年に2度の多摩川クラシコ。昨年のリベンジに燃えるFC東京との試合を制して、凱歌をあげたいです。覚悟を決めて、多摩川を渡れ!

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